Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2023年11月号

自慢の学校行事みてください!

恵泉女学園中学校

自然や生命の尊さを現地で体感
清里高原「ファームワーク」

2日目の朝、ジャージー牛を放牧した後に牧草地で牛と触れ合いました。

「聖書」「国際」とともに、「園芸」を教育の柱として、確かな学力と高い人間性を養うことを教育目標とする同校。園芸の授業の集大成ともいえる山梨県・清里高原での「ファームワーク」について、お話を聞きました。

理科/青鹿吉洋先生理科/青鹿吉洋先生
「ファームワーク」は、理科の学びの延長線でもあります。自然の中で人間がその一部であることを実感し、自然を体感しながら学ぶことは、まさに生きた授業だと思います。

 毎年8月下旬に行われる「ファームワーク」は、2泊3日の宿泊行事です。同校に入学した生徒たちは最初の宿泊行事『フェロシップ』に参加し、建学の精神を学びます。その後、園芸の授業で1年間植物を育て、土に触れる体験をします。中2になって本格的に自然に親しみ、“自然の不思議”を学ぶのが清里高原「ファームワーク」です。

「中2という感受性の強い、とても大事な時期に『ファームワーク』を行うことで、生徒たちは大きな成長を遂げていきます。この行事では、酪農体験などを通して“循環型農業”について身をもって学びます。本校の園芸の授業では清里から送られた“たい肥”で植物を育てていますが、そのたい肥がどのように作られているかを目の当たりにするわけです。牛の放牧を行う際は、牛を感染症から守るために白いレインコートを着て、牛が逃げないように手をつないでみんなで目的地へと誘導します。牛を間近で見るのが初めての生徒や動物が苦手な生徒も、その時点で牛への警戒心は薄れています。自分たちがきちんと誘導しなければ、牛が草を食べられないという責任感のほうが強くなるからです」(理科/青鹿吉洋先生)

 2日目の夜の「ナイトハイク」では、経験豊富なレンジャーの方たちとともに、暗い森を探索します。視覚に頼らず自然を堪能するのですが、野生動物に配慮し、懐中電灯を消して物音を立てずに道を進みます。

「足元の石に注意しつつ、それを後ろの人に伝えながら歩きます。暗闇で聞こえてくる川のせせらぎや動物の気配は、自然をより身近なものに感じさせます。自然に包み込まれている、そんな空間だからこそ仲間との一体感も生まれるのです。草むらにシートを敷いて寝転び、5分間目を閉じてみると、たったの5分が日常よりもずっと長く感じられます。そうした体験は、私たち大人でも新鮮な感覚です。また、レンジャーの方たちからも生徒は多くのことを学びます。レンジャーの方のお話に心動かされ、涙を流して聴き入る生徒がいたことも印象的でした」(青鹿先生)

「ファームワーク」への参加をきっかけに、大きく変化する生徒も多いようで、起立性調節障害等で、毎朝の登校が難しかった生徒が、元気に学校に通えるようになったケースもあるそうです。「ファームワーク」で汗を流して働くなかで、できないと思っていたことをなし遂げた経験が自己肯定感を高めてくれるのです。

「私自身もこの行事を通して自然への感謝の気持ちが強くなりました。楽しさだけではない、その先にある達成感や充足感を味わうことのできる行事だと思います」(青鹿先生)

レンジャーさんによる「おまかせハイク」で森へ1日目、レンジャーさんによる「おまかせハイク」で森へ。清里の生き物や植物についてレクチャーを受けました。
牛たちを誘導2日目、みんなで手をつないで道をつくり、牛たちを誘導しました。
牛舎から運ばれた牛フンが、どのようにしてたい肥になるかを学ぶ牛舎から運ばれた牛フンが、どのようにしてたい肥になるかを学びます。微生物や発酵による熱で、ホカホカになったたい肥を触らせていただきました。これらのたい肥は約半年後に同校へ届けられ、学内の畑に撒かれます。
味噌作りの準備中3日目の味噌作りの準備中。大豆をつぶして塩とまぜています。
C・Oさん(中2)C・Oさん(中2)

 牛との触れ合いが一番楽しかったことです。農場体験で、畑の土が牛のフンで豊かに変わることを実際に見て、自然の循環に感銘を受けました。私たち人間も大きな自然の一部だと感じました。以前は好き嫌いがありましたが、体験後は食べ物を残さず大切に食べるようになりました。


K・Iさん(中2)K・Iさん(中2)

 味噌作りやバター作りが楽しかったです。身近な食材がどうやってできているのかを知ることができました。動物に対して特に関心が強いほうではありませんでしたが、間近で見る牛の可愛らしさに驚きました。森の探検や「ナイトハイク」など普段できない体験がたくさんできました。

「ファームワーク」のスケジュール
1日目 学校からバスで出発、11時半頃現地へ到着。清里高原で地元食材のお弁当を食べる。
「レンジャーおまかせハイク」で2時間ほど周辺を散策。
2日目 朝4時半起床。5時から農場体験。
昼食後はバター作り体験。夕食後に「ナイトハイク」で1時間半ほど散策。
3日目 朝食後、味噌作り。ほうとう作り、ソフトクリームの試食。
買い物や遊具で遊ぶなど自由時間。

(この記事は『私立中高進学通信2023年11月号』に掲載しました。)

進学通信 2023年11月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ