3大行事から海外研修へ“自律と共生”をどんどん伸ばす

私立中高進学通信

2023年11月号

自慢の学校行事みてください！

広尾学園小石川中学校

3大行事から海外研修へ
“自律と共生”をどんどん伸ばす

学年やクラスにとらわれず、中高6学年を8チームに分けて開催される同校の体育祭「スポーツフェスティバル」。
チームごとに色分けされたTシャツが絆を育みます。

体育祭「スポーツフェスティバル」、文化祭「いちょう祭」、合唱祭「音楽祭」の3大行事を筆頭に、年間を通して“自律と共生”の力を養っている同校。
そうした力は、中3の夏に行われるオーストラリア海外研修でも遺憾なく発揮されます。

英語科部長／髙橋祥久先生
「スポーツフェスティバルでは、1チームに各学年各クラスの生徒がいるため、中学生と高校生の交流が生まれて絆が強まります」

「自律と共生｣を教育理念に掲げる同校では、それを実践する場として、6月に「スポーツフェスティバル」、秋に「いちょう祭」、2月に「音楽祭」の行事が開催されています。

「体育祭はクラスや学年で分かれて競うことが多いと思うのですが、本校の『スポーツフェスティバル』では、コース・学年の別なく中高6学年を縦割りでチーム分けしています。チームには中1～高3まで、本科コースの生徒もインターナショナルコースの生徒もいるチーム編成になっています」

　そう話すのは、髙橋祥久先生です。

「このチーム分けによって、上級生が下級生をサポートする中で下級生は先輩に尊敬や憧れを抱き、上級生は後輩を指導する難しさや楽しさを学びます。そこで結んだ絆により、自分が出ない競技でも、チームメートを応援し、全競技で盛り上がります」

　毎年秋に開催されるのが同校の文化祭「いちょう祭」です。いちょう祭は生徒各自のプレゼンテーションが主体となっており、一人ひとりに活躍の場が用意されている点が大きな特徴です。

「生徒たちは文化祭に向けてプレゼンの練習を重ね、同級生や担任に見てもらって意見を聞き、クオリティーを上げていきます。最初は不安だらけの中1生のプレゼンも、見違えるほど充実したものへと一変しますし、上級生になると内容が高度なものに進化して見応えのある発表になります。そうした成長を感じられるのが、本校の文化祭のポイントですね」

　6月の「スポーツフェスティバル」でチームで成長し合い、個々が輝く「いちょう祭」を経て、クラスの集大成として挑むイベントが、昨年2月にスタートした合唱イベント「音楽祭」です。

「コロナ禍もあって人前で歌った経験が少なく、恥ずかしくて声を出せないという生徒もいたのですが、 “プレ音楽祭”を開いて互いの歌声を聴かせたところ、自分たちの実力が把握できたようで、エンジンに火が点きました。その後の各クラスの練習への熱の入れようはすごかったですね」

　3大行事に加えて、日々培ってきた“自律と共生”の力を見せるイベントがもう一つあります。中3の夏休みに行われるオーストラリア短期留学です。

「現地の人に囲まれて生活する中で、日本で習った文法通りに話さなくても英語で会話ができることに気づき、積極的になる生徒が多いようです」

　英語しか通じない環境で、どれだけ前向きに生活するかによって顔つきが違ってくると髙橋先生は言います。

「『通じなくてもいいから、まずは声をかけちゃえ！』という生徒は、やはり顔つきが充実してきます。海外研修を通じて、日々成長し、たくましさを増していく生徒たちの姿に驚かされますね」

数ある競技の中でも、チーム対抗のリレーは最も盛り上がり、応援にもひときわ熱が入ります。