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私立中高進学通信

2023年11月号

校長先生はこんな人!

成城中学校

男子校の良さを活かし
知的好奇心を刺激
個性と学力を伸ばす環境

岩本 正 (いわもと・ただし)校長先生

岩本 正 (いわもと・ただし)校長先生
1970(昭和45)年生まれ。神奈川県出身。
神奈川県立相模原高等学校を卒業後、筑波大学第一学群自然学類物理学専攻に進学。
同大学大学院教育研究科へ進み、1995年に修了後、埼玉県の私立男子高等学校で教壇に立った後、
1997年成城中学校・高等学校に理科教諭として着任。
吹奏楽部顧問となり、教務主任、副教頭、教頭を歴任。
2021(令和3)年4月より、校長に就任。

コンピュータに親しみ
吹奏楽に打ち込んだ青春時代

 私が本校に理科教員として着任したのは今から26年前になります。大学では物理学を専攻し大学院では理科教育を専攻しましたが、そのベースにあるのは幼少期から抱く科学への関心でした。特に記憶しているのは、小3~小4年生の頃に初めて触れたコンピュータ・プログラミングです。

 今の子どもたちと同様に、最初に興味をもったのはゲームでした。パソコン雑誌を参考にプログラムを打ち込んで簡単なゲームを作り、コンピュータ言語も勉強。試行錯誤と創意工夫を繰り返す面白さに夢中でした。

 中学では、もう一つ夢中になれるものとの出会いがありました。それが吹奏楽です。たまたま見学した吹奏楽部の演奏に魅了され、そのまま入部したのです。担当楽器はユーフォニアム。朝と放課後、休日までも返上して練習に力を入れました。中3で初めて関東大会に進出できた感動は、今も心に残っています。

 その後も高校・大学と続けた吹奏楽を生徒に教えたいという思いは、理科教育と並ぶ、私が教員を志したきっかけの一つでもあります。吹奏楽の楽しさと、大会出場という大きな目標に向かう努力の大切さを後進にも伝えたい。教員となり、吹奏楽部の顧問として生徒と歩みたいと思いました。

 校長となった今も吹奏楽部の練習に交じり、野球部の予選大会などにもユーフォニアム奏者の一人として応援に駆けつけています。吹奏楽との出会いは偶然でしたが、今ではライフワークです。多様な人が集まる “学校”という場は、そんな人生の宝物が眠っている場所でもあると思います。

思春期における男子の特性が
自分らしさを伸ばす

 教員になってからは、本校赴任前も含め約30年近く男子教育に携わってきました。近年は男子校、女子校の共学化が進んでいますが、本校の生徒を見るにつけ、別学には別学ならではの良さがあることを実感します。その良さとは、個性を存分に伸ばせること。そして他者の多様性を認め、積極性、自主性をしっかり養えることです。

 自分が興味をもったものや好きになったものに対して、突き詰めて知識を蓄える生徒は少なくありません。ですが、繊細な思春期である中高時代に異性の目を意識せざるを得ない環境で過ごしていては、個性的な男子は萎縮してしまい、本来もっている自分らしさを発揮できなくなる男子もいます。その点、同性同士は、自分とは異なる他者に対しても寛容です。特に男子はその傾向が強い。のびのびと個性を伸ばせる環境が、学習においても得意分野の能力をさらに育むことができるのです。

 男子は、 “実際に体験する”ことで知的好奇心と理解力が飛躍的に向上します。私は理科の授業では常にアルミのパイプとネオジム磁石を持ち歩き、簡単な電磁誘導の実験をしてみせたり、硫酸銅水溶液とアルミが反応して銅が析出する様子を見せたりと、いつでもどこでも生徒の前で “実験”を行うことを心掛けていました。それまで理科にあまり興味のなかった生徒も、思いがけず体験する不思議な実験に目を輝かせ、授業にもとても熱心になってくれました。

 本校は男子校らしい個性と学力の伸ばし方を大切にしながら、現代社会が求める協働力、自己表現力をさらに高める学びに取り組んでいます。小学生の皆さんにも、ぜひ自分らしさを伸ばし、突き詰めたいものを見つけてほしいです。

生徒インタビュー
生徒が校長先生に水田作りを直接交渉!
自発性と学ぶ意欲を育む
科学部に所属する江口寛冬さん(中2/左)と岩本校長先生。生徒と教員の距離が近いという同校ならではのエピソードを聞きました。科学部に所属する江口寛冬さん(中2/左)と岩本校長先生。生徒と教員の距離が近いという同校ならではのエピソードを聞きました。

 科学部に所属する中2生の江口寛冬さんは、中1の時、岩本校長先生に直接お願いをして、校内に水田を作ったそうです。生徒と教員の距離が近い、同校ならではのエピソードを聞きました。

「校内には、科学部の先輩が校長先生に直接提案して、自力で作り上げたビオトープがあります。昨年入学した僕は科学部に入り、今あるビオトープのほかに、日本ならではのビオトープである『水田』を作りたいと考えました。そこで僕も先輩の力を借りながら校長先生に水田作りを提案し、作る許可をいただきました。
 校長先生から「水田に適した場所の確保は難しいから、しっかり考えなさい」とのアドバイスもいただき、科学部の一員として挑戦することができました。残念ながら、昨年は準備が足りず稲を枯らす結果となりましたが、貴重な経験になりました。ぜひまた水田作りにチャレンジしてみたいです」

[沿革]
1885(明治18)年、『文武講習館』として創立。明治・大正時代に幾度かの改称を経て、1947(昭和22)年、学制改革に伴い新制・成城中学校を発足。翌年には新制・成城高等学校を発足する。2015(平成27)年には創立130周年を迎え、新校舎が全て完成。2021(令和3)年に高校募集を停止し、中高完全一貫校となる。90年以上続く臨海学校など伝統を受け継ぎつつ、個性と創造性を育むおおらかな校風で男子教育を実践している。

進学通信 2023年11月号
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