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私立中高進学通信

2023年11月号

生徒の主体的な活動にフォーカス

女子聖学院中学校

自分らしさを活かして
取り組む生徒会活動

コロナ禍の2021年、生徒会では合唱コンクールの代替企画として『ボディパーカッションコンクール』を主催。

コロナ禍の2021年、生徒会では合唱コンクールの代替企画として
『ボディパーカッションコンクール』を主催。

部活動や生徒会活動が盛んな同校。ここ数年はコロナ禍で行事等の取りやめを余儀なくされてきましたが、生徒たちは今できることを自分たちらしく、思いを込めて実現しています。

シェアド・リーダーシップで
全行事を生徒が企画・運営
「クラスの仲間で協力し、成長していく女子聖学院の文化を、中学生にも体験してほしい」という願いを込めて企画しました。「クラスの仲間で協力し、成長していく女子聖学院の文化を、中学生にも体験してほしい」という願いを込めて企画しました。

 女子聖学院ではリーダーシップ教育を、建学の精神である『神を仰ぎ 人に仕う』とも通底する『シェアド・リーダーシップ』の考え方に基づいて展開しています。

「本校では、特定の人のみに限られた強いリーダーシップではなく、一人ひとりが他者との関わり(協働)を通して自己理解を深め、自分らしさ(個)を活かす形でリーダーシップを育んでいくことをめざしています。そのため、生徒それぞれの活躍の場を大切にしています」と、広報室副室長・生徒会顧問の大津佑万先生は話します。

 学校行事においても生徒の発案を基に企画・運営する機会を多く設けており、そのまとめ役としての生徒会による自治活動も盛んです。生徒会は生徒会就任式や合唱コンクールといった伝統行事の運営のほか、より快適で充実した学校生活のために日頃からさまざまな活動に取り組んでいます。

 各行事を実施するか否かを検討したり、開催の趣旨・目的を定めたりすることも含め、全てが生徒会に一任されています。

「コロナ禍で合唱コンクールが中止されていた期間は、『ArtNext2020』『ボディパーカッションコンクール』など、その時々の状況に応じて発声を伴わない代替企画を生徒会が立案し、企画・運営していました。
 皆が楽しみにしていた合唱コンクールをただの中止で終わらせず、代替行事を行って学校生活を盛り上げる生徒会の活躍を見て、主体的に考え、行動する本校の伝統的精神がしっかり受け継がれていると確信しました」

生徒会長のYさん(高2)生徒会長のYさん(高2)
「Oさんの強みは『聞く力』。高校生と中学生双方の意見に耳を傾け、わからない部分はすぐに質問して要点を整理するなど、中高間の良い橋渡し役になってくれています」
生徒会副会長のOさん(高1)生徒会副会長のOさん(高1)
「全ての仕事を抜かりなくこなしていくY先輩の姿がかっこよくて憧れます。後輩からの質問や意見にも嫌な顔ひとつせず対応してくださり、とても頼りになります」
生徒インタビュー
人と人とのつながりを大切にする
女子聖学院の伝統を取り戻したい
生徒会長 Yさん(高2)
「チャペルで行う生徒会就任式も、私たちが取り戻したい伝統の一つです。先輩方が残してくださった過去の資料を紐解きながら、後輩たちに伝統を引き継いでいきたいと思っています」

 友人に誘われて中3から生徒会に入り、高1で副会長となりました。高2で生徒会長に立候補するかどうか悩みましたが、「学校をより良くするために、生徒会長として私ができることは何だろう」と考えて、『人と人とのつながりを大切にする伝統を取り戻す』という目標を見いだし、周囲に推薦してもらう形で選挙に出ました。

 コロナ禍で伝統行事やイベントが簡略化されたことで、生徒間の直接のつながりや目に見えないところで根付いていた学校文化が薄れてしまったように感じています。コロナ前の在り方を思い出しながら伝統をもう一度作り上げていく作業は、私たち77回生にしかできないことです。今は使命感を胸に取り組んでいます。

コロナ禍で簡略化されていた生徒会就任式も、4年ぶりに従来の形で実施することができました。コロナ禍で簡略化されていた生徒会就任式も、4年ぶりに従来の形で実施することができました。
コロナ以前に行われていた生徒総会と生徒会就任式の資料は、生徒会で引き継がれています。コロナ以前に行われていた生徒総会と生徒会就任式の資料は、生徒会で引き継がれています。
生徒インタビュー
中学生徒会時代の経験を活かして
後輩メンバーをサポートしたい
生徒会副会長 Oさん(高1)

 中学入学前に『記念祭』で女子聖学院を訪れた際に、『生徒会の部屋』に立ち寄りました。そこで生徒会役員の方々がとても親切に、わかりやすく学校を紹介している姿が印象的で、「私もこの学校で、生徒会活動に取り組んでみたい」と憧れました。

 生徒会には中3から参加しましたが、わからないことだらけで、合唱コンクールの開催に向けた準備で大忙しの1年間でした。高校生の先輩に助けられ、その姿を見て学びながら、大きく成長できたことを実感しています。

 高1になるにあたり、今度は私が中学生の後輩を支えていきたいと思い、生徒会に立候補しました。中学生徒会時代に感じたことや経験したことを活かして、相手の立場に立ったサポートを行い、中学生徒会がよりいっそう主体的に活動へ取り組めるようにしていきたいと考えています。

「『記念祭』などの公開行事の際には、『生徒会の部屋』が開設されます。生徒会メンバーと直接交流ができると、受験生に大好評です」「『記念祭』などの公開行事の際には、『生徒会の部屋』が開設されます。生徒会メンバーと直接交流ができると、受験生に大好評です」

『生徒会の部屋』には学校行事を紹介する展示のほか、制服の試着ができるコーナーも。季節ごとの制服が用意されています。『生徒会の部屋』には学校行事を紹介する展示のほか、制服の試着ができるコーナーも。季節ごとの制服が用意されています。
コロナ禍のなかで実現した2022年の合唱コンクール。「昨年の合唱コンは、企画書の作成に始まり、練習期間や練習方法に感染防止対策を組み入れたマニュアルを作り、計画を練り上げていきました」(Oさん)コロナ禍のなかで実現した2022年の合唱コンクール。「昨年の合唱コンは、企画書の作成に始まり、練習期間や練習方法に感染防止対策を組み入れたマニュアルを作り、計画を練り上げていきました」(Oさん)

進学通信 2023年11月号
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