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私立中高進学通信

2021年12月号

私学だからできるオリジナル教育

東京農業大学第三高等学校附属中学校

自立学習支援システム『EdOMエドム』の
導入で『次世代型学力』を育成

2020年度から『次世代型学力』を推進する新たな教育プログラムに取り組む同校。改革の一環として導入した『EdOM』について取材しました。
中3の英語の成績上位者を対象にした『EdOM』夏期講習の様子。明るく和気あいあいとした雰囲気ながら生徒たちは高い集中力を維持していました。

中3の英語の成績上位者を対象にした『EdOM』夏期講習の様子。
明るく和気あいあいとした雰囲気ながら生徒たちは高い集中力を維持していました。

帰宅前に自宅学習を
済ませる新システム
神山達人校長先生神山達人校長先生

 変化の激しいこれからの社会を生き抜いていく生徒のため、同校では2020年度から『大胆なグローバル化』『実学教育で真の力を育てる』『学内完結型学習体制』の3本柱を軸に、『次世代型学力』の育成を推進しています。

「『学内完結型学習体制』に関しては、第一志望の大学に現役合格できるよう、本校で勉強のすべてを解決できる体制を整えています。その一つが中学生に導入した自立学習支援システム『EdOM』です」(神山達人校長先生)

『EdOM』とは、株式会社学びの森が展開するスクール支援事業です。学校教育をより深化させるため、学校に合わせた放課後学習支援を行っています。

「生徒が放課後に一般の塾に通うのではなく、塾の講師が学校に常駐し、学校内の自習室などで講習を実施します。これによって生徒は、帰宅前に自宅学習を済ませることができます」

 同校のように都心から離れた立地にある学校では、学校内ですべての学習が完結することは、大きなメリットになります。

「学校説明会で『EdOM』についてご説明すると、皆さん、非常に興味をもってくださいます。また『EdOM』は、教員だけでなく、学外の力も活用して、多くの手で生徒を育てていくという本校の方針とも合致します。『EdOM』には『最終的には自立して勉強する、人に頼らない学習姿勢を作る』という理念があり、それは『自分で疑問をもって調べ、自分の知識にして活用していく』という本校の実学教育にもつながっていきます」(神山校長先生)

放課後もZoomで支援
保護者会や面談も実施

『EdOM』が支援する場所は学内だけではありません。

「部活動や習い事があって放課後に支援を受けられない生徒は、自宅でZoomを使って講習を受けたり、講師に質問したりできます。また学習面だけではなく、定期的に保護者会や面談を実施するのも『EdOM』の特徴の一つです。最初は『EdOM』というシステムが定着するかどうか未知数な部分もあったので、2020年の1学期に中1から中3の希望者のみ支援を受けられるようにしたところ好評だったため、10月から全校生徒を対象とすることにしました」

 前述した同校の教育改革の3本柱は、新教育課程とほぼ同じ内容だと話す神山校長。

「本校の生徒は3つの改革を通して、大学入試に対応できる力を培っていくことはもちろん、さまざまな行事などを通して自立する力もつけ、卒業後に自分の定めた人生の目標に邁進していってほしいと思います。自立して学びに向かう姿勢が、本校の6年間で作り上げられることを望んでいます」

『EdOM』とは?
自立して勉強する機会と
モチベーションを育む学習支援
  • Education (教育)
  • Opportunity(機会)
  • Motivation(動機)

『EdOM』とは株式会社学びの森が展開する自立学習支援システムで、「教育、機会、動機」の3つの頭文字をとって名付けられました。講義形式の授業や、自習室を使って自分のやり方で勉強し、わからないところをチューターに聞くなど、さまざまな方法で生徒に勉強の機会を与え、モチベーションを育みます。

『EdOM』のおかげで
学校生活が充実しています
金井杏樹さん(中3)金井杏樹さん(中3)
「生徒のいろいろな話も聞いてくれます!」

『EdOM』は、最初に“お試し期間”のような感じで、学年全員がZoomでお世話になりました。講師の先生の教え方がわかりやすかったのと、勉強面だけではなく生活面までサポートしてくれたところがとても良かったです。私たちのいろいろな話を聞いてくれたり、先生に直接言いにくいことを私たちの代わりに伝えてくれたりと、感謝しかありません。それに、なんと言っても授業が面白い! 勉強だけじゃなくてギャグも面白いです(笑)。学んだことを実生活でどう使っていくかなど、具体例がわかりやすいです。

『EdOM』の先生はちょっとしたことでも褒めてくれて、私自身の勉強のモチベーションが上がりました。進路についてのアドバイスもいただけるので助かっています。


竹下楓華さん(中3)竹下楓華さん(中3)
「勉強に対する苦手意識がなくなりました!」

『EdOM』の存在を知ったときは、「学内塾」という言葉自体も初めて聞いたくらいで、「こんなシステムがあるのか」と驚きました。でも、学校の中でその日の学習を完結できるのはとても良いことだと思います。私は自宅から毎日1時間半かけて学校に通っているので、『EdOM』が始まってから生活のリズムが作りやすくて助かっています。

 授業もとても楽しくて、勉強に対する苦手意識がなくなったことが、うれしいです。

 この学校の良いところは自然がとても豊かで、勉強に集中できる環境が整っていることです。先生方も生徒思いで、私たち一人ひとりに寄り添ってくれます。

 そこに『EdOM』というシステムが加わったことで、学校生活がより充実してきたように感じます。

この学校は本気で
変わろうとしています
高田康太郎先生株式会社学びの森代表
高田康太郎先生
株式会社学びの森は首都圏で7つの学内塾を展開。さらに同校をはじめとする数校の学習支援事業を行っています。

 取材に訪れたのは夏期講習第1日目、男子3名、女子5名(当日は4名が出席)の中3英語クラスを見学しました。講師の高田先生と生徒たちのやりとりはとてもスピーディ。まさに「打てば響く」という感じで、テンポ良く授業が進みます。

「『EdOM』を導入したことにより、本格的に家庭学習のサポートをしている学校はここだけではないかと思います。もちろん、私たちが学習のお手伝いするのは最初の数年だけですが、自立して学習できるようになったら、自分が決めた目標に向かって独力で受験勉強をしてほしいです」(高田先生)

 学習面だけではなく、学校生活面でも全般的にサポートをするのが『EdOM』の特徴です。

「生徒は学校生活でなかなか先生に相談しにくいことも私たちに話してくれます。学校と問題を共有すれば解決が早くなるし、いろいろな大人の視点が入ることでさまざまな角度から生徒について考えられるようになります。これは今までの学校にはなかったことではないかと思います。この学校は本気で変わろうとしている、本気で生徒を育てようとしていると、肌で感じています」(高田先生)

進学通信 2021年12月号
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