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私立中高進学通信

2021年12月号

中1の始め方

昭和学院中学校

相手の立場を理解し
自立して歩める人間に

中1からタブレット端末を活用した授業を積極的に行っています。カメラ機能もフル活用し、効率的に授業を進め、振り返りなども行いやすくしています。

中1からタブレット端末を活用した授業を積極的に行っています。
カメラ機能もフル活用し、効率的に授業を進め、振り返りなども行いやすくしています。

2021年度より新コースを設定し、多様な進路に対応している同校。中1での目標は、「自分で考えて行動できるようになること」。恵まれた施設と中高に壁のない環境が、イキイキとした生徒たちを育てています。

中1は自己管理能力を
身につける大事な時期

 創立80周年の節目であった2020年度を『昭和イノベーション元年』と位置づけ、中高に新コース制を導入した同校。中1は、グローバル人材をめざすIA(インターナショナルアカデミー)、国内難関大学をめざすAA(アドバンストアカデミー)、興味・関心から得意を伸ばしていくGA(ジェネラルアカデミー)の3コースに分かれます。それぞれ特徴はありますが、コースにかかわらず、まずは充実した学校生活を送るための準備が、中1での目標です。

 中1学年主任の石川毅先生は「一日の生活リズムや学習の計画など、生徒がしっかり自分で把握して管理できるように指導しています」と話します。

 入学後、ビジネス手帳で知られるNOLTYが中高生向けに開発した『スコラ手帳』を配布しています。生徒たちは、担任からていねいに手帳の使い方を指導され、毎日の学習時間を記録したり、日々の生活の振り返りや翌日の予定を立てたりなど、計画性をもって学習を進める術を学んでいきます。

 担任は週に1度はクラス全員のスコラ手帳に目を通し、コメントを添えて生徒に返却しています。心配なことがあれば、生徒はスコラ手帳を通じて担任の先生に相談することもできます。

「『心配だな』と思う要素が見られるのに、スコラ手帳に何も書いていないようでしたら、担任から声をかけるようにしています。中学3年間を通してスコラ手帳を使いますから、保護者もそれを見ればお子さんの様子がわかると思います」

まずは「定期テスト」の概念を
教えることからスタート

 中学生になり、小学生から大きく変わるところが、学期ごとに定期テストがあることです。

「本校では定期テストの前に各教科のテスト範囲を一覧にして、黒板に貼り出します。それぞれの教科担当の生徒たちが、自分たちで黒板に追加の書き込みをし、足りない部分を教科担当の教員が書き足して、定期テストに向けて、どのように準備すればよいかをクラス全体で共有するようにしています」

 生徒たちが自分たちでテスト範囲を書き込むことで、意識も高まります。テスト2週間前には、勉強計画表を作るのも決まりです。

「中学になって一番大事なことは、何事も自分で取り組むという姿勢です。『勉強しなさい』と言われてやるのではなく、自分から積極的に予定を確認する、わからなければ先生に聞く、と行動できるように指導しています」

 同校には充実した自習室があり、チューターによる個人指導も受けられます。

「特に中学から学ぶ英語は、生徒ごとにスキルに差があるため、基礎的なことをしっかり教えつつ、英語が得意な生徒が物足りないと感じないよう、発展的な内容も学べるように注意しています」

中高で取り組む部活動や行事
先輩と交流できる一貫校の良さ

 中高一緒に取り組む行事を多く設けている同校。部活動も中高一貫で活動する機会が多く、先輩と中1生の交流が多く生まれています。

「私は陸上競技部の顧問ですが、強度や本数に配慮しつつ、中高一緒に練習を行っています。どの部活動でも高校生のほうから中1生に声をかけて、リラックスして部活動に取り組めるよう、教員も一緒になってサポートしています」

 先生や先輩たちに導かれながら、次第に学校生活に慣れていく中1生たち。同校の先生方が、指導の中で一番大切にしていることは何でしょうか。

「何事も積極的に自分から動けるように、自分で課題を見つけて取り組んでいけるように育てていきたいと思っています。

 同時に、挨拶や返事、感謝や謝罪の言葉を大切にしなさいと常に話しています。人の立場を考えられる人間に成長してほしいという気持ちで日々接しています」

スポーツ大会ではビデオ観戦で友達にエールを送りました。密を避けながら、中1生全員が精一杯取り組みました。スポーツ大会ではビデオ観戦で友達にエールを送りました。密を避けながら、中1生全員が精一杯取り組みました。
メディアセンター(図書館)や自習室など、自主的に学べる場所が校内に数多くあります。放課後の学習支援として、チューター(卒業生)による自習室でのサポートも行われており、定期テスト前は質問するために多くの生徒が活用しています。メディアセンター(図書館)や自習室など、自主的に学べる場所が校内に数多くあります。放課後の学習支援として、チューター(卒業生)による自習室でのサポートも行われており、定期テスト前は質問するために多くの生徒が活用しています。
教員全体で生徒を育み、6年間かけて見守ります
中1学年主任/石川毅先生中1学年主任/石川毅先生

 教員は、中1~高3まで通しでその学年を担当する教員もいれば、中3から高1に上がるところを重点的に任される教員もおり、教員間で役割分担をして多角的に学年全体を見るようにしています。

 中学生から本格的に習う英語や、国際感覚を磨くグローバル教育も、中1は英語を楽しむイングリッシュアクティビティ、中2は成田のラディソンホテルに宿泊するイングリッシュキャンプ、中3は全員参加のオーストラリア語学研修、高校は台湾・欧米での修学旅行と、段階的に進めています。

 6年間の中で、生徒それぞれのペースで個性と学力が伸ばせるようにバックアップしようと、教員全体が強く意識して、日々生徒を見守っています。

進学通信 2021年12月号
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