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私立中高進学通信

2021年7月号

注目! News and Topics

東京家政学院中学校

地域で働く大人の“想い”を表現
「ポスタビ」が育む自立心と自尊心

「ポスタビ」で作ったポスターが2020年度の優秀賞を獲得したチーム「Fine」のリーダー・K.A.さん(右)とメンバーのA.S.さん。完成した時には「達成感いっぱいでした!」と口をそろえます。

「ポスタビ」で作ったポスターが2020年度の優秀賞を獲得したチーム「Fine」のリーダー・K.A.さん(右)とメンバーのA.S.さん。
完成した時には「達成感いっぱいでした!」と口をそろえます。

地域の商店に取材し
多くの学びを得る
犬と猫の専門医を訪れたときの取材風景。想定外の事態が起こっても、生徒たちだけで対処しました。犬と猫の専門医を訪れたときの取材風景。想定外の事態が起こっても、生徒たちだけで対処しました。

 創立者である家政学の権威・大江スミ先生によって1923年に開設された「家政研究所」から数えて100年近い歴史を誇る同校。大江先生の提唱した物事を深く知り、考え、判断する「知識(Knowledge)」、その知識を実社会で活用する「技術(Art)」、他者を思いやる「徳性(Virtue)」の「KVA精神」を建学の精神として受け継ぐ同校では、2014年から「ポスタビ」というプログラムを取り入れています。

「本校では中1から高2まで、SDGsを探究テーマとして活動しています。とはいっても特に中学生には、『世界規模の問題』として考えるよりも、まずは自分の足元から地域を通してSDGsを考えるようにしています。中学生は身近なところからSDGsにアクションを起こし、高校になるとそれを世界規模の課題として探究します。
 その一環であり、キャリア教育として取り組んでいるのが、『ポスタビ』です。もともとは中2で始めたプログラムなのですが、2019年からは中1も参加してチームを組むようにしました」

 そう語るのは、同校で社会科を担当する川邊健司先生です。

取材で感じた獣医師の情熱を表現するためにアイデアを出し合って完成させたチーム「Fine」のポスター。取材で感じた獣医師の情熱を表現するためにアイデアを出し合って完成させたチーム「Fine」のポスター。

 ポスタビは学校周辺の商店などを取材し、地域で働く大人の “想い”を伝えるプログラム。自分たちで撮影した写真にキャッチコピーをつけてポスターを作成します。取材のアポイントも生徒たち自身が行います。

 2020年度の学習発表会で「ポスタビ」部門の優秀賞を獲得したチーム「Fine」のリーダーのK・Aさん(中3)とメンバーのA・Sさん(中2)が、そのときの様子を教えてくれました。

「最初に先生からチームのメンバーと取材先が発表されて、その後チームが集まってどんな質問をするかを話し合いました。人前で話すのが得意でない人もいたので、そういう人にも意見を言ってもらうのが最初はちょっと大変でした」(K・Aさん)

「たくさんの案が出たのですが、どの質問をしたらいいかうまくまとまらないまま制限時間が迫ってきて、かなり焦りました」(A・Sさん)

 そうした準備を経て向かった取材では、想定外の出来事にも見舞われたといいます。

「用意した質問が予定より早く終わってしまい、インタビュー担当の人がどうしていいかわからずに固まってしまう場面もありました」(K・Aさん)

「そのようなときリーダーや上級生がフォローしてくれたので、何とか無事に取材を終えることができました」(A・Sさん)

 そう語る2人も、取材では多くのことを学んだといいます。

「大人はすごい!と思いました。私たちが取材したのは獣医さんだったのですが、動物が好きで勤めていた会社を辞めて大学に入り直したというお話を聞いて、その熱意に感動しました」(K・Aさん)

「事前に想定していたのとは違う内容だったのですが、諦めない心がインタビューを通してすごく伝わってきて、自分も夢に向かって頑張ろうと思いました」(A・Sさん)

生徒の表情の輝きが変わる
成長促進プログラム
「ポスタビ」を担当する社会科/川邊健司先生「ポスタビ」を担当する社会科/川邊健司先生
「『ポスタビ』では、中2は中1の時の経験があることで自信をもって後輩にアドバイスできます。『自分は先輩なんだ』という思いで一生懸命背伸びをすることが、大きな成長につながっていると思います」

 取材を終えて帰ってきた生徒の表情は、取材前と輝きが違うと川邊先生は言います。

「中学生は家族や教員を通してしか大人を知らない場合がほとんどですから、全く知らない大人に取材をするというのは、とても大きなハードルです。その分、取材後の達成感は大きいようで、生徒たちがグンとしっかりしたように感じますし、学習発表会でのプレゼンは実に堂々としています。3学期にポスタビに取り組む間に、2年生は上級生としての自立心が育ちますし、1年生は先輩と一緒に活動する経験を通して成長を感じさせる機会がすごく多くなりますね」

 ポスタビで完成したポスターは、生徒たち自身が取材先へ持っていって披露します。そのポスターを店頭に飾ってくれるお店も少なくないといいます。

「ポスタビでは、緊張やプレッシャーを乗り越える達成感はもちろんですが、ポスターを取材先に持って行った時に大人から感謝されるという経験も重要なポイントです。そうした経験は中学生の自尊心を養うもので、生徒の成長にとって大きなプラスになる部分だと思います。生徒たちが『ポスタビをやってよかった!』と感じる一番のポイントなのではないでしょうか」(川邊先生)

3月の学習発表会「GPA(Global Presentation Award)」での発表シーン。中1と中2は混合チームでポスタビの成果を発表します。3月の学習発表会「GPA(Global Presentation Award)」での発表シーン。中1と中2は混合チームでポスタビの成果を発表します。
3学期の総合的学習の時間は、ほぼすべてポスタビに費やされます。3学期の総合的学習の時間は、ほぼすべてポスタビに費やされます。
進学通信 2021年7月号
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