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私立中高進学通信

2024年8月号

実践報告 私学の授業

瀧野川女子学園中学校

世界に、自分たちの仕事を創る
独創的な『創造性教育』

創造性×起業家精神×エンジニアリングデザイン
実際にチームで手を使い、試行錯誤を楽しみながら、6年間にわたって育む『先端工学教育』を『創造性教育』のなかで行っています。

探究シーン1
実際にチームで手を使い、試行錯誤を楽しみながら、6年間にわたって育む
『先端工学教育』を『創造性教育』のなかで行っています。

2023年、「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣表彰を受賞した瀧野川女子学園の『創造性教育』。
中高6年間を通じて思いを形にして、新しいものや仕事を創り出せる女性を育てています。

創造性教育の鍵となる
エンジニアリングデザイン
副校長/山口龍介先生副校長/山口龍介先生

『社会に貢献できる有為な近代女性の育成』をめざす瀧野川女子学園では、2015年より独自プログラム『創造性教育』を実践し、中高6年間の必修科目としています。その実績が認められ、2023年には「キャリア教育優良学校」として文部科学大臣表彰を受賞しました。

『創造性教育』では、「創造性×起業家精神×エンジニアリングデザイン」をテーマに、自己表現力、コミュニケーション力を高め、ビジネスやマーケティングの基礎まで学びます。特に重視しているのが、「エンジニアリングデザイン」の思考プロセスです。これは、解が一つではない課題に対し、あらゆる学問や技術を統合し、実現可能な新しい価値を創り出す力です。

「『創造性教育』は、学問を机上のものとして終わらせることなく、実社会につなげる有機的な学びをめざしています。その鍵となるのが、人々を幸せにする新しいアイデアを形にするエンジニアリングデザインの考え方です」と副校長・山口龍介先生は話します。

 生徒たちは中高を通してものづくりを体験し、試行錯誤しながらさまざまな課題に挑戦します。その力は、現代の女子教育に求められているものだと山口先生は説明します。

「日本を代表する企業も、優秀な人材を輩出する大学も、女性が本当に求めているものやサービスを形にできる、エンジニアリングデザインの思考をもつ女性を求めています。
 本校の『創造性教育』を学んだ生徒たちは、2021年の大学入試改革元年に、総合型選抜で前年比4倍の合格実績を記録。2024年度も、87%の生徒が年内に難関国立大学を含めた多様な大学に合格を決め、90%以上が総合型選抜や学校推薦型選抜で進学を決定するなど、高い評価を受けています」

中学から始まる
独自の『情報』教育
『あかつき祭』(学園祭)に向けた15秒CM作りなど、映像を使って表現する力を育む『高度映像教育』にも力を入れています。探究シーン2
『あかつき祭』(学園祭)に向けた15秒CM作りなど、映像を使って表現する力を育む『高度映像教育』にも力を入れています。

 6年間の『創造性教育』では、学年ごとの課題に取り組みます。中1では「理想の街を創ろう」をテーマに、街をジオラマとして具現化。中2では「大道芸ロボットを創ろう」をテーマに、エンターテインメントロボットコンテストに挑戦します。中3では、興味のある事柄について自ら自由課題を設定し、7分間におよぶプレゼンテーションに挑戦します。

「中学の『創造性教育』では自由な発想を促し、デジタルデバイスを使った情報教育とも深く連動します。普通は高校から『情報Ⅰ』を学びますが、本校では中学から独自に『情報』の授業を設定し、高校でも独自の『情報基礎』を学びます。
 中1で学ぶプログラミングは、中2のロボット製作に応用され、高度な映像制作教育は、わかりやすく人々に伝える豊かな表現力として反映されます」

 高校では、より社会とつながる実践的なテーマが設けられます。高1の「商品企画コンペティション」では、試作品を作って近未来の夢の商品を考え、学内企画コンペに挑みます。高2の「事業化実習」では、グループで疑似会社を起業。オリジナル商品を開発・製作・販売し、実社会での経済活動を身をもって体験します。それら5年間の学びを振り返り、高3では大学以降の自分のキャリアをしっかりと創り上げていきます。

「『事業化実習』におけるビジネス経験からやりたい仕事を見つけて大手総合商社に就職した卒業生や、『創造性教育』の文理にとらわれない学びを糧に大学教員をめざす卒業生もいます。本校の『創造性教育』は、実社会で活躍することの意欲を高め、自分の秘めた可能性も発見できる、社会人に向けた大切なステップとなっています」

探究レポート
創造性と起業家精神を育む学び。その一部をご紹介 『創造性教育』の授業で、「欲しい」をかたちにしました!
中1理想の街を創ろう
生徒が通う瀧野川地区の地理と歴史を探究。夢あふれる街のジオラマ創りに挑戦しました。探究シーン3
生徒が通う瀧野川地区の地理と歴史を探究。夢あふれる街のジオラマ創りに挑戦しました。

 中1では、チームでデザイン思考を学びながら、グループワークで『理想の街』を創ります。ブレインストーミングやフィールドワークを経て、地域の人々にもインタビューを行い、理想の街をジオラマで作成。そしてジオラマに込めた思いをプレゼンテーションします。

「今はまだ存在しないけれど、誰かが手にした時に『こんなものが欲しかった』と思わせる、工学的な考え方をデザイン思考と言います。今年は学校のある瀧野川という街を題材に、縄文から昭和、未来まで、時空を越えて魅力的な理想の街を創り出しました。皆で手を使い試行錯誤することで、最初のアイデアから何段階も進化した街が姿を表します」(山口先生)


中2大道芸ロボットを創ろう
“柔らかいロボットを創りたい”という発想から『ほんわかロボット・モコとセト』を製作したチームの皆さん。探究シーン4
“柔らかいロボットを創りたい”という発想から『ほんわかロボット・モコとセト』を製作したチームの皆さん。

 中2では、東京工業大学ロボット技術研究会の学生を先生として招き、チームで“子どもたちを喜ばせるロボット”を製作しました。材料集めからプログラミングまで、生徒がゼロから行います。一般社団法人日本機械学会主催の「ロボットグランプリ」にもエントリーし、2015年度は同校チームが大学生チームを破り、準優勝に輝きました。

「実社会とプログラミングをつなぐ『ロボット工学』、そして『こんなことができたらいいな』を形と動きに変える『ロボット創造学』は、「欲しい」を形に変える時、強力な武器となります。どの生徒も積極的に楽しみながら取り組んでいます」(山口先生)


高2事業化実習
ハワイ大学のチャリティーバザーで、現地の人々に販売。売り上げは、現地の教育基金に全額寄付します。探究シーン5
ハワイ大学のチャリティーバザーで、現地の人々に販売。売り上げは、現地の教育基金に全額寄付します。

 高2では、約15名でチームを組み、出資金を出し合って模擬会社を設立。経営・マーケティング・制作・財務の4部署を編成し、魅力的なオリジナル商品を製作します。商品は9月に行われる『あかつき祭』(学園祭)で販売し、その後も改良を重ね、秋のハワイ修学旅行で訪問したハワイ大学でチャリティーバザーを主催し販売しています。

「役割を担うことで、意外な得意分野が見つかる絶好の機会にもなります。会社組織の仕組みを知り、人に役立つ商品開発を経験することで、生徒たちの現実社会を見る目は大きく変わり、自分の将来をより明確に意識していきます」(山口先生)

進学通信 2024年8月号
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