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私立中高進学通信

2024年4月号特集

創立100周年以上の伝統校

女子聖学院中学校

チャペルでの日々の礼拝は
“心のご飯”をいただく時間

教頭/塚原隆行先生教頭/塚原隆行先生

 1905年、アメリカの女性宣教師 バーサ・F・クローソン先生が、築地の外国人居留地にある西洋人の屋敷の2階を借り、わずか10名の生徒と数名の教員でスタートしたのが本校の原点です。それから1年後、アメリカの大富豪が多額の献金をしてくださり、その資金で購入したのが現在の校地です。

 もともとは日本人の牧師を養成する神学校でしたが、現在では創立以来定評のある英語教育とともに、聖書を土台とする人間教育にも力を入れています。チャペルで行われる毎日の礼拝を中心としたキリスト教という世界は、本校の全ての教育を束ねる扇の要であり、学校としてのアイデンティティでもあります。

 礼拝の際、私が話をする機会をもらった時には、「心のご飯をいただく時間です」と言っています。本校に関心をもってくださるご家庭の多くに宗教的背景はありませんので、説明会などで「大丈夫ですか?」とよく質問されます。私はこう伝えます。「皆さんが今日、朝ご飯を食べて元気に来てくださったように、入学後は毎朝、礼拝で心のご飯をいただくから元気なのです」と。聖書を題材に1年間で200回、6年間で1200回、わかってもわからなくても心のご飯を食べ続けるのです。興味深いのは、高校生くらいになり“自分の出口”を真剣に模索しだすと、礼拝を自ら求めるようになることです。礼拝で聞いた何気ない話、それも不思議なことに聖書そのものというよりは、語った教員のエピソードのようなものが心に残っているようです。30代、40代になった卒業生たちが、「一番懐かしい場所はチャペルです」と言ってくれるのがうれしいです。

 進路選択をする際、「自分の賜物を人のためにも」と望む生徒が多いです。今の大学1年生の3年間は、コロナ禍で制限の多いなかでのつらい学校生活でしたが、5人に1人が医療系でした。実に本校らしいと思います。

沿革
1905年(明治38年) 東京府築地に「女子聖学院(神学校)」創立
1906年 東京府滝野川字中里に校地購入、校舎建築
1908年 「女子聖学院普通部本科」を開設
1933年 制服(現在も着用)制定
1936年 「女子聖学院の歌」制定
1947年 学校改革により、「女子聖学院中学部」設立
1948年 学校改革により、「女子聖学院高等部」設立
1966年 「女子聖学院中学校・同高等学校」と名称変更
1987年 チャペル棟完成
1993年 チャペルにパイプオルガン設置
2005年 女子聖学院創立100周年
2007年 100周年記念新校舎竣工
2015年 女子聖学院創立110周年
自己も他者も肯定し、生涯学び続ける一人ひとりへ
「Be a Messenger」〜語る“ことば”をもつ人を育てます〜
国語では中1・中2で「聞く・話す」授業を実施。語彙と知識を増やしながら、プレゼン力を磨いていきます(写真は『総合学習成果発表』より)。国語では中1・中2で「聞く・話す」授業を実施。語彙と知識を増やしながら、プレゼン力を磨いていきます(写真は『総合学習成果発表』より)。

 同校は「自らの賜物を用いて他者とともに歩むことのできる女性」を、キリスト教教育と女子教育の2つのアイデンティティを土台に育んでいます。今から10年前、建学の精神(『神を仰ぎ 人に仕う』)を現代風に言い改めたフレーズが、「Be a Messenger〜語る“ことば”をもつ人を育てます〜」です。

「社会に出ると自由が待っています。自由にチャレンジすることもできます。では、自由って何でしょう?そもそも『自由』は“自らを由とする”と書きます。“由”には理由とか根拠という意味があります。つまり、自らを由として、堂々と自分の想いに従って行動できる人を育てるのが本校の使命であり、その人こそ“語る“ことば”をもつ人”なのです」(広報室副室長/大津佑万先生)

 生徒一人ひとりが、「神からかけがえのない賜物を与えられている」と確信して学校生活を送るのが同校の基本スタイル。自分が見つけた賜物を自分のためだけでなく、人のためにどうやって使うのかを考え、実践していくところに一人ひとりの成長があるようです。

「ある保護者から、『女子聖には安心して悩める環境がありますね』と言われたことがありました。担任としてとてもうれしかったことを覚えています。本校では学校行事でも進路でも、6年間ずっと『あなたはどうする?』と問い続けます。また、インプットする力とアウトプットする力を全教科で育んでいます。堂々と“語る“ことば”をもった生徒”の原点がここにあります」(大津先生)

“良き学び方の工夫”(学習方略)による苦手教科克服と
伝統のシェアドリーダーシップ教育

 学習方略というと難しく聞こえますが、要は「良き学び方の工夫」のこと。同校では入学後の早い段階から、「できない」を「できる」に変える学習方略が始まります。

「たとえば、苦手教科が同じ生徒同士で小グループを形成し、最初の定期考査が終わったところで、各自の学び方をシェアします。すると気づきが生まれます。苦手だと思い込んでいた教科も、実は学習方法がわかっていなかったと気づくことが重要なのです。良い学び方をみんなの財産にしながら、“できない”を“できる”に変えていきます」(教頭/塚原隆行先生)

 一方、同校のリーダーシップ教育にも独自なものがあります。

「リーダーシップは誰か(リーダー)が発揮するものではなく、生徒一人ひとりが状況に応じてそれぞれに発揮するものと捉えています。またそれは運動会などの行事でも生徒の中で脈々と受け継がれてきました。立教大学経営学部の舘野泰一准教授にご協力いただいているワークショップでは、『立場変われば皆リーダー』を合言葉に、全員に伝統的に根付くリーダーシップの在り方を「見える化」して学んでもらっています」(塚原先生)

 同校の“支え合う” “学び合う”校風にも、シェアドリーダーシップ教育は活かされています。

自分の苦手教科克服法をポスターセッションでアウトプットする生徒。仲間同士で「学び方を学ぶ」特別な時間です。自分の苦手教科克服法をポスターセッションでアウトプットする生徒。仲間同士で「学び方を学ぶ」特別な時間です。
中2の『リーダーシップ・ワークショップ』。「立場変われば皆リーダー」の気づきは探究学習にも良い影響を与えています。中2の『リーダーシップ・ワークショップ』。「立場変われば皆リーダー」の気づきは探究学習にも良い影響を与えています。
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