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私立中高進学通信

2021年2・3月合併号

実践!私学のグローバル教育「授業」

女子聖学院中学校

生徒の力で企画・推進
『パラスポーツ応援プロジェクト』

パラスポーツを広め、大会での応援をアシストする『パラスポーツ応援プロジェクト』。「障がいを抱えている/いない」という違いを超えて、相手の立場を理解し、生徒たちの力でプロジェクトを推進しています。
放課後に行われた『パラスポーツ応援プロジェクト』の活動の様子。今回はパラ・パワーリフティング世界大会での応援方法について話し合いました。プロジェクトの企画・運営を担当する加納由美子先生(右)との語らいで、アイデアが膨らむことも。

放課後に行われた『パラスポーツ応援プロジェクト』の活動の様子。
今回はパラ・パワーリフティング世界大会での応援方法について話し合いました。
プロジェクトの企画・運営を担当する加納由美子先生(右)との語らいで、アイデアが膨らむことも。

生徒が企画・運営し
パラスポーツの魅力を広める
プロジェクトの企画・運営を担当する加納由美子先生。生徒会の顧問も務め、生徒の主体的な活動をサポートしています。プロジェクトの企画・運営を担当する加納由美子先生。生徒会の顧問も務め、生徒の主体的な活動をサポートしています。

『パラスポーツ応援プロジェクト』は、パラスポーツを広めることを目的に、同校と聖学院中学校・高等学校が合同で取り組んでいる活動です。プロジェクトを動かすのは、スポーツ・医療・福祉などに関心のある有志の生徒たち。週に1度程度、放課後の時間などを使い、自分たちでアイデアを出し、企画を考え、プロジェクトを進めています。これまでにも、パラスポーツの魅力を伝える動画を制作したり、東京都が運営するパラスポーツプロジェクトと連携し、競技ガイドやパラスポーツの応援方法を企画したり、パラスポーツの体験会を行ったりするなど、さまざまな活動を行ってきました。

 今回は第6弾の活動です。2021年1月に行われるパラ・パワーリフティングの世界大会に向けたリモート応援を、ヤマハ株式会社と東京都が運営するパラスポーツプロジェクト 「TEAM BEYOND」とコラボして企画・運営しています。

 このプロジェクトを発足時から担当している加納由美子先生は、その意義を次のように話します。

「プロジェクトの成功はもちろんですが、それにもまして大切にしているのは、異なる価値観との出会いです。多感な10代のうちに、世界の見方や捉え方がガラリと変わる体験をしてほしい。そうした思いで、生徒たちと一緒に取り組んできています。
 実際にパラスポーツの選手たちと関わると、どの方も自らの障がいを『これは個性だ』と言います。そうした選手の思いを知ることで、生徒自身が一つの視点や価値観に縛られていたことに気づき、自己理解・他者理解を深める契機となっているのです」

パラスポーツとの関わりから育む
グローバルな力

 同校は創立以来、キリスト教教育を土台に、「一人ひとりが神様からかけがえのない賜物を与えられている」という理念に基づき、それぞれの生徒の個性と可能性を発見し、これを活かし合う道を模索する教育を実践しています。

「与えられた身体で、自分の持っている才能を最大限に活かすのがパラスポーツです。これは本校の教育理念と強く共鳴する点であり、このプロジェクトを通した教育活動は、本校にとって非常に意義のあるものです」

 と加納先生は言います。

 また、同校ではパラスポーツとの関わりを、グローバルな取り組みとしても位置付けています。

「授業などで世界の課題について考える時、グローバルという言葉ばかりが先行し、生徒たちにとって、どこか他人ごとのようになってしまっていることに課題を感じていました。
 海外に行くことだけがグローバルではありません。例えば、決められたグループや仲のいい友達という安心・安全な世界から勇気をもって一歩踏み出してみる。プロジェクトを通して学校という世界から一歩外に出て、他校の生徒や社会人、障がいのある人たちなど、ふだん接することのない人と直接関わる。多様性を自分の中でしっかりと受け止め、寛容性を育んでいくことこそが、誰もが輝けるグローバルな世界のつくり手としての素地を養うことにつながると信じています」

当事者からの意見を踏まえて、選手の集中を削がず、効果的に応援できる方法を各グループで相談し、企画をブラッシュアップしていきます。当事者からの意見を踏まえて、選手の集中を削がず、効果的に応援できる方法を各グループで相談し、企画をブラッシュアップしていきます。
今回の活動の準備として、パラスポーツ選手や協賛企業の担当者にオンライン取材しました。その内容を、全員で共有・確認します。今回の活動の準備として、パラスポーツ選手や協賛企業の担当者にオンライン取材しました。その内容を、全員で共有・確認します。
多くの人たちがパラスポーツを応援したくなるような企画を生徒の目線から考え、話し合います。皆、ほかの生徒の意見にも真剣に耳を傾けていました。多くの人たちがパラスポーツを応援したくなるような企画を生徒の目線から考え、話し合います。皆、ほかの生徒の意見にも真剣に耳を傾けていました。
生徒インタビュー
社会貢献を実感する体験
自ら動くことの大切さを知る
『パラスポーツ応援プロジェクト』に参加する高2生の皆さん。『パラスポーツ応援プロジェクト』に参加する高2生の皆さん。

 2019年度から『パラスポーツ応援プロジェクト』の活動に参加する3名の生徒に話を聞きました。

「女子聖学院ではボランティア活動の機会が多くあります。障がい者施設を訪れ、障がいを持つ方たちと接してみて、“障がい者”と“健常者”という分け方に疑問を持つようになりました。障がいはその人ではなく、私たちの社会の課題なのだと考えるようになったのです。
 初めてパラスポーツを観戦した時は、観客の少なさや熱気のなさに愕然としました。パラスポーツへの関心をもっと高めたい、もっと盛り上げたい、当事者として関わり、アスリートたちを応援したい、そんな思いでこのプロジェクトへの参加を決めました」(高2/Aさん)

「このプロジェクトは、有志のメンバーが集まって進めるものです。放課後遅くまで残って話し合いや準備をすることもあり、大変な面もありますが、それだけに達成感があります。やり遂げた時は『自分も社会の役に立てるんだ!』という大きな自信になりました。
 2019年はパラスポーツを広める目的で、健常者と障がい者が一緒に楽しめるパラスポーツの体験会を開催して、大きな手応えを感じました。今年は、コロナ禍でイベントなどの開催は難しくなりましたが、メンバーと力を合わせて楽しみながら取り組んでいます」(高2/Bさん)

「このプロジェクトでは、お互いに意見を出し合って、自分ができる役割を考えて、行動することで成り立っています。先生方はアドバイスをしてくれたり、活動をサポートしてくれたりはしますが、私たちが自分からアクションを起こさないとプロジェクトは進みません。
 自分が行動することの大切さ、当事者として関わることの大切さを、身を持って学んだことで、ほかの物事に対しても、積極的に行動できるようになりました」(高2/Cさん)

進学通信 2021年2・3月合併号
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