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私立中高進学通信

2024年8月号

実践報告 私学の授業

広尾学園小石川中学校

海外の名門大学合格へと導く
世界水準のアカデミックな授業

横断的かつ探究的な学びで、教養と英知を育成

授業シーン1
「Read everything!」とローランド先生。
「本も映画もCMも、その言わんとしていること全てを読み取ろう。知性をもった読み手になれば、
情報に操作されることなく、自分自身の意見をもつことができるよ」と生徒に語りかけます

世界大学ランキングに名を連ねる海外の名門大学や、国内の超難関大学への合格者を輩出した同校のインターナショナルコース。世界トップ校レベルの授業を展開しています。

英語力を高めたい生徒と帰国生が
刺激し合い高め合う
インターナショナルコース・英文学主任/ポール・ローランド先生インターナショナルコース・英文学主任/ポール・ローランド先生 英語科教諭/上田美也子先生英語科教諭/上田美也子先生

 世界水準の国際教育を実践する広尾学園と連携し、同様の教育を提供している広尾学園小石川のインターナショナルコース。その高い英語力と学力の育成を可能にするのは、独自のカリキュラムとクラス編成です。

 インターナショナルコースは現在2クラスありますが、いずれも帰国生など入学時点で高い英語力をもつアドバンストグループ(以下AG)の生徒と、入学後から本格的に英語を学ぶスタンダードグループ(以下SG)の生徒が、それぞれ半数ずつを占める混合クラスです。

 AG生は、国語以外の主要教科を英語で学び、英語で行われるホームルームや道徳、IT・アートの授業はSG生と一緒に受講します。SG生は毎朝、0時限目にネイティブ教員から英会話を学び、英語の授業では、文法は日本人教員、会話はネイティブ教員から指導を受けます。

「混合によるクラス編成が、SG生の英語力を飛躍的に伸ばします。SG生はAG生の生きた英語に毎日触れ、吸収します。入学時はAG生とSG生がペアになり、AG生はSG生の英語をサポート。中1の秋の『いちょう祭』(文化祭)では、SG生も英語でプレゼンができるまでに成長します」(英語科/上田美也子先生)

 特にネイティブ教員が指導する英語の授業では、探究型の学びを採り入れた内容に取り組むことで英語力が磨かれます。

「こうして中学3年間を過ごしたSG生は、高校から本科コースに移り、高い英語力と学力を武器に、国内の超難関大学をめざします。高校のインターナショナルコースはAGに一本化されますが、SG生もコース変更試験に合格すれば移ることも可能で、そこから海外大学進学をめざす生徒もいます。進路選択の幅が広い点も、SGの魅力と言えるでしょう」(上田先生)

論理的・批判的思考を高め
ライティングスキルを養う

 AGの授業は、連携する広尾学園のネイティブ教員たちが時間をかけて作り上げ、さらに広尾学園小石川のネイティブ教員と共に改良を重ねてきた独自のカリキュラムに沿って行われています。今回取材したのは、ローランド先生による中2・AGの『English writing』の授業です。

 生徒たちはグループになり、次の授業で行うプレゼンの資料を作成していました。与えられたテーマについての考えをグループ内で共有し、各自の意見をひとつの資料にまとめていきます。活発に意見を交わす生徒たちに、ローランド先生は「それはエビデンス(根拠)に基づいた論説かな?」と、気づきを促す問いを投げかけていました。

「全教科において、横断的かつ探究的な学びを実践しています。そうすることで、より深い知識と洞察力、広い視野を得られるからです。
 大切なのは、生徒自身がさまざまな知識の関連性や広がりに気づき、統合的に理解すること。そうして初めて彼らの血肉となるのです。AGの授業では、人生を積極的に歩んでいくための教養とともに、批判的思考力・論理的思考力・分析力、そしてそれらを土台とするライティングスキルを育成しています」(ローランド先生)

 こうした学びで育てた力は、海外大学の受験や、国内大学の総合型選抜入試へと直結します。インターナショナルコースの生徒はSATやTOEFLに加え、高2からはAP(※1)も受験していくため、授業の難度はさらに上がり、なかにはアメリカの大学レベルの内容を扱うクラスもあります。

「生徒にとっては毎日がハードですが、担任を中心に教員全員で手厚くサポートしています。高3になると、生徒一人ひとりの希望進路に合わせ、その分野を専門とするネイティブ教員と日本人教員がつき、英語と日本語のエッセー指導を行います。
 海外大学に進学した後は、さらに勉強が大変になります。ですが、本校の充実した学びを経た生徒たちには、十分に対応できる力が身についているはずです」(ローランド先生)

※1 AP…Advanced Placementの略称。SATを運営しているCollege Board主催の、大学レベルのカリキュラムや試験を提供するプログラム。一定以上の成績を収めると大学入学審査、単位認定、学力判定において有利になる。

授業のテーマは「Ideas」。グループごとに自分たちでテーマを立てて考えます。授業シーン2
授業のテーマは「Ideas」。グループごとに自分たちでテーマを立てて考えます。
授業の最後に、「Doing the Right Thing」をテーマに書き上げたエッセーが返却されました。生徒たちはスコアを見せ合いエキサイト!「クラスメートとの競い合いは楽しく、点数が低い場合でも次は頑張ろうと思えます」。刺激し合い、高め合う雰囲気が醸成されています。授業シーン3
授業の最後に、「Doing the Right Thing」をテーマに書き上げたエッセーが返却されました。生徒たちはスコアを見せ合いエキサイト!「クラスメートとの競い合いは楽しく、点数が低い場合でも次は頑張ろうと思えます」。刺激し合い、高め合う雰囲気が醸成されています。
生徒に聞きました
思考が深まり幅広い観点も得られる
哲学的な授業
Iさん(中2・AG)Iさん(中2・AG)

 ローランド先生の授業では、いろいろなテーマについて議論したりエッセーを書いたりして思考を深めていきます。読んだ本の登場人物に沿って自分でストーリーを創造する課題もあり、1学期で7本ほどのエッセー&ストーリーを書きます。

 常に先生から「Why?」「What is your point of view?」「What is your evidence?」と問われ続ける授業は哲学的でもあり、多角的な視点で思考し、自分の考えを表現することはとても楽しく、自分の思考力が深まっているのを感じます。


本を読み、エッセーを書いて議論し
プレゼンするのが楽しい
Cさん(中2・AG)Cさん(中2・AG)

『English reading』の授業では多くの本を読みます。『Private peaceful』という小説では、正義とモラル、家族や忠誠が描かれていて、主人公は何かを選べば何かが犠牲になるという難しい状況のなかで決断を迫られます。そこを踏まえて、授業では「What is the right thing to do?」というテーマで、エッセーを書きました。何が正しい選択か、何を選ぶかで将来が変わる状況を考えながら自分の意見を書くのは難しくも面白く、その命題に沿って議論し、プレゼンするのも楽しいです。

ココも注目!
外国人教員が海外大出願を徹底サポート
インターナショナルコースマネージャー/ジョエル・プランケット先生インターナショナルコースマネージャー/ジョエル・プランケット先生

 インターナショナルコースを統括するジョエル・プランケット先生にもお話を伺いました。

「インターナショナルコースでは、経験豊富な外国人のネイティブ教員が各生徒に合った進路指導を行っています。日本の大学では専攻は1つですが、海外ではダブルメジャー(※2)が可能な大学も多くあります。連携する広尾学園の卒業生のなかには、理系と美術の進路選択で迷った結果、海外大学に進学して両方の学問を修めた生徒や、努力を重ねてSGから名門海外大への進学を果たした生徒も数多くいます。本校でも自分の可能性を信じ、挑戦したい生徒を後押ししていきたいです」

※2 ダブルメジャー…大学で複数の異なる専攻分野を同時に主専攻として学ぶこと。

進学通信 2024年8月号
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