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私立中高進学通信

2023年9月号

実験大好き!

成城中学校

動画だけではわからない、五感に響く体験が興味を育む

実験中は先生と助手の2名で、手分けをしながら班を回ります。和気あいあいとしながらもテキパキ実験を進めていく生徒たちの姿が見られました。

実験中は先生と助手の2名で、手分けをしながら班を回ります。
和気あいあいとしながらもテキパキ実験を進めていく生徒たちの姿が見られました。

はく製や鉱石の展示など、理科への興味を引くきっかけが校内に数多く見られる同校。取材時には別の理科室で中1も実験をしているなど、どの学年においても盛んに実験が行われています。

 1885年に創立され、長い歴史をもつ同校。学習の要諦をまとめた『学習十五則』が古くから伝わっており、その十四に「学問に関係ある事物は、其の人事たると自然現象たるとを問はず、之を観察し実験して、以て研究資料とせよ。学習は、必ずしも教室の内、書物の上には限らざるなり。」と記されています。同校が実験を重視する姿勢はここからも読み取れます。

 実際に理科の授業においては実験が多く、中1では3分の2、中2では3分の1の時間を実験に充てています。高校で習う内容の予習として、中学ではまず「体験し、興味・関心をもってもらう」ことをねらいとしています。実験で用いられるプリントは、代々引き継がれてきたもので、その年ごとの先生によって更新されていき、実験の質を高める工夫がなされています。

「実験をして『楽しかった』だけで終わらないように、結果や考察を書くレポートも毎回実施しています。理系学部へ進んだ際に困らないレベルのレポート技術を身につけて卒業してもらいたいと思っています。今回は理科1分野(物理・化学)の実験でしたが、理科2分野(生物・地学)でも観察や解剖を多く導入していて、昨年度は生徒の希望で、サバの解剖実習を行いました。生徒の興味・関心に応えるように心がけています」(理科/嶋野直史先生)

鉄と硫黄の化合(中2・理科1分野)
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 鉄粉1.4gと硫黄粉末0.8gを慎重に計量。量った粉は乳鉢に入れて混ぜ合わせ、色や粒子の様子を観察します。


2

 ろうとの下部分にアルミ箔を巻き、一方の端をねじってアルミニウムの筒を作ります。先生からは実験開始前に「班の中で手先が器用な人が適役」との説明もありました。


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 アルミニウム筒に混合物を固く詰めるように入れ、もう一方の端もねじって筒を閉じます。生徒同士で確認しながら実験を進めていきます。


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 実験開始前に一通りの説明を受けて以降は、途中で先生からの説明はありません。配られたプリントを見ながら、自分たちで手順を確認します。


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 試験管に鉄と硫黄の混合物を少量入れ、蒸留水を加えて粉末の様子を観察。その後、試験管の外から磁石を当て、変化があるかを確認します。


6

 アルミニウム筒をピンセットでつまみ、一端をガスバーナーで加熱。加熱部分が赤くなったら素早く砂皿の上に移します。しっかり冷えたことを確認してから、磁石を近づけて付き方を確認しました。


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 反応前の鉄粉と、実験による生成物を削り取ったものを少量ずつそれぞれ試験管に入れ、薄い塩酸を加えて発生する気体の色と臭いを確認します。


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 実験終了後は、「銅と硫黄の化合」の演示実験が行われました。今回の演示実験を担当したのは助手の先生です。生徒たちは前に集まって熱心に見入っていました。

教科書で見たものを体験できるから実験が好き
中2/Iさん中2/Iさん

 今回の実験は、班のみんなとうまく役割分担ができて、スムーズに進められました。鉄と硫黄の混合物を塩酸と混ぜ合わせた時の臭いが想像より刺激的で、インパクトがありました。理科はもともと好きで、中1で行った金属を塩酸に入れて溶かして気体を発生させる実験が印象に残っています。金属から気泡が出るところが興味深かったです。教科書で得た知識はあるけれど、実際に見たことはない実験が好きですね。将来はロケット作りに携わるのが夢で、物理分野の実験を特に楽しみにしています。

実験に失敗はない! うまくいかない時こそチャンス
理科/嶋野直史先生理科/嶋野直史先生

 実験の授業で最重要なのは、けがなく終えること、その次に、ねらい通りの実験ができることを大切にしています。そこに関して言うと、今回の実験では良い結果が得られました。中1から実験を重ねてきて、手際もだいぶ良くなったと感じています。とはいえ、実験自体に失敗というものはありません。うまくいかなかった時こそ、「なぜだろう?」と考えるチャンス。実は私は実験より理論が好きなタイプなのですが、生徒たちには実験から得た「なぜ」を重んじる学びの大切さを伝えていきたいです。

(この記事は『私立中高進学通信2023年9月号』に掲載しました。)

進学通信 2023年9月号
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