私立中高進学通信
2023年9月号
私学の英語最前線
聖望学園中学校
「オンライン英会話」で
実践的に英語を使う機会を増やす
グローバル化に対応した英語教育を推進する同校。実践的に英語を使う機会を増やすため、中1の授業に「オンライン英会話」を導入しました。
「オンライン英会話」の授業の導入では、スムーズに会話ができるよう、よく使う表現などを復習します。
授業で取り組む
「オンライン英会話」
「生きた外国語の能力をもち、国際感覚にあふれた世界人」の育成を第一の教育目標とする同校。
英語教育においては、ていねいできめ細かな指導を積み重ね、生徒が4技能5領域(聞くこと・読むこと・やり取り・発表・書くこと)をバランスよく身につけることをめざします。
同校の英語教育の特色について、英語科の荻間淳暢先生と北村恵理先生に伺いました。
「英語の授業は習熟度別のクラス編成で行い、生徒一人ひとりのレベルや進度をしっかり見守りながら、英語力を伸ばしています。授業時間数は週5コマで、3コマは日本人教員、1コマはネイティブ教員、もう1コマは日本人教員とネイティブ教員によるティームティーチングで行います。
生徒がマンツーマンで英語を使う機会を増やすため、本年度から中1の授業で、月1回の『オンライン英会話』をスタートしました。1対1で25分間、海外のネイティブ講師と英語のみで会話します。学んだ英語を実際に使う機会を設けることで、学習への意欲を高めることがねらいの一つです。
英語を本格的に学び始めたばかりの生徒がネイティブ講師とフリートークをするのは難しいので、英会話のテーマはあらかじめ決めています。授業で使用している問題集に沿った内容がテーマです。授業で学び、小テストを受けた文法や表現を、『オンライン英会話』で実際に使うという流れです。内容としては復習なので、生徒も見通しを立てて会話ができ、不安感も少ないようです。
ネイティブ講師は、質問や出題を通じて生徒の理解度を把握し、知識の定着をサポートします。発音も細部までていねいな指導が行われ、生徒が繰り返し練習する姿も見られます。
授業の一環として、教員が見守るなか、全員参加で実施できるところが良いと考えています。希望者のみにすると、『難しいのでは?』と不安を感じて挑戦しない生徒がいるかもしれません。まだ始まったばかりの取り組みですが、最初は緊張していた生徒も、ネイティブ講師に自分の英語が伝わる喜びを感じているようです。回を重ねるごとに積極的に話し、自分の考えも表現できるようになるでしょう」(北村先生)
ネイティブ教員による
「Interviewテスト」と「Speakingテスト」
同校では、筆記による定期試験に加えて、より英語を実践的に使う試験を実施しています。
「中1・中2は、ネイティブ教員と1対1で会話をする『Interviewテスト』を前・後期にそれぞれ1回行います。会話は瞬発力が必要なので、言いたいことがあっても、すぐに英語で発話できないことに難しさを感じる生徒も多いですが、学習が進むにつれて、即座に自分の考えを返せるようになります。
中3は、与えられたテーマに基づいて、5人ほどのグループでディスカッションをする『Speakingテスト』を前・後期にそれぞれ1回行います。3つのテーマから1つ選んで、5分間でディスカッションするテストです。事前準備として、グループのメンバーは試行錯誤しながらディスカッションの構成を考え、語彙力を駆使して表現を工夫し、台本を作成します。グループで協力して発表する試験なので、『自分が間違えるわけにはいかない』という緊張感もあります。生徒は『Speakingテスト』を3年間の英語学習の集大成と捉えて、積極的に取り組んでいます。
また、ティームティーチングの授業でも英語を実践的に使う取り組みをしています。ベースは教科書ですが、例えば道案内がテーマなら、教科書のエピソードの前後に、より自然に会話が成立する文脈を足したり、新しい地図を作って生徒に道案内を頼んだりと、具体的に使うことを意識して授業を展開します。
このような学習を通じて身につけた英語力を発揮するため、中3の希望者を対象に、カナダサマースクール(2週間)やニュージーランドターム留学(10週間)も実施しています」(荻間先生)
POINT1
中学卒業までに
英検準2級の取得をめざす
英語を活用できる人の育成をめざす同校では、中学卒業までに英検準2級を取得することを目標に、全員が英検を受検します。英検指導に力を入れ、毎朝、iPadを活用した受検級別の自習の時間が設けられています。2次試験対策は個別にきめ細かな指導を行い、夏休みには英検講習を実施します。
POINT2
ネイティブ教員の授業で
実践的なWritingを学ぶ
ネイティブ教員の授業では、Writingの指導も行っています。自分の意見を英語で表現できるように、構成なども含めて一人ひとりの文章を添削して、レベルアップを図ります。定期試験でも必ずWritingの出題があり、中1は家族の紹介や旅行の思い出など身近なことがテーマですが、学年が上がると環境問題などを扱い、文章量も増えていきます。
担当の先生より
英語を身近に感じながら、少人数制・習熟度別授業で着実に英語力を高める
英語科/荻間淳暢先生(右)
「小学校であまり英語を勉強しなかった」「英語に苦手意識がある」という生徒もいるかもしれません。本校の英語の授業は、習熟度に応じたクラス分けなので、自分のレベルに合った授業を受けながら、少しずつ力をつけていくことができます。クラスも固定ではなく、定期試験の成績によって入れ替えをするので、初心者から始めて、短期間でレベルを上げる生徒もたくさんいます。(英語科/北村恵理先生)
授業だけではなく、ネイティブ教員と生徒の関わりが日常的にあります。ネイティブ教員は、英語部や科学部の顧問も務めており、生徒会などの委員会活動も担当しています。掃除など、日々の生活から一緒に過ごしているので、生徒はいろいろなシチュエーションの英語に触れることができます。英語を身近に感じる環境で、学習へのモチベーションを高められるのが本校の特徴です。(英語科/荻間淳暢先生)
(この記事は『私立中高進学通信2023年9月号』に掲載しました。)
聖望学園中学校
〒357-0006 埼玉県飯能市中山292
TEL:042-973-1500
進学通信掲載情報
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