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私立中高進学通信

2023年9月号

私学の英語最前線

啓明学園中学校

生徒全員を国際生と位置づけ
日常的にグローバルな環境を整える

生徒が国際社会で活躍できる英語力を習得し、日常生活を送るだけで世界とつながるような環境を整えるために、同校は授業をはじめ、さまざまな取り組みを行っています。
英語の授業では、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能に加え、「英語思考力」を深め、自分の考えを発信できる英語力の習得をめざします。

英語の授業では、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能に加え、「英語思考力」を深め、
自分の考えを発信できる英語力の習得をめざします。

「生徒全員が国際生である」
との方針を明確にする

「国際社会で活躍できる人の育成」をめざし、「帰国子女を受け入れる学校」として創立された同校。現在は、外国籍、帰国生、インターナショナルスクール出身者、留学生を含め40以上の国・地域からの“国際生”が国内生と同じ教室で学んでいます。日常が世界とつながっているグローバルな学校生活を実現しているのです。

 こうした特徴を踏まえた同校の英語教育について、英語外国語科主任の加藤拓也先生にお話を伺いました。

「英語外国語科のモットーは『Learn Grow Lead(学び、成長し、先頭に立って進む人になる)』です。これはモットーがあるのが当たり前である欧米諸国の学校にならって、生徒の具体的な育成方針をネイティブの教員とも相談してきました。本校の特徴からどうしても国際生にスポットが当たりがちですが、国際生は全体の約30%です。そこで、彼らだけが国際生ではなく、本校に入学した生徒全員が国際生であり、みんなで学び合うことで高め合っていこうという方針を打ち出しました」

 こうした方針は、環境面では以前から整っていましたが、言語化して改めて打ち出すことでめざすところが明確になり、そこに向けてのさまざまな取り組みも進めやすくなりました。

 中学では英語の授業は週6コマで、うち1コマはネイティブ教員との対話を中心とするものです。

「英語の授業は習熟度別に編成したクラスで行います。以前は2クラスでしたが、今では3クラスに分け、最大約20人を目安に授業を展開します。50分授業で1クラス40人だと、ネイティブ教員が一人ひとりと話すことは難しいので、少人数を徹底し、全員に目が行き届くようにしました」

 同校では、ネイティブ教員が英語の授業を担当するだけでなく、ホームルームにも加わっています。留学経験があったり、海外での生活経験がある教員たちと接する機会も多いので、生徒たちはさまざまな言語を駆使してコミュニケーションを図るようになります。多様な文化が共生する社会で必要になることを、日常生活の中で体得していける環境が整えられているのです。

英検取得の対策講座と
多様な行事の実施

「教科書は検定教科書以外に、海外に留学した際に現地校で使われるような洋書も採用しています。また、啓明イングリッシュオンラインというeラーニングシステムを取り入れています。これは英検をはじめ、TOEFL、IELTSなどが学習でき、加えて大学でも採用されているシステムで、英検対策を重視する本校の方針に合致したものです。本校では、平日の放課後に希望制で英検対策の講習を実施しています。また夏期と冬期には英検1級〜3級対策を実施しています。昨年からは国際教育部と連携し、SAT対策を行っています。これら外部試験対策講座は、大学入試対策にもなっています」

 こうした取り組みにより、英検取得のレベルが着実に上がってきています。2022年度末時点で、中3の一般英語クラスで2級取得者が8名、準2級取得者が12名もいました。英検2級の取得レベルが高校卒業程度であることを考えると驚異的な成果です。

 このほかに、語学力や異文化理解を高める行事にも力を入れています。2022年度は高校生4名がラウンドスクエア(※)・イギリス国際会議に参加し、他国の高校生と交流を深めました。また、中2から高3までの希望者が、3日間にわたって英語でアクティビティやワークショップを行う国内グローバルキャンプに参加しました。さらに、カナダ夏期体験学習(中3〜高2)、カンボジアワークキャンプ(高1〜高3)といった短期国際交流プログラムや、各国への中長期海外留学プログラムもあります。

 こうした環境と取り組みにより、積極的に世界との関わりをもつ姿勢が育まれていくのです。

※ラウンドスクエア:世界50カ国の私立学校が加盟する国際的な私立学校連盟。加盟校間の交流を図る。

実用英語技能検定取得状況(2023年3月現在)

POINT1
ネイティブ教員が多言語の
習得をサポートする

 英語担当のネイティブ教員6名をはじめ、フランス語、ドイツ語、中国語などを担当する外国人教員が11名在籍しています。英語担当教員は、アメリカ、イギリス、オーストラリア出身で、さまざまな英語に接することができます。

POINT2
生徒の興味・関心を引く内容を
掲示するコルクボードを設置

 英語外国語科の部屋の前に、欧米の学校でよく見られるようなコルクボードを設置しています。英語によるものの数え方など、生徒が興味をもち、立ち止まって楽しめるような内容を掲示し、生徒にも好評です。

担当の先生より
グローバル社会を感じられる環境で教員と生徒がともに成長する
英語外国語科主任 加藤拓也先生英語外国語科主任
加藤拓也先生

 帰国生、留学生など、さまざまなバックグラウンドをもつ生徒が学び合うところが、一般の学校と異なる、本校の最大の特色です。「啓明学園に来た生徒全員が国際生である」という考えを明確に打ち出し、その方針のもとに、授業形式や学びのシステムなどの全てにおいて、変えるべきところは変え、残すべきところは残すという選択をしてきました。留学経験のある日本人教員の採用など、教員陣もより充実しています。

 英語を話せるようになることが目的であれば、英会話スクールに通えばいいでしょうが、本校にはグローバル社会というものがどういうものかを肌で感じられる環境があります。教員と生徒がともにつくりだす環境、授業、人、それらが充実しているからこそ生徒たちが伸びていくのです。教員が一方的に教えるのではなく、教員も学びながら生徒とともに成長していきます。本校に来てもらえればそれを実感してもらえると自信をもって申し上げられます。

(この記事は『私立中高進学通信2023年9月号』に掲載しました。)

啓明学園中学校  

〒196-0002 東京都昭島市拝島町5-11-15
TEL:042-541-1003

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