私立中高進学通信
2023年9月号
注目! News and Topics
東京家政大学附属女子中学校
アドミッションスタッフの活動を通し
自分で考え、行動する力を育む
年に1度の私立中学・高等学校の合同説明会「フェスタTOKYO」では実行委員として活動します。
大きなイベントでは予想外のことも起こるので、臨機応変な対応が求められます。
活動を通して一人ひとりが
成長していく
建学の精神「自主自律」を目標に、愛情・勤勉・聡明という3つの生活信条の実践により、未来を創造し、世界で輝く女性を育んでいる同校。学校説明会などで広報活動を担うアドミッションスタッフの活動の様子を取材しました。
同校のアドミッションスタッフの活躍の場はたくさんあります。校内のイベントには全て参加し活躍を見せます。8月5日に開催された(次回は12月24日開催)在校生による学校説明会では、中学生のアドミッションスタッフが全ての企画・構成を行い、司会から発表、見学、個別相談会まで教職員の参加なしで行います。学外の合同相談会では、各ブースでのサポートはもちろん、体験授業やプレゼンテーションなども担当します。
中1からアドミッションスタッフとして活動している中3のTさんに、お話を伺いました。
「これまでの活動で一番印象に残っているのは、初めて参加したオープンスクールです。初心者で何をやっていいかわかりませんでした。入学したばかりで学校のこともまだよく知らなかったのですが、先生や先輩方が1年生を連れていろいろなところを回ってくださり、『ここではこういう説明をしたほうがいい』など、学校を紹介するためのコツをたくさん教えてくださいました。そこで覚えたことが、その後とても役に立ちました。回を重ねるごとに説明できることも増えて、何をしたらいいのか、自分で考えて動けるようになっていきました」
6月に開催された合同説明会『フェスタTOKYO』は、生徒による生徒主体の大規模な合同説明会のため、アドミッションスタッフも数多く参加しました。オープニングセレモニーから体験授業、在校生座談会に至るまで、生徒たちが企画・運営を担いました。
同イベントの実行委員長を務めた高3のKさんは、アドミッションスタッフの魅力をこう話します。
「フェスタTOKYOは、他校の生徒と一緒に作り上げるイベントなので、同年代と交流ができるところや、情報交換できるところも楽しいです。お互いの活動が刺激になって、いっそう頑張ろうという気持ちになりますし、たくさんの学びを得ることができました」
憧れの先輩の背中を追い
自覚と誇りが生まれる
アドミッションスタッフになったきっかけを聞くと、「自分が受験生の頃、学校説明会で案内してくれたアドミッションスタッフの方に憧れたから」と話す生徒が多くいます。そんな先輩に対するリスペクトは、実際に活動に加わるとさらに増すようです。
KさんとともにフェスタTOKYOに参加した高2のNさんは、「次回は私が下級生をまとめることになるので、これまで見てきたKさんの姿を念頭において臨みたいです」と意気込みます。
その言葉に感動した様子のKさん。「私も先輩方の動きを見て、先輩方に恥じないイベントにしようと頑張ってきたので、うれしいですね」
先輩の奮闘を後輩が受け継ぎ、それがアドミッションスタッフの伝統となっている好循環が見て取れます。スタッフ一人ひとりがスキルアップすることで、説明会の質も自ずと高まっていきます。
また、前出のTさんも、「活動のたびに、自分のなかで課題が見つかります。説明会の後は、みんな自分の行動を振り返って『もっとこうしたほうがよかった』とよく話し合っています。できることが広がっていって、より活動にやりがいを感じています」と、活動を通して『自主自律』が自然と身についたことを話してくれました。
アドミッションスタッフは有志の生徒で構成されており、その数は90人以上。そのため、ミーティングは全体のもの、中学生のみ、高校生のみと分けて、お昼休みに週2回行われます。
「ミーティングでは先生から指示はありますが、細かいところは私たちスタッフの裁量に任せてくださいます。たくさんの仕事を役割分担しながら行っていますが、その都度、立候補を募って決めるなど、やる気や積極性を尊重してもらえます。アドミッションスタッフにはもともと積極的な人が多いのですが、お互いを高め合ってさらに積極的、行動的になれます。先生からの信頼がひしひしと伝わってくるので、それに恥じない行動をとろうという自覚が芽生えます」
こう話してくれたのは、高1のSさん。彼女は“家政の顔”であるアドミッションスタッフになって、普段の立ち居振る舞いなど、所作も意識するようになったそうです。
スタッフ同士の雰囲気については、高1のMさんが話してくれました。
「資料の準備作業なども和気あいあいと進めています。先輩方は明るくてフレンドリーなので、とても話しやすいです。後輩に寄り添ってくださるので、自然と尊敬の気持ちが高まります」
学内外の説明会では、彼女たちのありのままの姿が、飾らない学校の雰囲気を伝えます。緊張の面持ちで説明会に来た来場者に優しく話しかけるアドミッションスタッフの笑顔がとても印象的でした。
(この記事は『私立中高進学通信2023年9月号』に掲載しました。)
東京家政大学附属女子中学校
〒173-8602 東京都板橋区加賀1-18-1
TEL:03-3961-2447
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