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私立中高進学通信

2024年4月号特集

創立100周年以上の伝統校

成城中学校

「知・仁・勇」を備えた
人間力の高いリーダーの育成

校長/岩本 正先生校長/岩本 正先生

 1885年に創立された「文武講習館」の校名にあるように、校風には今なお文武両道主義がいきています。「成城」の由来にある「哲夫成城」の「哲夫」とは「知徳の優れた男子」のことを指します。それは、「知・仁・勇」を備えた人間であり、校章の「三光星」がその象徴となっています。

 岩本正校長は「しっかりとした知識を持ち、他と協業することができ、大事な時にきちんと決断できること。現代の社会が求めるものがこの三つであるということは、140年以上たっても変わらないと思います」と話す。生徒たちは日々の学習と、他の活動の両立を目指します。学校行事、生徒会活動、部活動をはじめ、先輩後輩との異年齢集団の中で、「知・仁・勇」を身につけていきます。今年で100年を迎える「臨海学校」はその代表的な例です。また、生徒らの行動指針として継承されているのが、校訓の「自学自習・質実剛健・敬愛親和・自治自律」です。特に「自学自習」は、校歌や古くから伝わる『学習十五則』にもうたわれています。大正時代にはこの方針の下に『自修館』(自習室)が設置されました。現在の自修館には生徒のサポートとして、チューターが常駐しており、多くの生徒が利用しています。『常に自ら学習する習慣を作るは既に得たる知識よりも、其価値遙に大なり』(学習十五則)の教えを具現する場となっています。

「学びの場は教室だけとは限りません。本校では創立当時からさまざまな学びの場を設定していますが、時には自然の中や、いつもとは違った場所に行ってみることで学ぶことも多いと思います。そのうえで、学んだことを日常生活に応用していくことが大切です」と岩本校長。『学習せる知識技能は常に之を日常生活に応用することを力むべし。深淳なる知識技能は、蓋し応用醇熟の結果なり』(学習十五則)にあるように、その姿勢は現代でいう探究的な学びにも通じていると言えます。教育の本質は変えず、時代に即して改革が行われています。「生徒の好奇心に火が付けば、男子は自ら伸びていけるようになります」(岩本校長)

沿革
1885年(明治18年) 「文武講習館」として京橋区(現・中央区)築地に設立
1886年 「成城学校」と改称。陸軍士官学校・幼年学校への予備教育を施す
1891年 宮内省より牛込区原町(現在地)の校地を下賜され、移転
1917年 成城学校中学科を「成城中学校」と改称。自習室「自修館」設置
1918年 日本初の林間学校を長野県中房温泉で開設
1923年 成城第二中学校併設
1925年 成城第二中学校を分離(のちの成城学園となる)。日本初の臨海学校を神奈川県逗子市で開設
1947年 学制改革に伴い、新制「成城中学校」発足
1948年 学制改革に伴い、新制「成城高等学校」発足
2018年 高校募集を停止し、中高完全一貫校へと移行開始
2021年 中高完全一貫校となる
伝統の『臨海学校』で、中1は補助指導員として活躍する高2に憧れ、
高2は中1に尽くして伸びる

 1925年、全国に先駆けて開催された同校の臨海学校は、現在中1を対象に、千葉県南房総市の岩井海岸において3泊4日で行われています。泳力に応じて上級・中級・初級に分かれ、各班には教員3名と高2から選抜された指導補助員3名が付き添います。

「指導補助員に選ばれた高2生は下級生の憧れであり、『いつかは自分も』との想いで中1生は成長していきます。安全な運営のために献身的に働く補助指導員の姿は、いつの時代も中1生にとってのロールモデルです。逆にいうと、補助指導員に選ばれるか否かは高2生にとって大きいウエートを占めているのです。学友会の中心メンバーだけでなく、時には周囲からリーダーシップを認められた生徒が大役を担うこともあります」(校長/岩本正先生)

 実はコロナ禍の関係で、現高1生には臨海学校の経験はありませんでした。そこで先生方は「伝統を途切れさせてはいけない」という熱い想いで特別に中3の時に実施し、全員を参加させました。「これで成城生になれた!」と歓喜の声が上がったそうです。脈々と受け継がれてきた伝統行事の重みがここにありました。

1925年から100年後の今も行われている伝統の『臨海学校』。ビート板を使った初級班の泳ぎを見守るのは、先生方と補助指導員の生徒たち。1925年から100年後の今も行われている伝統の『臨海学校』。ビート板を使った初級班の泳ぎを見守るのは、先生方と補助指導員の生徒たち。
期間中の生徒の命を守る補助指導員の掛け声の下、点呼に応じる中1生たち。学年を越えた男子同士が真摯に向き合います。期間中の生徒の命を守る補助指導員の掛け声の下、点呼に応じる中1生たち。学年を越えた男子同士が真摯に向き合います。
次代を担う生徒たちの挑戦はさらに遠くへ!
卒業生も支えるグローバル・キャリア教育

 140年の伝統を守る一方で、時流をとらえた変革に取り組むのも、自由闊達な校風に彩られた同校ならではの姿です。その顕著な一例が、グローバル・キャリア教育です。

「20〜30年後の世界を担う生徒たちに必要な力として、自己の確立を促す新たなリーダー教育が必要と考えています。2023年の夏休み期間中に実施した、初めての『カンボジアキャラバン』もその一つです。事前学習をしたうえで、カンボジアが抱える問題を現地で直接取材し、帰国後は参加者全員に1本の論文を作成してもらいました。全国には本校以外にもカンボジアへ行く学校が何校かあり、今はそのネットワークに入って活躍の場を広げています」(岩本先生)

 カンボジアでの取り組み以外にも、オーストラリア・グローバルリーダー研修、ニュージーランド・ターム留学、台湾・グローバルリーダー研修と、グローバル教育の舞台は多彩です。さらに近年においては、国内外で活躍する歴代の卒業生が手を組み、独自にキャリア講演会を開催するなど、後輩たちの成長を力強くサポートするワールドワイドなグローバル・キャリア教育も始まっています。

高校生22名が参加して行われた初の『カンボジアキャラバン』。専門家とともにアンコールワットを調査中です。高校生22名が参加して行われた初の『カンボジアキャラバン』。専門家とともにアンコールワットを調査中です。
カンボジアで「ゴミ山」と呼ばれる処分場を訪れた生徒たち。現地の人への取材を通して課題を見つけ、解決方法を考えていきます。カンボジアで「ゴミ山」と呼ばれる処分場を訪れた生徒たち。現地の人への取材を通して課題を見つけ、解決方法を考えていきます。
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