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私立中高進学通信

2023年9月号

校長先生はこんな人!

明治大学付属明治中学校

直系の付属校だからこそ
もてる力を大切に
健やかな精神を育みたい

井家上 哲史 (いけがみ・てつし)1957(昭和32)年生まれ。東京都出身。工学博士。明治大学理工学部電気電子生命学科専任教授。明治大学付属明治高等学校卒業後、明治大学工学部電気工学科に進み明治大学大学院工学研究科へ。卒院後、郵政省電波研究所勤務を経て、1997(平成9)年、明治大学理工学部に助教授として着任。2004年に教授となり、通信技術研究室にて『ワイヤレス・ユビキタス・ネットワーク』の実現をめざし、新しい通信方式を研究。2023(令和5)年から明治大学付属明治高等学校・明治中学校校長に着任。

井家上 哲史 (いけがみ・てつし)校長先生
1957(昭和32)年生まれ。東京都出身。工学博士。明治大学理工学部電気電子生命学科専任教授。
明治大学付属明治高等学校卒業後、明治大学工学部電気工学科に進み明治大学大学院工学研究科へ。
卒院後、郵政省電波研究所勤務を経て、1997(平成9)年、明治大学理工学部に助教授として着任。
2004年に教授となり、通信技術研究室にて『ワイヤレス・ユビキタス・ネットワーク』の実現をめざし、
新しい通信方式を研究。2023(令和5)年から明治大学付属明治高等学校・明治中学校校長に着任。

ラジオとアマチュア無線に
夢中だった少年時代

 私は高校から明治大学付属明治高等学校に入学しました。現在は明治大学理工学部の教授を務め、2023年度から、本校の校長に着任しました。私が通っていた時代の明治高等学校は男子校で、神田猿楽町にありました。今とは環境も校舎も驚くほど様変わりしましたが、母校に満ちる特有の懐かしい雰囲気は特別な感慨を与えてくれます。同時に、夢多かった少年時代も思い出します。

 私は電気電子工学分野における新たなワイヤレス(無線)通信技術についての研究を続けていますが、その出発点は小学生時代の、いわゆるラジオ電子回路少年だった頃に遡ります。ラジオや電子回路の工作に胸を躍らせ、目には見えない電波が人と人をつなぐ仕組みにワクワクしたものです。中学・高校時代はアマチュア無線に夢中になりました。実家のあった町田市で老若男女のアマチュア無線家が集うサークルに入り、アンテナと無線機を担いで、山でキャンプをしながら見知らぬ人々と交信するのが無上の楽しみでした。

 高校では物理部に入りましたが、真面目な実験以外にも鉄道模型やラジコン、オーディオ機器の製作など、部活動で仲間と趣味を分かち合えたのもいい思い出です。全てを貪欲に吸収できる10代の時期は、勉強に邁進することも大事ですが、仲間と一緒に何かに打ち込むことも人間形成のうえで大切な要素です。アマチュア無線のサークルや学校の部活動を通じて、私は大学での専攻につながる知識とともに、仲間と学ぶ楽しさ、面白さも知ることができました。

少年時代の学びを糧に
無線通信の可能性を研究

 私はその後、無線通信についてもっと知りたいと思い、明治大学工学部電気工学科から大学院に進学。卒業後は郵政省電波研究所(現・国立研究開発法人情報通信研究機構/NICT)に入り、衛星を使った移動通信の研究に従事しました。先輩の先生から「戻って後輩の指導をしませんか?」と声をかけていただいたのは、社会人を12年ほど経験した頃です。

 当時の私は40歳目前。公務員生活を捨て初の転職となりますが、迷いはありませんでした。研究室長となり、マネジメントに時間を取られるようになってきたからです。研究者を続けることが、私の夢だったのです。助教授として自分の研究室を立ち上げ、教授となり、今は大学3~4年生と大学院生に囲まれ研究を進めています。

 そして今年、母校の校長職という新しい経験をさせていただくことになりました。心も身体も大人の仲間入りをしている大学生の指導は長く経験してきましたが、中高の生徒に対し、教育者の一人として私は何を伝えられるのか。今まさにその課題に真摯に向き合い、私自身が生徒から勉強させてもらっている最中でもあります。

 今の中高の教育は大学進学がゴールではありません。大切なのはその先に続く生徒自身の将来なのです。本校をよく知る先生方から多大なお力を借りながら、私の大学教育者としての経験を、ぜひ活かしていければと考えています。

高大連携カリキュラムと
基礎力重視の学びに注力

 私が明治高等学校を卒業してから長い月日が経ちました。バンカラだった昔と雰囲気こそ変わりましたが、明治大学の建学の精神『質実剛健』『独立自治』は、今も本校に息づいていると、生徒の立ち居振る舞いを見て実感しています。

 私は、大学では学生を上から教える立場ではなく、同じ研究を志す仲間として対等に接することを心がけています。本校の生徒にも教育的な指導はしっかり行いながら、彼らの『独立自治』の心を健やかに育む学びを、これからも推し進めていきたいと考えます。

 私は本校の生徒たちをとても羨ましく思うことがあります。それは直系付属校だからこその教育の在り方が、さらに深化している点です。長期休み中などに行われる『高大連携セミナー』や明治大学教員が正課科目として指導する『高大連携講座』、明治大学の授業を受講し入学後に単位として認定される『プレカレッジプログラム』は、学習意欲向上に貢献するカリキュラムと自負しています。

 また大学生の指導を長年続けていて痛感するのは、基礎学力の重要性です。近年の中高教育はアクティブラーニングに代表される応用力重視の学びに傾きつつありますが、応用力とは確実な基礎力があってこそ身になるものです。大多数が明治大学へと進学できる本校は、中高で真の意味での基礎学力の強化を徹底します。その力は必ずや大学以降の学びに直結することでしょう。

[沿革]
 1911(明治44)年、明治大学学長である岸本辰雄により創設。翌1912年4月、旧制明治中学校として神田駿河台の明治大学構内で開校し、1922(大正11)年に神田猿楽町校地に移転。初代校長である法学博士・鵜澤総明により、徹底した少数英才教育が貫かれた。戦後は、学制改革による1947(昭和22)年の新制明治中学校、1948年の新制明治高等学校の発足に伴い、推薦制度による大学までの一貫教育の体制を確立。2008(平成20)年4月には、男女共学化を決定し、調布校地に移転。明治大学が設置する唯一の直系付属校として今日に至る。

進学通信 2023年9月号
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