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私立中高進学通信

2022年1月号

私学だからできるオリジナル教育

明治大学付属明治中学校

大学との連携で専門的な
知識を学ぶチャンス

明治大学との連携で各種セミナーが行われる同校。
法学部との連携で毎年夏休みに行われる「法曹入門講座」の様子を取材しました。

明治大学にある模擬法廷を使い、生徒たちが裁判官や弁護人、検察官の役を担当して裁判の模様を体験する「模擬裁判」。

法学部志望者の多くが
受講する夏季セミナー
明治大学の副学長で法学部教授の上野正雄先生。明治大学の副学長で法学部教授の上野正雄先生。

 明治大学唯一の直系付属校である同校では、簿記講座やプログラミング入門など、大学と連携したさまざまな講座が行われています。なかでも夏休みなどの長期休みを利用して行われる集中セミナーは、進路選びなどを目的に行われており、大学進学前から専門的な知識を学ぶことができるほか、簿記などの資格を高校段階で取得できるところも魅力です。

 そうしたセミナーの一つとして毎年行われているのが、明治大学法学部が主宰するサマーセミナー「法曹入門講座」です。

 この講座は、法学部志望の高3を中心とする法曹界に興味のある高校生を対象に開催されるもので、OBである弁護士の先生が行う刑事裁判の手続きや用語についての特別講義と、法学部教授の上野正雄先生の指導のもとで行われる模擬裁判を体験することができます。

「内部進学で法学部に入って私のゼミを選択する学生からは、『このセミナーで検察官の役をやりました』といった話をよく聞きます。同校から法学部に進学する生徒のほとんどは、このセミナーに参加しているのではないかと思います」(明治大学法学部教授/上野正雄先生)

 この模擬裁判は、明治大学の模擬法廷を使って行われるもので、裁判員制度が適用された実際の刑事裁判の事例を、元裁判官の上野先生がアレンジしたシナリオを使って進行します。参加者は、それぞれが裁判長、裁判官、裁判員、検察官、弁護人、被告人、証人などを担当し、ロールプレイング形式で裁判を体験します。

「この模擬裁判にはシナリオがあるのですが、単にシナリオを読み上げるだけではなく、生徒たちに考えてもらわなければいけない部分がたくさんあります。限られた証拠から生徒自身が考えて質問や判決を考えなくてはいけないのです」

 法律について素人の高校生がどのように事件の中身をとらえ、それをどう法廷の場に出そうとしているのかを見ることが毎年楽しみだと上野先生は話します。

「模擬裁判のテーマは有罪か無罪かを問うものではないので、完全に勝ちとか負けといった形にはなりません。自分たちが主張した点を裁判所が採用したかどうかで、生徒たちは手応えを感じているようです」

➡模擬裁判で使われるシナリオをもとに、刑事裁判の手続きや裁判における「事実」「証拠」などの意味についてOBの弁護士から講義を受けます。

模擬裁判で使われるシナリオをもとに、
刑事裁判の手続きや裁判における「事実」「証拠」などの意味についてOBの弁護士から講義を受けます。

現役で活躍する弁護士も
後輩たちの指導に参加
同校卒業生が所属する法曹部会の事務局長を務める酒井康生弁護士。同校卒業生が所属する法曹部会の事務局長を務める酒井康生弁護士。

 この「法曹入門講座」をきっかけに法律家の道をめざす生徒も少なくないと話すのは、法曹の道へ進んだ同校卒業生で構成される総明会法曹部会の事務局長を務める酒井康生弁護士です。法曹部会は法曹入門講座以外にも、同校の生徒を対象とする裁判傍聴会なども開催しています。

「法曹(裁判官・検察官・弁護士)の世界を中高生が直接体験する機会は、ほとんどないと思います。ですからこの模擬裁判を通じて、法廷で実際にどういうことが行われているのかを少しでも体験してほしい。そうした経験から法曹になりたい、チャレンジしてみたいと思う人が増えてくれると、法曹部会としてもうれしいですね」(酒井弁護士)

 酒井弁護士と同様に同校のOBで、法曹入門講座で講義を担当する小関利幸弁護士は、法曹入門講座で学べることは法律や裁判だけではないと言います。

同校から法学部に進学した小関利幸弁護士は、法曹入門講座で講義を担当しています。同校から法学部に進学した小関利幸弁護士は、法曹入門講座で講義を担当しています。

「毎年受講者にアンケートをとっているのですが、それまで遠くに感じていた裁判を、身近な自分たちのこととして経験できたという意見をよく目にします。また、裁判の流れは非常に論理的に組み立てられているので、そうした点が『法律の世界だけでなく、日々生きることにも通じるものがある』という意見も多く寄せられます。論理的に考えるということはとても大事な点です。法曹の道に進まなくても、プレゼンやディベートなどはもちろん、今後社会で活躍するうえでますます必要とされる力ですから」(小関弁護士)

 大学の法学部と法律の世界の最前線で働くOBたちの協力によって開催される法曹入門講座。大学と連携して進学やその先を見据えた本格的なプログラムが行われているのは、大学付属校ならではの魅力といえるでしょう。

左から同校OBで明治大学法学部事務室の田中拓樹さん、OBの酒井康生弁護士と小関利幸弁護士、上野正雄教授、同校の高大連携主任・山中禎一郎先生、明治大学法学部事務室の山本菜緒さん。高校と大学、OBが連携して、オール明治の体制でサマーセミナーに取り組んでいます。

左から同校OBで明治大学法学部事務室の田中拓樹さん、
OBの酒井康生弁護士と小関利幸弁護士、上野正雄教授、
同校の高大連携主任・山中禎一郎先生、明治大学法学部事務室の山本菜緒さん。
高校と大学、OBが連携して、オール明治の体制でサマーセミナーに取り組んでいます。

長年裁判官を務めた上野教授の指導で模擬裁判は進行します。長年裁判官を務めた上野教授の指導で模擬裁判は進行します。
裁判官役の生徒は法服を着用して臨みます。厳粛な雰囲気のなかで模擬裁判は行われます。裁判官役の生徒は法服を着用して臨みます。厳粛な雰囲気のなかで模擬裁判は行われます。
生徒インタビュー
自分とは違った“弁護士の視点”が
勉強になりました
扌法曹入門講座に参加した高3T.Uさん(左)とS.Tさん(右)。法曹入門講座に参加した高3T.Uさん(左)とS.Tさん(右)。

 法曹入門講座を受講した2人の生徒に、感想を聞いてみました。

「事前にシナリオを読んで考えていたのですが、弁護士の視点が自分の考えていたものとは違っていて勉強になりました。弁護士、検察官、裁判官などそれぞれの論理の組み立て方をもっと勉強したいと思いました」(Uさん)

「現代文の授業で森鷗外の小説を題材に"舞姫裁判"というものを行ったのですが、なかなか論理的に考えられませんでした。この講座で自分がどれだけ考えられるようになったか、もう一度考えてみたいと思っています」(Tさん)

進学通信 2022年1月号
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