私立中高進学通信
2021年1月号
生徒の主体的な活動にフォーカス
明治大学付属明治中学校
新型コロナウイルス対策を講じ
生徒主導の「考動」文化祭を
各クラスや部活動が催し物を開催して、1日だけの文化祭を盛り上げました。
生徒主導で
コロナ禍に負けない文化祭を
初代校長である
今回は明治中学校出身の文化祭準備委員会(以下、文準)メンバーと生徒会長に、2020年紫紺祭について伺いました。
「新型コロナウイルスによる休校期間中は、紫紺祭が開催できるかもわかりませんでした。文準メンバーの間でも、開催・延期・中止で最初は意見が分かれていました」(文準委員長/N・Kさん)
「メンバーで話し合い、『開催する』方向にまとまったのですが、次は『延期』するかどうかで意見がぶつかりました」(管理統括・IT担当/M・Fさん)
「延期しても新型コロナウイルスが収まるかどうかはわからないし、そのまま中止となる可能性も考えました」(設営撤去部門/Y・Tさん)
「結局、3月で卒業してしまう高3生のために、絶対に開催したいという点で意見が一致しました」(N・Kさん)
さまざまな話し合いを経て、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から例年2日間にわたり開催してきた紫紺祭を「校内限定公開」「1日のみの開催」とすることが決まりました。
「たとえ1日であっても、高3生に思い出を作ってもらいたいと思ったのです」(生徒会長/T・Sさん)
休校期間が終わるとすぐに企画を提出し、開催の方向で学校の認可を得ることはできましたが、そこからがまた大変です。新型コロナウイルスという、誰も経験したことのない状況で文化祭準備を進めなくてはならなかったのです。
「休校期間があったため、準備のスタートが遅れてしまい、間に合うかどうか心配でした」(式典部門/T・Sさん)
「準備期間は短いですが、高3生にとって最後の紫紺祭で感染者を出すわけにはいかないので、コロナ対策も含めてみんなで案を出し合いました」(感染対策部門/T・Kさん)
「学校で打ち合わせができない時は、電話やオンラインで会議を重ねました」(催し物部門/N・Kさん)
例年にはない状況にめげることなく、文準メンバーは初めての試みにも果敢に挑みました。今年の紫紺祭のスローガンは「考動」。開催すら危ぶまれた状況の中で、生徒それぞれがさまざまな工夫を考え、行動していくことを掲げたのです。中学生は午前中のみの参加にするなどの施策が次々と決まっていく中で、特に注目すべき工夫はパンフレットにありました。
「このパンフレットは、各催し物会場に入る時と出る時の時間を書いてもらうようになっています」(M・Fさん)
パンフレットを最後に回収することで、誰がいつどこにいたのかがわかるため、万が一感染者が出た場合でも感染の可能性のある人がわかるのです。
「これを持っていないと各会場に入れないし出られないルールに。先生方にも協力してもらい必ず携帯するようお願いしました」(生徒会長/T・Sさん)
文準メンバーのアイデアは、コロナ対策だけにとどまりません。
「後夜祭も2020年度はできなくなってしまいました。そこで全校生徒が一致団結してできることをやりたいと考えたのが、後夜祭の代わりとなる『文準企画』です」(式典部門/T・Sさん)
この文準企画のひとつに、M・Fさんが担当したモザイクアートがあります。
「生徒たちから写真を提供してもらって、今年の紫紺祭のイメージイラストをモザイクアートで作りました。閉会式で発表した後に『感動した』という声をたくさん聞くことができて、少しは思い出に残せたかなとうれしくなりました」(M・Fさん)
誰も体験したことのない状況に挑み、見事に文化祭を成功させた文準メンバーを評して、高校生徒指導主任の前島研二先生はこう言います。
「本校の校訓には『独立自治』が掲げられていて、その象徴のひとつが文化祭です。特に今年は、教員からも紫紺祭の開催に反対する声が少なくなかった。でも文準メンバーの熱意が、開催への道を開きました。いろいろ試行錯誤しながら、生徒たちは想像以上によくやりました。この半年のメンバーの成長は驚くほどです」
文化祭準備委員会の主導で行われた“文準企画”。紫紺祭の最後を盛り上げました。
個性的な看板でお出迎えしました。
初めての試みにも挑戦
コロナ対策を考え紫紺祭を
創り上げました
「例年の紫紺祭は2日間なので、開催前は『1日だけなの!?』といった声もよく耳にしていましたが、終わった後にはみんなが『楽しかった!』と言ってくれて、とてもうれしかったです。大きな達成感を得られました」(文準メンバー)
(この記事は『私立中高進学通信2021年1月号』に掲載しました。)
明治大学付属明治中学校
〒182-0033 東京都調布市富士見町4-23-25
TEL:042-444-9100
進学通信掲載情報
PICK UP!!
紹介する学校
- 徹底した感染防止対策で寮生活を守り学びと生活を支える秀明中学校
- 新学期開始から迅速にオンライン授業に対応今後への備えも万全に玉川聖学院中等部
- カラフルな思い、みんなに届け!初のオンライン「WEB京華祭2020」京華女子中学校
- 生徒自らが企画・運営・配信初のオンライン文化祭に挑戦!国学院大学久我山中学校
- 2020年だからこそできる全員参加のオンライン文化祭桜丘中学校
- 東京薬科大学主催の研究発表会で1位に!浦和実業学園中学校
- 行事が中止になったなら新たな企画で学校を盛り上げる跡見学園中学校
- 生徒会主導の新たな企画で学校を盛り上げる!国士舘中学校
- オンラインを活用しコロナ禍でも楽しめる行事を開催芝国際中学校
- 生徒から意見を募り生徒総会で採決を取る桐朋女子中学校
- 自主性と協働性を育てる学校行事と「坐禅」が育む “心の自立”世田谷学園中学校
- 「与え過ぎず、生徒が自ら動くためにアプローチの仕方を意識する」本郷中学校
- 自分を表現し相手を理解できる一生ものの英語力を養成光塩女子学院中等科
- SF映画を視聴して科学者に学び短編SF小説作りにチャレンジ駒込中学校
- 多彩な理数教育を展開プログラミングで表現力を培う実践学園中学校
- 豊かな自然を感じて学ぶ稲作体験と探究学習獨協埼玉中学校
- 英語力・国際力を培う『グローバルコース』佼成学園中学校
- 1ランク上の英語力を習得多彩な課外講座『国際塾』文京学院大学女子中学校
- 英語漬けの日々を過ごす『セブ島英語研修』東洋大学京北中学校
- 講演 第一線で活躍する識者に学ぶキャリア教育講演会春日部共栄中学校
- 進路 自分を知って未来へつなげるキャリアプログラム立正大学付属立正中学校
- クラブ活動を通し、人としても成長!武蔵野中学校
- 夢と個性と学力を健やかに育む目白研心中学校
- 「宣伝会議賞」中高生部門グランプリ&仏教がテーマの研究論文がすごい!獨協中学校
- ていねいな指導で充実した学校生活に芝浦工業大学柏中学校
- 中学は土台を作る時学校生活で大きく成長成城中学校
- 新型コロナウイルス対策を講じ生徒主導の「考動」文化祭を明治大学付属明治中学校
- 自主研究『5×2』で探究心を育み自己発見富士見丘中学校
- 習熟度別・少人数制の新指導体制で英語力を強化東京女学館中学校
- 生徒と対話を重ねながら生身の授業で実力を養う共栄学園中学校
- 人生について考え自分で将来を決められる自立した人間を育てたい京華中学校
- 身近に使われている実例を挙げることで数学の学問としての面白さを伝えたい城北中学校
- 「探究サイエンス入試」で取り組みの思考過程を評価山脇学園中学校
- 日々の積み重ね堅実に真摯に学び大学入試に強い素養を無理なく確実に培う江戸川女子中学校
- 将来を考えて決めた第一志望を諦めない!粘り強い姿勢で進学実績が向上十文字中学校
- 中高6年間で学んだ礼法や先生方の助言により人間として成長光英VERITAS中学校
- 部活動、生徒会にも全力で取り組んだ6年間女性としての人生設計を見つめて次のステップへ小石川淑徳学園中学校
- 一人ひとりを見守る温かいサポートでチアダンス日本一の栄冠に輝く横浜創英中学校