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私立中高進学通信

2022年特別号

明大明治 中2の探究

明治大学付属明治中学校

熱海の魅力と課題を発見したワークショップ
全員が取り組んだポスター制作と
再び熱海の方々とつながったオンライン審査会

熱海の方々とリモートでつながったポスター審査会。生徒たちが司会、運営を務めました。

熱海の方々とリモートでつながったポスター審査会。
生徒たちが司会、運営を務めました。

 今年の中2の学年テーマは「探究」です。中2の最初に行われる宿泊行事は「探究する移動教室」と名づけられ、宿泊地となった静岡県熱海市とつながり、4月からフィールドワークの準備が進められてきました。

 5月には熱海の産業復興に尽力したNPO法人の代表者や熱海市役所・商工会議所、宿泊施設SOKI ATAMIの関係者の方などとオンラインでつながって、それぞれの立場から講演をいただきました。

 6月に実施された移動教室では、熱海の方々と実際にお会いして、班別にフィールドワークを行いました。その成果は熱海の魅力を発信するポスターとして描かれ、一人一人の個性やそれぞれの視点を表現した作品となりました。ポスターは、市役所、商工会議所、企業の方々に加えて先生方も審査をして、各々の賞を決定しました。

 6月21日には再び学校と熱海の方々とがオンラインでつながり、各賞の授与式が開催されました。絵の得意、不得意は関係なく、全員が参加したポスター制作です。熱海の方々からいただく講評を皆が自分ごととして捉えて、秋に実施される「調布・三鷹探究」につなげていました。

各賞受賞者の声

コメントを寄せてくれた生徒たち。
写真左/Iさん、写真中/Nさん、写真右/Sさん

どこか懐かしい熱海の街と海と山の景色を再現しました
熱海市役所賞 第二位
S・Rさん

 熱海には写真映えしそうな場所がたくさんありました。昔栄えた熱海の経済はあるとき落ち込み、そこからV字回復したとうかがったので、それをキャッチコピーにして、山と海と温泉をイメージした絵柄にしました。下の部分は色鉛筆で、空は水彩で、真ん中の山はマーカーで色を塗り、メリハリをつけました。私は絵を描くのが好きなので、今回の受賞は大きな自信になりました。

隠れた魅力がある熱海は1000年賑わってほしい街でした
SOKI ATAMI賞 第三位
I・Aさん

 熱海には隠れた魅力がたくさんありました。新幹線のぞみでは通過してしまうけれど、それではもったいないと思いました。最初は「通過するな熱海」というキャッチコピーを考えましたが、ダイナミックな時間軸で考えたいと思って「通過するのは1000年早い」としました。人生100年時代と言われる時代、今生きている人が誰もいなくなった1000年後でも賑わっていてほしい街です。

熱海の魅力を最大に伝えるためにSDGsをテーマに表現しました
教員賞 第二位
移動教室委員長 N・Rさん

 何か新しいことに挑戦したいと思い、移動教室では委員会の長に立候補しました。春から毎日のように委員会を開催して準備を進めてきたので、オンライン審査会が無事に開催できて達成感を感じています。

 私のポスターは熱海が取り組むSDGsの目標と関連付けて描きました。次のワークショップは調布・三鷹ですが、また新しい気持ちで、熱海とも比較しながら探究したいと思います。

熱海探究を中3の京都・奈良の探究へ
そして高校の探究学習へとつなげたい
中2の移動教室を担当した先生方が熱海探究の総括を行い、
明大明治の宿泊行事の意義について語ってくれました。

写真左/中村詩帆先生 英語科
写真中/大竹雄介先生 学年主任・保健体育科
写真右/宮下崇先生 社会科

疑問を持ち、課題の発見から
スタートした探究

宮下先生(以下╱M)
本校にはかつて中1から高3を通して歴史を辿れるような宿泊行事があり、事前学習したことを現地で確認してきました。中2学年では、もともと静岡県で登呂遺跡や久能山東照宮、清水港見学などを盛り込んだ移動教室を実施してきました。しかし、コロナ禍で清水にあった宿泊施設が閉館し、今年度は宿泊地が熱海に変更になりました。これを機にプログラムも変更し、自治体や地元企業の協力を得て熱海でフィールドワークを行うことになりました。

中村先生(以下╱N)
フィールドワークに向けて春休み明けから「物事に対する疑問を持つ」という練習からはじめて、約2ヶ月間で準備をして熱海のワークショップに臨みましたね。

大竹先生(以下╱O)
オンラインで講演してくださったNPOの方は、「熱海は課題先進地域と言われたけれど、課題解決地域に変わるための取り組みを行なってきた」という話をしてくれました。

M
班別のフィールドワークでは、熱海市役所や商工会議所、企業などそれぞれの場所で、産業や文化についての貴重なお話を聞くことができたと思います。

O
全部で30班に分かれて、中には地元のラジオに生出演した班もありました。

N
今回の探究学習は、私たち教員も探究させていただきました。すでにできあがった旅行日程を提示して、「さあ、探究しなさい」では心に残る学びが少なかったでしょう。私たちも熱海を事前見学して、いろいろなアイデアを出しながら現地の方と連絡をとったところ、皆さんウエルカムで学びの場を提供してくれました。

「シンカ」する移動教室
使い込まれた熱海のしおり。先生と生徒の合作です。使い込まれた熱海のしおり。先生と生徒の合作です。

O
この学年は1年生のときには「シンカ」を学年テーマにしていました。シンカを漢字で書くと「進化」「深化」「真価」など、いろいろな意味があります。そこでシンカをテーマにして、学校内のお掃除や警備など、教員以外の仕事をされている方々から、その仕事について学びました。それを壁新聞にまとめたところ、いろいろな発想が出てきました。そこで次は熱海探究をテーマにしてポスターを作ることになりました。

N
移動教室委員たちはたった2ヶ月で準備をして行事を遂行していましたね。

M
私はこの学校の卒業生ですが、行事では生徒が主体的に動く文化があります。私自身も修学旅行委員を務めたときには、旅行のしおりから作りました。

N
宮下先生は在学中から旅行係の役目を担っていたのですね(笑)。今回、熱海のしおりも宮下先生が作ってくれましたが、ところどころにあるイラストは生徒たちが描きました。

O
生徒たちに任せると、いろいろな発想が出てきて面白いですね。今回、「課題を見出すこと」が探究のスタートだと、生徒たちは実体験を通して学べたと思います。次の11月のフィールドワークは学校のある調布市・三鷹市です。

M
熱海の探究はまだ助走段階だったので、調布・三鷹ではこの探究を発展させることができるでしょう。そして中3の京都・奈良の修学旅行では、古都と共存する人々や、外国人観光客など、多様な視点から探求ができると思います。

N
外国人観光客に英語でインタビューするのもいいですね。

O
人が生活する場所には何かしらの課題があるので、どこでも探究はできます。中学で経験した探究を高校の探究につなげたいと思います。

久能山東照宮
登呂遺跡

中2の移動教室は、登呂遺跡と久能山東照宮を訪れるのが伝統です。

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