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私立中高進学通信

2021年9月号

私たち、僕たちが大好きな先生

共栄学園中学校

多角的なアプローチの授業で
読解に必要な想像力を喚起

国語科
菅原 真衣(すがわら まい)先生
埼玉大学教養学部卒業。同校に赴任して3年目となる。中学特進クラス2年A組を担任。
部活動では卓球部と華道部の顧問を兼任する。
高校時代に打ち込んだ卓球は得意ですが、
華道については「初心者なので、生徒から教わっています」とのこと。

「至誠一貫」という建学の精神の下、文武両道でバランスのとれた人間の育成をめざす同校。中2特進クラスの担任として、生徒たちの成長に力を尽くす菅原真衣先生に、教育者としての思いを話していただきました。

教職を志す契機となった
忘れられない恩師の言葉
熟語を構成から理解する授業。同校の国語の授業は、読解力を養う「中学国語」と、文法を徹底的に学ぶ「国語基礎」に分かれています。熟語を構成から理解する授業。同校の国語の授業は、読解力を養う「中学国語」と、文法を徹底的に学ぶ「国語基礎」に分かれています。

――教職をめざしたきっかけを教えてください。

 恩師の先生の影響が大きいです。高校生の時、卓球部に所属していたのですが、顧問の先生がとても熱心に指導してくださいました。進路など人生の選択をする場面でも相談に乗っていただいたのですが、恩師のように誰かのために力を尽くす人間になりたいと思い、教員をめざす意識がおぼろげながら芽生えました。自分も生徒たちの人生に携わり、中高6年間という人生の中で大切な時期を、素晴らしい思い出の1ページとなるように手助けをしたいと考えました。

――恩師の先生からはどんなことを教わったのですか?

 多くの人が当たり前にできると意に介さないことがあります。たとえば学校に来て当たり前、掃除をして当たり前などのようなことです。その先生は、「当たり前のことを当たり前にすることが実は難しい」と仰ってくださったのです。その言葉は当時の私の胸に深く刺さりました。そして先生は私の「当たり前」をほめてくださったのです。生徒が道を踏み外さないように、ときには厳しく戒め、決して否定から入ることなく、何事ものびのびとできるように心を砕かれていました。

――教員になられてから、その体験は活かされていますか?

 その先生の精神や考え方を受け継いでいる部分はあると思います。持ち上がりで2年A組を担任しているのですが、生徒には人が嫌がることをしない人間、当たり前のことを当たり前にできる人間になってほしいと考えて、日々接しています。

――国語科の教員になられた理由は?

 幼い頃から読書が好きでした。本を読むことで知識は増え、想像力が広がっていきます。読書で得たものは、人生の役に立つことがとても多いと思うのです。もともと文章が好きだったことに尽きるのですが、その面白みを伝えたいと思ったことが国語科の教員を志望した理由です。

――授業で工夫しているところは?

 筆者の考えや、小説であれば登場人物の気持ちなど、読解力を伸ばすためには、相手の考えを正しく理解するとともに、想像力を働かせ、自ら考える力が必要です。大学入試で出題される文章は、生徒にとって初見のものがほとんどです。正しく読みこなすためには、問題集を丸暗記するような勉強方法では意味がありません。古典を学ぶ場合でも同様です。『枕草子』を学ぶのであれば、趣のあるものを自分たちで考えてみるなど、生徒の想像力を喚起する時間を取り入れるようにしています。

――短歌・俳句や作文にも力を入れているそうですね。

 俳句に関しては毎年、大手飲料メーカーの俳句コンクールに学校から応募しています。昨年度は佳作特別賞に入選した生徒がいて、その句がお茶のパッケージに採用されました。俳句や短歌を趣味と捉える方も多いと思うのですが、定型句の創作は、自分の想像力を働かせるうえでとても効果的です。五七五七七の中にどれだけ自分の思いを伝えられるかという訓練になります。

――ほかに授業で大切にしているポイントはありますか?

 一方的な講義型の授業はしないように心がけています。ときにはクイズ形式を交えるなど、楽しみながら主体的に考えられる方法も取り入れています。

――授業では、課題に対して生徒同士が話す時間を設けていました。

 自力で答えを導くことができればいちばん良いと思いますが、一人で考えると自分の答えが間違っていないかと不安になる生徒もいます。生徒同士で話し合うことで、自分の意見をスムーズに言うことができ、率先して考えるようになります。ただ、コロナ禍の状況にありますので、会話によって密をつくらないように配慮しています。

――生徒の成長を感じるのは、どんな時ですか。

 初見の文章をしっかり読み込めるようになったところに成長を感じます。中1の時は長い文章を読むことが苦手という生徒たちも多かったのですが、中2になった現在では、物語の中に自分で面白みを見いだすようになりました。これは授業だけでなく、基礎学力の向上を図るための「朝学習」に読書を取り入れた効果もあると感じています。また、作文を書くことへの抵抗感も薄れました。生徒たちが文章表現で言葉が自然と出てくるようになったことは、自ら考える力が育っているうれしい結果だと感じています。

生徒が悩みを相談できる
頼れる存在でありたい
担任を受け持つ2年A組の生徒たちと。生徒が日々の生活を記録する「生活学習ノート」でのやりとりを通じて、生徒の状況を把握。ノートで悩みを明かす生徒には、個別フォローを欠かしません。担任を受け持つ2年A組の生徒たちと。生徒が日々の生活を記録する「生活学習ノート」でのやりとりを通じて、生徒の状況を把握。ノートで悩みを明かす生徒には、個別フォローを欠かしません。

――担任している2年A組には、どんな生徒たちが多いですか?

 とてもにぎやかですが、やる時はしっかりやる生徒たちです。本校では、SDGsを意識した自然環境保護の課題解決への道を考えることを目的に、各学年で校外学習を実施していますが、学外でも自ら進んで学ぼうとする意欲が見て取れ、頼もしさを感じました。

 中1の時は教員や保護者の言うことがすべてで、自分の意見を言えなかった生徒たちが、学校生活でさまざまな経験を積んだことで、自分の考えや思いをきちんと言葉にして主張できるようになりました。何事にも前向きで一生懸命取り組む姿を見ていると、私も励まされている気持ちになります。

――生徒にはどんな大人になってほしいですか?

 人の気持ちをしっかり考えられる大人です。遠慮のない発言などで人を傷つけることがないように慮れる優しい気持ちを育んでほしいです。そして自分のやりたいことを実現するために、自ら決断し、行動に移すことのできる人になってほしいです。

――教員としての理想像は?

 何でも悩みを相談してもらえる、生徒にとって頼れる存在でありたいです。本校の良さは生徒一人ひとりを決して見捨てないところです。進路についても進学実績だけにこだわらず、生徒や保護者の方の考えをしっかり聞き、本人にとって最も良い道を一緒に考えていきます。頼られる教員となるにはまだ道半ばですが、私も生徒一人ひとりに寄り添っていきたいと思います。

進学通信 2021年9月号
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