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私立中高進学通信

2021年9月号

私学だからできるオリジナル教育

文化学園大学杉並中学校

独自のSTEAM教育で
リーダーシップを育む

「まだ世の中にない“価値あるもの”を創り出す」生徒の育成を目標に、同校が実践しているSTEAM教育プロジェクトについて聞きました。
中1と中2を対象に毎週1回開催されているプログラミング&ロボティクス講座「中学STEAM Play 倶楽部」。

中1と中2を対象に毎週1回開催されているプログラミング&ロボティクス講座「中学STEAM Play 倶楽部」。

STEAM教育を実践する
課外活動チームが発足
入試広報部長補佐で理科担当の染谷昌亮先生。STEAMプロジェクトリーダーとしてさまざまな活動を見守っています。入試広報部長補佐で理科担当の染谷昌亮先生。STEAMプロジェクトリーダーとしてさまざまな活動を見守っています。

「燃えよ! 価値あるものに」をスクールモットーに掲げる同校。2015年に日本で初めて、日本とカナダの高校卒業資格を同時に取得できるDD(ダブルディプロマ)コースを高校に開設し、2018年には共学化へ舵を切りました。2020年度から独自のSTEAM教育に取り組んでいます。

「本校のSTEAM教育では、『まだ世の中にない “価値あるもの”を創り出す』をコンセプトに、新しい価値を自分自身で創り出せる生徒を育てることをめざしています」

 そう話すのは、同校のSTEAMプロジェクトリーダーの染谷昌亮先生です。

 STEAM教育は「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Art(芸術)」「Mathematics(数学)」の頭文字を組み合わせた造語で、 文理の枠を超えて各教科を横断的に学び、21世紀型のスキルを養うことをめざします。

「本校では2018年からSTEAM教育自体は授業に取り入れていました。ですが基礎学力の定着やグローバル教育とのバランスをとることは難しく、その取り組みの幅は一定の範囲にとどまっていました。そこで、より本格的な活動をスピーディに行うための課外活動チームを昨年度から立ち上げることとしました」

 教科融合させようと教員が指導するのではなく、ワクワクできることを生徒自身が設定して学ぶ場を提供することで、生徒の学びを誘発し、あらゆる教科が「結果的に融合する」のが正しいSTEAM教育ではないかと染谷先生は考えました。

「生徒たちが主体的に、新しい仕組み、もの、価値を創って世の中に提案していく。それが本校のSTEAMプロジェクトの目標です」

活動1年目から
数々の実績を生み出す
講座にはレーザーカッターが用意されており、ロボットのさまざまなパーツを自作することができます。講座にはレーザーカッターが用意されており、ロボットのさまざまなパーツを自作することができます。

 同校のSTEAMプロジェクトでは、現在4つの部門が活動をしています。

 その一つである「メイカー部門」はプログラムやロボティクスを中心に学ぶチームで、自律型ロボットによる国際的な大会である『WRO(World Robot Olympiad) Japan 2020』の、社会課題を解決するロボットを提案する部門で、初出場ながら優秀賞を獲得しました。また、中学生を対象として週に2回、プログラミング・ ロボティクス講座「中学STEAM Play 倶楽部」を開催しています。

 SDGsに関する探究学習を行う「社会課題探究部門」では、東京海洋大学の研究室と協働してワークショップを行ったり、古民家をリノベーションした地方創生・持続可能社会の実現をめざす施設の設計に参画するなど、その活動は多岐にわたります。またこのチームは、企業活動における持続可能性を推進するSB(サステナブル・ブランド)国際会議2020に、スチューデント・アンバサダーとして招待されています。

 コロナ禍で活動に制限を受けてしまっているのが「キャリア探究部門」。企業訪問してインタビューを行い、企業人を招いてのワークショップを生徒たち自身が企画・運営しています。

 STEAMプロジェクト内での探究型学習で出てきたアイデアや成果を発信するのが「広報・活動記録部門」です。各部門の企業との連携プログラムなどをSNSなどで発信しています。「この部門の活動があることで、現在約100人が参加するSTEAMプロジェクトが一つのチームとして学校内外に捉えてもらうことができます」と染谷先生は話します。

「STEAMプロジェクトを始めてから感じるのは、『生徒のリーダーシップを育てること』にもつながっているということです。教員がいると教員がリーダーになってしまい、生徒は教員の指示を聞くだけという状況になってしまいがちですが、本校のSTEAMプロジェクトでは活動を生徒の自主性に任せていて、教員が中心になることはありません。生徒の中に自然にリーダーが生まれるのです。友達が『これをやろう』と言い出すと、教員が言うよりずっと共感を呼んで、そのリーダーと一緒に活動したいという生徒が生まれます。結果としてフォロワーシップも磨かれていて、社会でチームを作る時と同じような状況で、ともに学び合っていると感じています。この点は、もっともっと強くしていきたいですね。もちろん教員は生徒の活動を見ながら、アドバイスしたりもします。生徒の自主性や主体性を大事にしながらも、教員はその役割を果たすように心がけています」

自分のやりたいことを形にするために、トライ&エラーを繰り返しながら知恵を絞ります。自分のやりたいことを形にするために、トライ&エラーを繰り返しながら知恵を絞ります。
講座を受ける生徒たちの表情からは、前向きに集中している様子がうかがえます。講座を受ける生徒たちの表情からは、前向きに集中している様子がうかがえます。
生徒同士がさまざまなアイデアをぶつけあい、活発な議論が交わされています。生徒同士がさまざまなアイデアをぶつけあい、活発な議論が交わされています。
「社会課題探究部門」では、活動の一環として学校の畑で有機農業を実践しており、有機肥料を使った畑の土作りから始めています。「社会課題探究部門」では、活動の一環として学校の畑で有機農業を実践しており、有機肥料を使った畑の土作りから始めています。
「社会課題探究部門」のメンバー。持続可能な社会を実現するための金融の研究など、幅広いテーマに取り組んでいます。「社会課題探究部門」のメンバー。持続可能な社会を実現するための金融の研究など、幅広いテーマに取り組んでいます。
生徒たちのアイデアや成果を校内に披露する学習成果発表会「STEAMアワード」も開催されています。生徒たちのアイデアや成果を校内に披露する学習成果発表会「STEAMアワード」も開催されています。

(この記事は『私立中高進学通信2021年9月号』に掲載しました。)

進学通信 2021年9月号
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