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私立中高進学通信

2021年1月号

生徒会に聞く学校生活

桐朋女子中学校

生徒から意見を募り
生徒総会で採決を取る

写真左から、議会担当の仁井貴士先生、U・Hさん(高2・高校議会議長)、Y・Mさん(高2・高校議会書記)。

写真左から、議会担当の仁井貴士先生、U・Hさん(高2・高校議会議長)、Y・Mさん(高2・高校議会書記)。

同校の生徒会には、中高にそれぞれ「執行部」と「議会」があります。執行部は文化祭委員会などの委員会を統括し、行事の運営などを担当。一方、議会は生徒の生の声にできるかぎり耳を傾け、生徒が充実した生活を送れるように議論を重ねています。今回は、高校議会の議長団の2人に話を聞きました。

自分でチャンスをつかみ
道を切り拓いていける学校

「クラスの中にあまり話さない子がいると、みんなで積極的に話しかけるような校風が桐朋女子にはあります。また、学校生活の中で、先輩方が良い手本を見せてくださるので、いい刺激になります」(U・Hさん)

「桐朋女子は生徒の個性が十人十色で、勉強以外にもさまざまな場面で学べることが多い学校です。リーダーシップを発揮できる場も多く用意されていて、自分でチャンスをつかみ、実際に行動し道を切り拓いていくことができます」(Y・Mさん)

U・Hさん(高2・高校議会議長)U・Hさん(高2・高校議会議長)
「幼い頃からバイオリンを習っています。好きな教科は数学です。一つの正解にたどり着くまでに、さまざまな解法があるところに魅力を感じています。大学は理系の学部へ進みたいと考えています」
Y・Mさん(高2・高校議会書記)Y・Mさん(高2・高校議会書記)
「陸上競技部に所属していて、種目は走り幅跳びです。好きな教科は英語です。英語を通じて、世界中の文化に触れることができるからです。外国語学部や国際系の学部で英語の力を磨けたらと思っています」

――生徒会の「議会」の役割について教えてください。

Y・Mさん(高2・高校議会書記)
議会は生徒の意見を吸い上げ実現する役割を担っています。中高ともに、各クラス2名の議会委員、そして議長、副議長、書記の議長団で構成されています。議長団は定例会で議会委員に調査を依頼。学校へ対する要望などをクラスで聞いてもらうのです。これを「議題徴収」といいます。

U・Hさん(高2・高校議会議長)
「議題徴収」によって集まった議題をまずは議会で精査し、審議します。議会での審議を通過した議題について、全校生徒が参加する生徒総会に諮り、採決を行います。3分の2以上の賛成があった場合には議決し、先生方に提出し実現に向けて活動します。

今、議長団の一人として実現したいことは、私たち生徒の手でSNSを使い、部活動など学校生活の様子を動画で紹介し、より多くの人たちに桐朋女子の良さを知ってもらうことです。

Y・Mさん
これまで以上に生徒の声を多彩な視点から取り上げられるように、議題徴収のほかに「意見ボックス」を校内に設置したいと考えています。また、生徒会の議会と執行部の位置づけをさらに明確にして生徒とのつながりを強くし、ニーズに応えていけたらと思っています。

「自主規制」は
生徒の自主性が尊重されている証

――そのほかの桐朋女子ならではの取り組みは何ですか?

U・Hさん
桐朋女子には古くから「自主規制」の伝統があります。たとえば、学校には服装規定があります。その規定があるうえで、生徒全員で自ら決めたルール、それが「自主規制」です。

私たちが中2の時に、制服をマイナーチェンジすることになりました。その際、セーターやベストのデザインや色について、議会を通じて全校生徒にアンケートを行いました。そうして、生徒の意見を吸い上げ、新しいセーターやベストが決定し、「自主規制」にも盛り込まれることになりました。こうした「自主規制」には「自分たちで決めたルールだから必ず守ろう」という意識が働いています。

Y・Mさん
桐朋女子には『学校生活の手引』という冊子があります。ここには、セーターや靴下などの「自主規制」のきまりが記されています。制服のマイナーチェンジによって、このページの文章を修正する必要が出てきました。そこで議長団が文案を検討し議会で審議し、生徒総会に諮り、全校生徒の承認を得ました。その文章が2019年度版の『学校生活の手引』に記載されています。このように学校では生徒の自主・自立が尊重され、生徒が積極的に考え、行動できる環境があります。

――議会の活動を通して学んだことや得たことは何ですか?

U・Hさん
議長として人に伝わるように、わかりやすく話すことの大切さに気づきました。どのような言い方をすれば、みんなの心に訴えることができるのかを学んでいます。

Y・Mさん
大きな自信を得ることができました。たとえば、私は立会演説会で全校生徒の前で話をしました。すると授業で発表する時に「あんなに大勢の前で意見を言えるのだから大丈夫」と思えるようになったのです。今後も経験を積み重ねてステップアップしていきたいと考えています。

U・Hさんは中1で議会委員になり、中3で中学議会の議長に、高1で高校議会の副議長に就任しました。Y・Mさんは中2で中学議会の書記になり、高1でも書記を務めて現在に至ります。U・Hさんは中1で議会委員になり、中3で中学議会の議長に、高1で高校議会の副議長に就任しました。Y・Mさんは中2で中学議会の書記になり、高1でも書記を務めて現在に至ります。
議会の議長団や執行部の役員の候補者は、選挙の前に立会演説会を行います。議会の議長団や執行部の役員の候補者は、選挙の前に立会演説会を行います。
生徒総会の様子。例年は、執行部の執行部長の招集によって5月に実施され、生徒会の予算案なども議論されます。生徒総会の様子。例年は、執行部の執行部長の招集によって5月に実施され、生徒会の予算案なども議論されます。
「議会の議長は自分の意志だけでは何もできません。大勢の人たちの協力があってこそ、生徒の声を学校生活に反映させることができるのです」(U・Hさん)
「議会の活動を終えるたびに達成感で満たされ、自分が一歩成長できたのではないかと感じます」(Y・Mさん)
『学校生活の手引』の文章の見直しに向けて、高校議会が生徒に配布したシート(写真右)など。シートには「生徒のみなさんの意見を参考に活動したいので、変更したい点とその理由を書いてください」と記されています。『学校生活の手引』の文章の見直しに向けて、高校議会が生徒に配布したシート(写真右)など。シートには「生徒のみなさんの意見を参考に活動したいので、変更したい点とその理由を書いてください」と記されています。
議会の発案で、ラオスの貧しい子どもたちへ衣服を送るため、生徒に呼びかけて運動着を集めました。そのほかにも、同校の生徒向けに通学時のマナーを守るための動画も制作しています。議会の発案で、ラオスの貧しい子どもたちへ衣服を送るため、生徒に呼びかけて運動着を集めました。そのほかにも、同校の生徒向けに通学時のマナーを守るための動画も制作しています。

(この記事は『私立中高進学通信2021年1月号』に掲載しました。)

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