Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト スクールポット中学受験版 - 首都圏版学校情報検索サイト

X フェイスブック

私立中高進学通信

2021年1月号

実践報告 私学の授業

獨協埼玉中学校

豊かな自然を感じて学ぶ
稲作体験と探究学習

コロナ禍でも五感を使った体験授業を続行
何本かの稲を束ね、鎌を使って手で刈り取っていきます。お天気に恵まれながら、楽しんで収穫に汗を流しました。

何本かの稲を束ね、鎌を使って手で刈り取っていきます。
お天気に恵まれながら、楽しんで収穫に汗を流しました。

中1最初の探究学習
学年全員で稲刈り体験

「稲刈りをした生徒たちの喜びようは、こちらの想像以上でした」

 そう話すのは、中1の学年主任である母里経弘先生です。学校に隣接した田んぼで、近隣農家の助けを借りながら中1生が田植えから収穫までを経験する『稲作体験』は、同校が開校して以来、続けてきた探究学習です。田植えや稲の成長の観察など、五感で感じながら行う体験授業は、その後の探究的な活動への原動力となります。

 日本人の主食である米をテーマにすることで、理科や社会科など複数の教科でも米について学ぶ授業を行うなど、中1生が初めて経験する教科横断型学習としての役割も果たしてきました。

 2020年は新型コロナウイルス感染の影響により学校が4月から休校となり、例年、5月に実施してきた中1生による田植えも中止となり、教員が代わりに行いました。登校が始まった後も、例年に比べて稲作に関する体験授業は縮小せざるを得ませんでしたが、稲は立派に育ち、9月には、中1生全員で『稲刈り体験』を行うことができました。

 普段の学校生活では、感染防止のため互いに距離を取り、大声を出すことを控えている生徒たち。みんなで力を合わせて行った稲刈り作業がよほど楽しかったのか、田んぼでは「楽しい!」「もっとやりたい」との声が、あちこちから聞こえました。

休校中は教員が田植えを代行
その様子を動画で配信

 感染などを考えると、一時は米をテーマにした探究学習そのものの実施も危ぶまれたと母里先生は言います。

「『田植え体験ができないなら、稲作体験そのものを、次年度に延期してもいいのでは』との意見も出ましたが、稲作体験は卒業生が中学時代の思い出として挙げることが多い、探究学習の原体験となる取り組みです。だからこそ、中1で行うことに意味があると考え、春の田植えは教員が生徒に代わって行い、秋の稲刈りは感染防止策を取ったうえで生徒が体験するという見通しを立てました」

 5月に中1の担任教員が、近隣農家の助けを借りて田植えを行った様子をオンライン授業動画と一緒に配信し、登校が始まってからも「獨協埼玉の田んぼだよ」「みんなの稲だからね」と、ことあるごとに話し続け、稲の花の観察会も数回にわたって行うなど、できる限り稲作に触れる機会をつくってきました。稲刈りの後は、農家の協力で精米してもらった白米を家庭科室で炊いて、おむすびを作って味わったほか、わらを利用したクリスマスリース作りも体験しました。

デジタル化も相まって
深い学びに転換

 コロナ禍で縮小した体験授業に代わって、今回、新たに行われたのが、デジタルを活用した学びです。今年度から1人1台配付しているChromebookを使って、夏休みには、生徒一人ひとりが『お米なんでもレポート』を作成し、10月にはこのレポートをもとにスライドを作って、授業内でプレゼンテーション・コンテストも行いました。

 生徒たちは発表を通してお米について詳しくなっただけでなく、キーボード入力やパソコンの操作も自然と身についたそうです。

「デジタル化が進んでも、本物の体験に勝るものはありません。ICTツールを活用した探究学習にも力を入れていますが、豊かな自然を誇る広いキャンパスでのびのびと過ごせる学校生活も、本校の魅力だと思います。これからも稲作体験を続けていく予定です」(入試対策部/酒井直樹先生)

Step 1
五感を使い作物の成長を感じる
「稲の観察会」

 学校が再開された6月になると、田んぼの管理をサポートしてくださる地域の農家の皆さんと教員たちが植えた苗は、すっかり成長していました。

 生徒たちは放課後の時間などを使って、少人数のグループで稲を観察。8月には稲穂が出て、花が咲く様子も記録できました。

バケツに苗を植えて育てる「バケツ稲」も作り、こちらは校舎で栽培。バケツに苗を植えて育てる「バケツ稲」も作り、こちらは校舎で栽培。

Step 2
友達や教員、農家の方と力を合わせて
「稲刈り体験」

 稲の花が咲いてから約1カ月後、9月17日に中1生が総出で手作業による稲刈りにチャレンジ。稲刈りは教員の指導で、鎌を使って一反(300坪)の田んぼに立派に実った稲を収穫しました。

 稲は地域の農家の皆さんが干して脱穀し、精米してくれます。生徒たちは家庭科室を使って、おむすびにして食べる体験もしました。

Step 3
米について多面的に調べ学習
「秋にはプレゼン大会を開催」

 夏休みの課題として、米をテーマに『お米なんでもレポート』を作成した生徒たち。夏休み明けの授業では、全員がパソコンを使って、スライドを作成してプレゼンテーションしました。生徒の選んだテーマは「お米の品種」「お米と化粧」「遺伝子組み換え」「お米の美味しい炊き方」などさまざまです。

 生徒が主体となって、発表を相互評価し、クラス代表を決定。代表が学年全員の前でプレゼンテーションしました。互いの発表を熱心に見聞きするうち、自ずと米について詳しくなっていきます。

(この記事は『私立中高進学通信2021年1月号』に掲載しました。)

獨協埼玉中学校  

〒343-0037 埼玉県越谷市恩間新田寺前316
TEL:048-977-5441

進学通信掲載情報

進学通信 2021年1月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ