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私立中高進学通信

2023年9月号

実験大好き!

ドルトン東京学園中等部

生徒が主体的にデザインする、一人ひとりの実験

『サイエンス・ラボラトリー』の各実験室には、可動式のウォールドアを採用。このドアを開放して1つのフロアが創り出せる設計により、教科や学年の垣根を越えた学習が実現されています。

『サイエンス・ラボラトリー』の各実験室には、可動式のウォールドアを採用。
このドアを開放して1つのフロアが創り出せる設計により、教科や学年の垣根を越えた学習が実現されています。

「自由」「協働」を軸に、「主体的に学び、探究・挑戦し続ける姿勢」を育む同校。2022年9月より稼働するSTEAM棟での理科授業を取材しました。

各教科の単元やテーマごとに用意される『アサインメントシート』。学習の目的や到達目標、学習の方法と手順などが示され、生徒は何をどのように学べばいいかを把握できます。各教科の単元やテーマごとに用意される『アサインメントシート』。学習の目的や到達目標、学習の方法と手順などが示され、生徒は何をどのように学べばいいかを把握できます。

「もしかしたら、ダンゴムシは水分ではなくて、塩分を好んでいるのかもしれない。それはどんな実験で確かめられるかな」。そんな仮説を立てながら実験を続けている中3生の向こうで、生物室のモニターに1匹のミジンコを大きく映し出し、ほかの中3生たちが熱心に観察を続けています。

 同校の『STEAM棟』3階にある『サイエンス・ラボラトリー』は、骨格や鉱物の標本などが自由に手にとれるスペースを中心として、生物室や物理室、大学レベルの設備をもつ化学室や講義室が放射状にレイアウトされています。各部屋はガラス張りでお互いの様子がよく見えます。物理室ではほかの中3生が発表を行い、化学室では高2生が化学の実験を行っているなど、異学年が同じフロアで各々の学びに取り組んでいます。理科主任の和田達典先生にお話を聞きました。

「中学の理科は、半期で1つのプロジェクトに取り組みます。その特徴は、生徒が自分でプロジェクトを立て、自分のペースで取り組むこと。そして生徒のやりたいことを認め、それができる環境を整えているところです」

 取材日は、中学生が理科のプロジェクトに取り組んでいました。

「現在、『生き物』『ものづくり』『住』という3つのプロジェクトが進行しています。個人またはグループでプロジェクトを選び、自分で問いをつくり、仮説を立て、それを実証するための実験をデザインしていきます。『生き物』のプロジェクトであれば、例えばあるグループは、ミジンコの光に集まる習性は光の波長に影響されるのか、ということをスペクトロメータを使って実験しています。また別のグループでは、ミジンコを培養して食用にできるかを検証するために、分光光度計やHPLCを使ってミジンコに含まれる成分を調べる実験をしたりしています」

 中3生たちはこのプロジェクトを今年の4月から始めました。和田先生は初めに2時間ほどかけて生徒にプロジェクトの仕組みや、問いを立てるテクニックを教え、テーマが決まった生徒には探究学習のねらいや流れなどを記した『アサインメントシート』を手渡しました。実験結果は最終的にポスターにまとめ、発表します。

「中3生の中間発表会は中1生が聞きにきます。上級生の発表に中1生たちは大いに触発されることでしょう」(和田先生)

「生き物」「ものづくり」「住」(中3・理科)

 中3生を各自の興味・関心に合わせて3つのグループに分け、問いと仮説を証明するための実験を自分たちで考え、実践します。

生き物
「ミジンコは温度で運動能力が変わるのか?」

「ミジンコは温度で運動能力が変わるのか?」
ミジンコをモニターに拡大表示し、身体構造や心拍数を調査しています。

「ダンゴムシの好きなチーズは?」
ダンゴムシがチーズを好むと知った2人は、3種のチーズのうち、
どれに群がるかを塩分や水分に着目しながら実験しています。

「アリはどのように餌を判断するのか?」
校舎の外のドルトンの森で食塩、砂糖、クエン酸を並べアリの行動を観察します。


ものづくり

過去の発明品をヒントにして人を幸せにする商品を開発
「こうしたら誰かが喜ぶ」をキーワードに商品開発に挑戦。まず、一人ひとりがダンボールやネジなど、
過去の発明品がどのような課題を解決したかを調べて発表しました。


防音や音響効果などの条件を全て満たす防音室はつくれるのか?
「楽器を家で練習するにあたり、防音や音響効果などの条件を全て満たす防音室をつくることはできるのか?」
などの問いを立てて、実験方法を考えます。

理科の実験での学びは
他教科にも応用できます

 チェダーチーズ、モッツァレラチーズ、パルメチザンチーズの3種類のうち、どれにダンゴムシが群がるのかを実験しています。自分で問いをつくり、仮説を立てて、どういう手順で実験をすれば結果が導き出せるのか。理科の実験で学んだ技法は、他教科の学習にも応用できることがわかりました。(中3/Sさん)

意見を交わすことで
発見や気づきがあります

 小学校の理科実験では最初から結果がわかっていましたが、今取り組んでいる実験ではどのような結果になるかはわかりません。また、失敗してもどこに原因があったのかを探ることができ、そこに面白さがあります。あと、Sさんと意見を交わしながら実験をすることで、新しい発見や気づきがあります。(中3/Yさん)

実験のプロセスを通して
科学的思考力を育みたい

 本校の理科では、どの生徒もみんな楽しそうに手を動かしています。放課後に『サイエンス・ラボラトリー』を訪れて、実験を続ける生徒もいます。問いはどんな些細なことでもかまいせん。数値化したりほかのデータや条件と比較したりする、実験のプロセスを体験してほしいと思っています。(理科主任/和田達典先生)

進学通信 2023年9月号
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