私立中高進学通信
2024年8月号
校長先生はこんな人!
文化学園大学杉並中学校
1つのキャンパスでカナダと日本の
2つの言語と文化を学ぶことができる
ダブルディプロマで将来を見据える
青井 静男 (あおい・しずお)校長先生
経済学部卒業後、ホテルマン、飲食業、旅行会社を経て文学部に編入。
卒業後は企業研修会社に就職。
1985(昭和60)年に文化女子大学附属杉並高等学校(現・文化学園大学杉並中学・高等学校)に入職。
教頭を務めていた2015(平成27)年、高校に日本初のダブルディプロマコース1期生を迎えた。
2020(令和2)年に副校長就任、2024年に校長就任。「どんな生徒でも英語力を伸ばす」をモットーとしている。
海外で働く夢を抱き
さまざまな職業を経験
私が育ったのは東京の府中市で、家のすぐ裏に米空軍のヘッドクォーター(司令部)がありました。日本はまだ高度経済成長期の前で、アメリカの物資の豊かさを肌で感じ、いつか海外で暮らしたいと思いながら育ちました。それから海外と接点のある職業をめざし、大学卒業後は大手ホテルに就職。そのホテルは世界中に拠点を有していたのですが、社内の競争率が高く、もっと早く海外で働ける会社を探しました。海外にチェーン展開をする飲食店や旅行会社などの職を経験しましたが、思うところがあり、大学に入り直すことにしました。すでに経済学部を卒業していたので、今度は文学部に学士編入し、卒業後は企業研修を請け負う会社に就職しました。仕事はとても面白かったのですが、忙しくて帰宅もままなりませんでした。その頃ちょうど結婚したこともあり、落ち着いてできる仕事を模索し、学習塾を開くことを思い立ちました。
塾の経営者になる前に、自分でも教員を経験しておこうと本校を訪れたところ、当時の校長が、「生徒に数多くの海外経験を積ませるような学校にしたい」とおっしゃっていて、ホテルマンや旅行会社の添乗員といった私の経歴が面白いと採用になりました。それが今から40年前のことです。
大学進学の選択肢が広がる
ダブルディプロマコース
本校に入職した私は、校長がやりたいことをやらせてくれたこともあり、生徒をいろいろな国に連れて行きました。グローバル化を見据えて英語コースや特進コースを設置して、将来海外で活躍できる生徒の育成に尽力してきました。
そして、2014(平成26)年には、日本の文部科学省とカナダのBC(ブリティッシュ・コロンビア)州教育省の両方から承認を受け、「ダブルディプロマコース」(DD)を高校に設置、2015年度から第1期生を受け入れました。
ダブルディプロマコースは、日本の教育課程とともにカナダBC州のカリキュラムを提供する取り組みで、一つのキャンパスで日本の文化学園大学杉並高等学校と、カナダのBC州政府のBunka Suginami Canadian International Schoolの両方に在籍することになる画期的な学び方です。
本コースの特長は、日本の中等教育を受けながら英語で学ぶ機会が多く、高い英語力を養えることです。現地の文化を肌で感じられるイベントもあり、決して英語だけを学ぶコースではないこともメリットです。卒業時にはカナダBC州と日本の両方のディプロマ(卒業資格)を取得でき、日本を含め世界中の大学へと進学の選択肢が広がります。
ダブルディプロマコースを設置した当時は、国際バカロレア(IB)が日本で注目され始めた頃で、IBとダブルディプロマのどちらを採用するか迷いました。そのなかで、カナダは移民を受け入れている国であり、英語が母国語ではない人でも英語を話せるようにするプログラムがきちんと整っていることが、決め手となりました。
「このままではいけない」
世界で活躍する人を育てたい
日本で初めてダブルディプロマコースを設置した当時、わが国の経済力が衰退していくのを憂い、「このままではいけない」という切迫した思いを抱きました。例えば、国際会議で英語を駆使して建設的な話し合いをできるような人材が必要です。単に英語を話せるだけではなく、欧米の文化に精通したうえで、世界の人々と対等に仕事ができる人物が必要なのです。そのためには言語だけではなく、現地の文化も学ぶことができるダブルディプロマが有効になります。
現在は中1からカナダのカリキュラムが学べます。そのせいか、中3修了時までに約半数の生徒が英検2級を取得しており、中学入学時は英語初心者でも、卒業時にはバイリンガルのように話せる生徒が多くいます。本校にはカナダの教員17名を含めた28名のネイティブスピーカーが在籍しており、当たり前のようにネイティブと会話する機会を設けています。2023年度は卒業生43名のうち、海外大学の合格者は36名。カナダのトロント大学に3名、ブリティッシュコロンビア大学に4名の合格者が出ました。また、国内の大学ではICUに6名、早稲田に4名、上智に5名が帰国生入試で合格しました。
保護者の方々にお伝えしたいのは、お子さんの視野を広げてほしいということです。ニュースなどに触れたりして世界情勢を知っている人に育つとグローバル化の大切さが理解でき、自ずと英語にも興味が出てくるはずです。本校にしかない英語環境が、お子さんの可能性を大きく広げます。

[沿革]
1926(大正15)年、城右高等女学校として設立される。1974(昭和49)年度から文化女子大学(現・文化学園大学)の附属校となり、文化女子大学附属杉並中学・高等学校となる。1999(平成11)年に新校舎が完成。2011年、大学の校名変更に伴い文化学園大学杉並中学・高等学校に校名変更。2015年からカナダBC(ブリティッシュ・コロンビア)州の卒業資格が取得でき、海外の大学入学資格につながる教育プログラム「ダブルディプロマ」の1期生を高校に迎え、日本初のダブルディプロマコース(DD)がスタート。2018年度入学生より男女共学となる。2022(令和4)年BSCIS(※)・中学のダブルディプロマコース開校。現在、中学は英語レベルでクラス分けを行い、DD7、Advanced7(BSCISのカナダ教員主導の英語授業)、Starter7(ネイティブ教員主導の英語授業)、高校はダブルディプロマコースと、特進コース、進学コース(共に2年次から文理選択)に分かれている。
※BSCIS…Bunka Suginami Canadian International Schoolの略。
(この記事は『私立中高進学通信2024年8月号』に掲載しました。)
文化学園大学杉並中学校
〒166-0004 東京都杉並区阿佐谷南3-48-16
TEL:03-3392-6636
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