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私立中高進学通信

2023年12月号

私学だからできるオリジナル教育

森村学園中等部

“プログラミングの光と闇”を学ぶ
デジタル・シチズンシップ教育

マイクロソフト認定教育イノベーター(※1)の資格をもつ教職員が5名在籍する同校。情報モラルやデジタル時代の倫理観の育成を包括する、先進的なICT教育を展開しています。
中1『情報』の授業の様子の写真です

中1『情報』の授業の様子。HTML、CSSのほか、Pythonなどのプログラミング言語も習得します。

※1 マイクロソフト認定教育イノベーター…ICT活用に取り組む教育者を支援するマイクロソフト社のプログラムを受講した後、教育現場で新しい学びを実践し、同社に認定されると得られる資格。『MIEE』と略される。

デジタル時代の倫理観を
育成する『情報』の授業

 建学の精神『独立自営』を土台に、自ら挑戦・活躍・貢献する人材を育てる教育プロジェクト『イノベーションマインド』を推進する森村学園。マイクロソフト認定教育イノベーターに認定された教員が担当するICT教育もそのひとつ。社会に向き合いながら課題解決スキルを養う次世代の学びを提供しています。

 同校では中1から週1コマの『情報』の授業を実践しています。

「『情報』の授業では、スキルを習得するだけではありません。デジタル社会で被害者にも加害者にもならないために、情報技術を利用するうえで必要な責任ある行動規範を学ぶ『デジタル・シチズンシップ教育』も実践し、課題解決をするための論理的思考力の育成も大切にしています」

 と、ICT教育推進部部長・情報科の髙田昌輝先生は話します。髙田先生が担当する、中1の『情報』の授業を取材しました。

 今回のテーマは『プログラミングの利便性について考える』。生徒たちはまず、『プログラミングをなぜ学ぶのか』という問いについて話し合いました。「サラリーマンになるのであれば必要ないのでは」という意見が出るなかで、髙田先生は次のように答えます。

「PCやスマートフォンなど、プログラミングは生活を豊かにするために、さまざまなところで使われています。
 大切なのは、プログラミングの“システム化・効率化する”という思考は、課題解決の手順だと理解することです。皆さんが人生で遭遇するであろう、さまざまな課題の解決手法として、今から学んでほしいと思います」

プログラミングのメリット
と脅威を体験的に学ぶ

 プログラミングを学ぶ意味・意義を共有したうえで、今回の授業では『教育版マインクラフト』を使って、『プログラミングの光と闇』を考えていきます。

 生徒たちは先生の指示に従い、各自の2in1PC(※2)でコードを書きます。プログラムを実行させると羊が1匹現れ、そのプログラムを少し変えると羊が20匹に増えます。別の操作をすると羊がネコに変わりました。プログラミングの世界では、一瞬にして何かを作り、限りなくコピーすることが可能であることを生徒たちは改めて認識します。

「この利便性が光の部分です。では闇の部分を考えてみよう」

 髙田先生は積み上げたブロックを一瞬にして破壊するという操作を行い、再び生徒たちに語りかけます。

「コードを3行書いただけで破壊できてしまうのです。つまり、ひとつの信号を出すだけで皆さんの端末を止めることもできます。これが、プログラミングを使ううえで理解しておいてほしい点です。
 ナイフやのこぎりと同様、生活を豊かにするために作られたものであっても、ダークサイドに傾いた時には人を傷つけるものになってしまう。光と闇を理解し、正しく使ってほしいと思います」

 先生からのメッセージをしっかり受け止めた生徒たち。次回の授業では、『教育版マインクラフト』を用いたグループワークで課題解決に取り組みます。

「4~5名のグループでテーマを決めて、建物や施設を作っていきます。制作中に生まれる課題を協働して解決し、効率的な建設方法を考える体験は、社会に出て必要となる力を育みます。プログラミング授業を通して、そんな力を育てていきたいです」

※2 2in1PC…キーボード付きノートパソコンだが、タブレットにも変形できる端末のこと。

マインクラフトに親しんできた生徒が、ほかの生徒に教える場面の写真ですマインクラフトに親しんできた生徒が、ほかの生徒に教える場面も。「対話することでグループワークがより活発化しやすいと考え、『教育版マインクラフト』を教材として取り入れました」と髙田先生。
タイピング練習の様子の写真です授業の冒頭では毎回2分間のタイピング練習を実施。結果はスクリーンショットで残します。「振り返った時に自分の成長がわかるよう、結果を記録し、蓄積することが大切」と髙田先生。
「なぜプログラミングを学ぶのか」について話し合う生徒たちの写真です「なぜプログラミングを学ぶのか」について話し合う生徒たち。「将来IT系に進みたいから」「じゃあIT系以外の人は必要ない?」など、さまざまな意見が飛び交います。
ワークシートに今日感じたことや感想を記入している生徒の写真です最後にワークシートに今日感じたことや感想を記入・撮影して、Microsoft Teamsのクラスノートブックに貼り付け、クラス全員で共有します。
生徒インタビュー
プログラミングの光と闇を実感
インタビューを受けるWさんの写真ですWさん(中1)

 マインクラフトは以前からプレイしていましたが、プログラミングでの繰り返し処理は授業で初めて使いました。ブロックを一瞬でたくさん積めるのはすごいなと思うと同時に、怖い部分でもあると実感しました。

 プログラミングは小学生の頃から好きで、自分で数式を作ったりしていましたし、今は効率よくスケジュールを立てるために使っています。将来は薬学部に進んで薬の研究開発をするのが夢です。プログラミング的な知識を必要とする分野なので、今後もしっかり学んでいきたいです。


プレー分析にプログラミングを活用したい
インタビューを受けるSさんの写真ですSさん(中1)

 マインクラフトを使ったのは初めてでしたが、ゲーム感覚で楽しく学ぶことができました。プログラミングの光と闇の話も、例えがわかりやすくて理解しやすかったです。プログラミングは小学校から学んでいますが、中学ではより高度なことが学べるので今後が楽しみです。光と闇の部分を知ったうえで、光の部分を活用して、しっかり学んでいきたいです。

 僕はテニスプレーヤーになるのが夢なのですが、今後は自分のプレーの分析にもプログラミングを使いたいなと思っています。

先生から一言
プログラミングの授業で伸ばす
課題解決力と協働する力

 マイクロソフト認定教育イノベーターの資格をもつ髙田昌輝先生。デジタル・シチズンシップ教育を行うとともに、課題解決力、協働する力も育んでいきたいと話します。

「今後はグループワークを取り入れ、協働する体験をしてもらいます。そこで学んでほしいのは、メンバー全員にとっての“最適解”を見つけるコミュニケーション力であり、合理的に思考して課題を解決していく力です。グループで取り組むことで互いをロールモデルとし、自分を律することを学んだり、異なるものの見方に刺激を受けたりできるよう、授業デザインをしていきます。

進学通信 2023年12月号
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