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私立中高進学通信

2023年12月号

探究の花が咲く

八王子学園八王子中学校

全体発表会でのプレゼンで
大きな反響を得られて自信につながりました

探究ゼミのプレゼンを通じて大きな自信を得たというTさん(中3)。
探究のテーマをきっかけに、理系大学への進学の道も視野に入ってきたといいます。

探究ゼミで「人間以外にも音楽は効果を発揮するのか?」というテーマに取り組み、全体発表会で披露したTさん。探究活動について、Tさんと担当の先生にお話を伺いました。

豆苗にクラシック音楽を
聴かせたら?
インタビューに応えるTさんの写真です好奇心旺盛で、明るい雰囲気のTさん。インタビューにもハキハキと答えてくれました。

 現在中3のTさんは、中2後期の探究ゼミで、「人間以外にも音楽は効果を発揮するのか?」をテーマに研究を進め、全体発表会でのプレゼンテーションで高い評価を得ました。

 同校の探究学習は、前期は学年ごとに探究のスキルを学び、後期は中1から中3までの混合で、テーマごとに探究ゼミを選び、個人探究を進めていきます。

「探究ゼミは、ゼミごとにテーマが異なります。私は音研ゼミで、『音』が探究テーマでした。人間は音楽を聴くと癒されると言いますが、では植物が音楽を聴いたらどうなるのでしょう。その点に疑問をもち、調べてみることにしました」(Tさん)

 音楽を聴かせる植物として、Tさんは「豆苗」を選択。音楽の影響を測るため、光や温度などの条件を一定にする必要があったので、発芽するのが早く、暗い場所でも育つ豆苗を使うことにしました。

 実験にあたっては、まず2パックの豆苗を用意し、それぞれ真っ暗なクローゼットに置きました。片方には1日中クラシック音楽を聴かせて、もう一方は無音の中で育てました。この実験を1週間続けたところ、「音楽を聴かせたほうがより成長する」という結果が得られました。

「完全な無音状態を作るのは少し難しかったのですが、それ以外は順調に観察できました。記録した豆苗の長さをグラフで表すと伝わりやすいと考えたのですが、どんなグラフを作ったらいいか悩んでしまったので、刑部先生に相談しました」(Tさん)

「どう表したらわかりやすく伝えられるのか、私もTさんと一緒に考え、アドバイスをしながら探究を進めていきました」

 そう話すのは、国語科の刑部真生先生です。吹奏楽部の顧問で、探究ゼミでは「音研」を担当しています。

「生徒たちは、自分の力で頑張ろうと努力していますが、途中で行き詰まったり悩んでしまった時には、私たち教員が相談にのっています。教員も生徒と一緒に探究に取り組む姿勢でいます」(刑部先生)

苦手を克服し
全体発表会でプレゼン

 Tさんは、記録したデータを基に作成したグラフや撮影した写真などをスライドにまとめ、探究ゼミ内で発表し、1位となりました。そしてその結果、中1~中3が合同で行う全体発表会でプレゼンを行うことになったのです。

「実は、人前で発表することに苦手意識があったんです。そのため全体発表会の前に、友達につき合ってもらって発表の練習をしました。どの順番で話せばわかりやすいかといったことも、友達の意見を聞きながら、いろいろと検討しました」(Tさん)

 また、Tさんは「全体発表会に向けて条件を整えて調べ直そう」と考え、実験をもう一度行いました。

「2回目の実験では、豆苗の成長の差が約10㎝を記録して、前回よりも良いデータが取れました」(Tさん)

 実験を再検証して新たなデータを得たTさんは、その実験結果を用いて全体発表会に臨みました。  

「全体発表会は中学の全生徒の前でプレゼンを行うので、ゼミ発表以上に緊張しました。自分が伝えたいことを限られた時間内でうまく伝えられるかという不安もありましたが、今回の実験結果をみんなに伝えたい気持ちが強く、夢中で発表しました。プレゼンが始まると、発表に対する会場の反応は予想以上で、実験に使った豆苗を見せると、みんな『おおっ!』と驚いてくれました。大きな反響を得られてとてもうれしかったし、自信にもなりました」(Tさん)

探究ゼミの経験を通して
理系大学も視野に

 もともと「理科の実験は好きだった」というTさんですが、探究ゼミを通じて、それまで以上に「実験が楽しい」と感じるようになったと言います。

「今回はクラシック音楽を豆苗に聴かせましたが、『じゃあ、ロックを聴かせたらどうなるだろう?』『別の植物に変えたら、結果が変わるのだろうか?』というように、どんどん新しい疑問や興味がわいてくるところは楽しいと思います。また機会があったら、新しい実験を試してみたいです」

 そう話しながら、Tさんは目を輝かせます。

「実験を通じて思ったのですが、音楽を使って農作物の収穫量を増やすことができるかもしれませんよね。今回私が挑戦した実験は、将来日本の農業の発展につながるかもしれないし、食糧事情に貢献することもできるかもしれません。そんなことを考えながら実験していたら、すごくワクワクしました」

 そんなTさんは、「将来、大学に進学していろいろな実験をしてみるのも面白そう」と考え、理系大学への進学も視野に入れて考え始めているといいます。

 そんなTさんは、中3後期の探究ゼミで、また新たなテーマに取り組む予定です。

「私は好きなことがたくさんあるので、前回はテーマを決めるまでに時間がかかってしまい、実験する時間があまりとれませんでした。ですから今回は早めにテーマを決めて、もっと深く探究したいと思っています」(Tさん)

 そんなTさんの探究への取り組み姿勢を、刑部先生は頼もしく感じていると言います。

「好きなことがたくさんあるのは、とても素晴らしいことです。Tさんは自分で工夫しながら探究をどう組み立てるかを考えることができています。今後も発表のスキルなどを磨いて、プレゼン力をさらに高めていってほしいですね」(刑部先生)

全体発表会でプレゼンを行なっているTさんの写真です全体発表会でプレゼンを行ったTさん。実験に使用した豆苗を見せると、「おおっ!」と歓声が起こったといいます。
左は音楽を聴かせた豆苗、右は聴かせなかった豆苗の写真です左は音楽を聴かせた豆苗、右は聴かせなかった豆苗。両者の成長度合いの差は一目瞭然です。
国語科の刑部真生先生(左)とTさんの写真です国語科の刑部真生先生(左)とTさん。刑部先生は吹奏楽部の顧問を務めており、探究ゼミでは音楽などをテーマに扱う「音研」を担当しています。
私の探究「人間以外にも音楽は効果を発揮するのか?」
探究の軌跡

中1

前期は「八王子について」学年で探究し、基礎を学ぶ。理科の実験が好きで、積極的に取り組む。

中2

前期は、研修旅行で訪れる「京都・奈良」を探究。後期探究ゼミで「人間以外にも音楽は効果を発揮するのか?」をテーマに研究。ゼミ内発表が高く評価され、全体発表会でプレゼンを行うことに。

中3

前期は、語学研修に訪れる「オーストラリア」を学年で探究。後期探究ゼミで、新たなテーマに挑む。理系大学への進学を視野に勉強中。

どんな探究でしたか?

 中2の探究ゼミで「音の研究」のテーマに触発され、「植物に音楽を聴かせたら、成長に影響するのか?」という疑問をテーマに決定。まず2パックの豆苗を用意。1パックずつ別々のクローゼットに入れて、片方には一日中CDでクラシック音楽を聴かせ、もう片方は何も音を聴かせずに育てた。1週間、毎日同じ時間に水を換え、豆苗の長さを測って記録した。探究ゼミ内で発表後、再度実験を行い、全体発表会でプレゼンを行った。

進学通信 2023年12月号
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