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私立中高進学通信

2023年12月号

実践報告 私学の授業

品川翔英中学校

社会と直接つながり視野を広げる
『Learner’s Time』を展開

新たな価値を創造し、自主的に未来を切り拓く力を育てる

あらゆることを自分ごととして捉え、楽しみながら自立して学び続けることができる『LEARNER』の育成に力を注ぐ同校。独自に実践するプログラム『Learner’s Time』を取材しました。

多彩な探究学習を通じて
主体的で自立した学習者を育てる
探究学習担当 田代雄哉先生

『自立した学習者(LEARNER)の育成』を教育理念に掲げる品川翔英。主体性・創造性・協働力の育成をめざし、週6時間の授業時間を使って、探究学習を中心とした独自カリキュラム『Learnerʼs Time』を展開しています。

『Learnerʼs Time』では広く社会に視野を向け、教科の枠組みにとらわれない教育を実践しています。生徒が自ら課題を設定して行う『個人探究』を中心に、将来の生き方を考えるキャリア教育や、社会と直接つながる近隣地域のフィールドワークなどの探究プログラムに加え、中高の学年を越えた縦割りの取り組みなども行い、生徒一人ひとりが希望する未来を実現する力を身につけていきます。

「近隣地域でインタビューをし、『どのような人が品川にいるのか』を調査するなど、実社会に触れる機会を多く設けています。生徒たちはそこから興味・関心の幅を広げ、各自がテーマ設定をして探究活動を行い、“自分の未来をどう描きたいのか”について徹底的に向き合っていきます。
 外部から招いたゲストによる講演やワークショップも行い、プレゼンテーションなどでの発信力を鍛えるトレーニングも段階的に重ねていきます」(探究学習担当/田代雄哉先生)

個々の探究テーマに合わせ
自ら計画する修学旅行を予定

『Learnerʼs Time』での探究の成果は、中間発表、校内発表会にて全員がプレゼンテーションを行いますが、こうした発表会も生徒主体で企画・運営されています。

 このように主体性を養う活動が多くある同校ですが、今後は全員参加する中3の研修旅行についても、生徒自身が行き先や行程を考えて実施する予定です。

「より広い世界をフィールドに学ぶ機会をつくるため研修旅行についても、『この研究者に話を聞きに行きたい』『実際に足を運んで自分の目で確かめたい』というように、生徒一人ひとりがそれぞれの課題に合わせて行き先と目的を決め、自ら日程を組んで実施していきたいと考えています。
 こうした豊かな経験を積み重ねることは、総合型選抜の大学入試においてもアドバンテージとなるはずです。これからも学力向上だけではなく、社会と直接つながれるような教育活動を実践し、生徒が自律的に学ぶ力を育てていきたいと思います」

授業シーン1
2コマある授業の前半、中3の教室ではグループごとにテーマ学習に取り組んでいました。壁やドアがない教室は、クラスや学年に縛られない自由な雰囲気が感じられます。
メンターの教室にて英語でやりとりが行われている様子の写真です授業シーン2
後半はメンターの教室に移動。ネイティブ教員がメンターを担う教室では、ほぼ英語でやり取りが行われています。
ガイダンスを受講している様子の写真です授業シーン3
取材した日、中1・中2は『個人探究』を進めるうえでのポイントを詳細に学ぶガイダンスを受講。探究学習担当教員が作成した動画を用いて、探究活動の流れを確認していきます。
『Learner’s Time』の後半の様子の写真です授業シーン4
『Learner’s Time』の後半は、中高の生徒が縦割りで文化祭に向けた準備に取り組んでいました。AIとの共存を考えるきっかけとして『Chat GPT』を使って制作した演劇に取り組む生徒たちもいました。
文化祭企画としてプラネタリウムを実施するために、電子黒板を活用して打ち合わせをする生徒たちの様子の写真です授業シーン5
文化祭企画としてプラネタリウムを実施するために、電子黒板を活用して打ち合わせをする生徒たち。
生徒に聞きました
自ら課題を設定し『個人探究』を実践
Iさんの写真ですIさん(中3)

 コツコツと調査に取り組むIさん(中3)に話を聞きました。

「中2から棚田の現状と課題に取り組んでいます。きっかけは、学校での田植え体験です。米作りが存続の危機にあると知り、『日本のお米の生産はどうなってしまうのだろう?』と関心をもちました。
 調べを進めるほど新しい疑問が湧いてきて、自分なりの解決策を見い出すまで時間はかかりますが、常に“自分にできることは何か”を考えながら取り組んでいます。これからも社会の課題を自分ごととして捉え、探究を続けていきたいと思います」

ココも注目!
『メンター制度』で伸ばす個性と学ぶ力

 学級担任制ではなく、『メンター制』を採用していることも同校の大きな特徴です。『メンター』とは、生徒の学習に伴走し、生徒や保護者とコミュニケーションをとりながら学習相談や悩みごとにも対応する役割を担う存在で、メンターとなる教員を生徒自身が選ぶというところに大きな特徴があります。

 メンターは朝のホームルームやロングホームルーム、面談なども担当。探究活動においても、メンター制度が活用されています。

 探究活動や学校生活について、中2のWさんとWさんのメンターである結城良亮先生に話を聞きました。

メンターのアドバイスを活かして興味ある分野を探究
さんの写真ですWさん/中2

『Learner’s Time』の取り組みで印象に残っているのは、品川区のフィールドワークです。普段接することのない学校近隣の人たちから話を聞くことができ、新たな視点で地域を見られるようになりました。現在、『Learner’s Time』では、数学好きを活かしてマーケティングをテーマに個人探究を行っています。

 メンターの結城先生は、個人探究や学校生活について、親身になって的確なアドバイスしてくれる、とても頼りになる先生です。模擬試験の分析もしてくれて、勉強の仕方の指針にもなりました。

この学校にはバラエティに富んだ部活動や同好会がありますが、僕は新しく登山部を創部したいと考えています。自由度が高く、いろいろなことに挑戦できるのもこの学校のいいところです。

先生に聞きました!
将来への夢を見つけるきっかけに
結城良亮先生の写真です結城良亮先生

 Wさんは好奇心が旺盛で考えて行動できる力があり、探究学習でも流されずに自分の軸をしっかり保って自分と社会との関わりを考えています。取り組みにも成長が見られ、これからも楽しみです。

 探究学習を通して自分の興味・関心をつきつめ、目的意識をもって自分の進路を考えてほしいと考えています。『Learner’s Time』は楽しいだけでなく、こんなことを仕事にしたい、こんな社会をつくりたいという将来につながる経験となるよう、導いていきたいと思います。

進学通信 2023年12月号
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