私立中高進学通信
2024年7月号
私たち、僕たちが大好きな先生
品川翔英中学校
教育とは
次世代の人へのパス
英語科 Dan Nguyen(ダン・ウィン)先生
アメリカ合衆国の大学で学び、日本に約半年間留学した経験をもつ。
大学を卒業後、栃木県の公立小中学校で教壇に立つ。
その後、横浜市の公立中学校に約11年間勤務する。
その間に、日本の授業の形式や教え方などを学ぶ。
品川翔英中学校・高等学校には、2021年から勤務。
同校で中学生の英語授業を担当するほか、中学英語科主任なども務める。
長年日本に滞在し、英語教育に携わってきたダン・ウィン先生。世界中の人々とコミュニケーションをとることをめざした英語の授業はとても活気があり、テンポよく進みます。英語教育だけでなく、日本人教員と同じように生徒の指導や育成にも尽力し、生徒たちから慕われています。
英語を学び
「世界へ冒険に行く」意識を
――ウィン先生の授業を拝見しましたが、とても活気があって楽しそうでした。先生はどのような経緯で品川翔英の先生になられたのですか?
アメリカの大学に在学中、日本の大学に留学したことがきっかけです。子どもの頃から日本の文化が大好きで、日本語も学びたかったので、大学卒業後、日本の公立校で教員になり、12年間教員生活を送りました。品川翔英に赴任して、今年で3年目になります。
現在は、中学英語科の主任を務め、中1と中3の英語の授業を受け持っています。またメンターとして担任をしています。本校では、授業を受ける先生とは別に、自分を指導する先生(メンター)を生徒が選ぶのです。
本校には13名のネイティブ教員が在籍していますが、全員がメンターを担当するほか、委員会活動などにも関わっています。
英語の授業は多くの学校では、日本人教員とALTが2人1組で授業にあたるケースが多いと思いますが、本校ではネイティブが1人で授業を進めます。また、さまざまな場面でネイティブ教員と日本人教員が互いにサポートし合っています。
私は日本に来て15年になるので、日本語の日常会話は問題ありませんが、たまに特別な単語が出てくると、同僚の先生に教えていただいています。一方で、先生方が忙しくて手が届かない部分は、ネイティブ教員が積極的にサポートします。こうしてみんなで団結して温かい学校をつくっています。
――英語の授業は、どのようなことを目標にしていますか?
私学には、生徒の希望する進路を実現させる務めがあります。英語は入試で大きな役割を果たす教科ですから、しっかり伸ばす必要があります。
ただその一方で、英語は世界へ飛び出すためのスキルであり、ツールであることも重視しています。英語を学ぶことは、他国の文化に接して興味をもち、「世界は広い。さあ冒険に出かけよう」という意識につながります。その時に大切なのは、自分で考える力と、コミュニケーションをとる力です。英語の授業を通して、そのような意識と能力が育ってほしいと思っています。
――英語の授業ではどのような工夫をしていますか?
「5ラウンドシステム」のような手法を採用していて、教科書を5回、切り口を変えて繰り返し学ぶようにしています。1回目はリスニングのみ、2回目はスピーキング、3回目以降にはライティングを加え、理解を深めていきます。また、英語でのコミュニケーションが円滑になるように、会話をする機会も多くとっています。あるテーマに沿って、相手の話をていねいに聞き、自分の考えを話す。その際、できるだけ学んだ文法を使うようにしようとも言っています。中1の頃は2分間話すのに大変苦労していますが、中3では10分間でもスラスラ話せるようになることを目標としています。
――生徒には、どのように英語に取り組んでほしいですか?
全力で取り組んでほしいです。ただ、学びのスタイルは人それぞれ。例えば、私は生徒や同僚との会話を通して日本語を覚えましたが、ほかのネイティブ教員は、毎日少しずつ新しい単語を覚え、日本語を習得しました。自分に合う学びのスタイルを見つけ出してほしいですね。現代は、さまざまなアプリや動画などがあるのでインプットはしやすいですが、その後のアウトプットが重要です。英語で日記をつけてもいいし、英語で友達とおしゃべりしてもいい。英語を使う経験を増やすことが大切です。授業でのアウトプットがなかなかできない生徒もいますが、本校ではその壁を壊せるように工夫しながら、アウトプットの機会をたくさん設けています。
教育とは
次世代の人々へのパス
――生徒と接する際に心がけていることは?
授業中の声かけや日々の挨拶など、生徒と話す機会を多くつくるように心がけています。そして一人ひとりを理解し、仲良くなること。すると、その生徒にはどういうサポートが必要なのかもわかってきます。また、いつもそばにいて、英語についての質問はもちろん、そのほかの相談にも応じることで、信頼できる教員と思ってもらえるようにしています。
「今の私は、生徒のおかげでできている」といっても過言ではないくらい、生徒からたくさんのことを学びました。良い経験もありましたし、つらい経験もありました。授業のスタイルも、さまざまな経験を踏まえて形づくってきました。生徒の情熱やワクワクを手伝いたいし、ご家庭での不安や心の問題を抱える生徒にもしっかり対応していきたいです。
――今後の展望をお聞かせください。
私は教育とは「次の世代の人にさまざまなものをパスする(伝える)こと」と捉え、次世代の人々のために働いている意識をもっています。楽しく学びやすい授業を作ると同時に、進学や英検合格の実績を高めることも目標に据え、本校の英語教育のカリキュラムデザインや将来の計画を作っています。
高校まで学び続ければ、世界中の人々と、自分の意見を加えつつ英語でコミュニケーションがとれること。また、高い人間力をもった人物を育てることも目標です。そうした人物が心と心でコミュニケーションをとれば良い仲間ができるはずで、みんながそういう意識をもてば世界平和にもつながります。本校では、そんな人材を育てていきたいと思っています。
生徒の声
M.A.さん
ウィン先生の授業は、意見を言いやすく、英語での対話の時間も多いので、英語力が身につきました。
I.H.さん
以前の僕は、文法はできたのですが、英語を話すことが苦手でした。授業で話す機会が多いので、スピーキングの力がつきました。世界で通用し、たくさんの人と話せる力もつく授業だと思います。
W.M.さん
先生は面白くて、いつも笑いが絶えません。いろいろな相談もしやすいです。
A.M.さん
グループワークが多く、わからなかった部分を共有して理解できるようになりました。
K.K.さん
絵を描いて説明してくれるところがいいです! 私たちがわかりやすい英語で話してくれます。
I.T.さん
先生は行事にも積極的に参加してくれます。動画を見て関連する単語を学ぶ授業スタイルがわかりやすくて自分に合っていると思います。英語はもちろん、いろいろな国の文化も学べます。
K.Y.さん
ウィン先生は元気いっぱいで、ユーモアにあふれ授業が活発です。授業が段階的に進むので、わからないところは集中的に教えてくれます。
(この記事は『私立中高進学通信2024年7月号』に掲載しました。)
品川翔英中学校
〒140-0015 東京都品川区西大井1-6-13
TEL:03-3774-1151
進学通信掲載情報
PICK UP!!
紹介する学校
- 中高6年間で高度な英語力 入学者増加中の『国際コース』江戸川女子中学校
- 全クラスの英語授業がオールイングリッシュに!サレジアン国際学園世田谷中学校
- 他国で学ぶ体験をインドでも!充実の独自海外プログラム芝浦工業大学附属中学校
- 達成感と大きな成長を得る 全員参加のオーストラリア研修城西大学附属城西中学校
- 英語を聞く・話す・発表する授業で 一生涯“使える英語”を育成トキワ松学園中学校
- 圧倒的な授業時間数で 初心者も英語力が一気に伸長文化学園大学杉並中学校
- 年間計150名の生徒が参加 充実の海外研修プログラム安田学園中学校
- 人と人との関係の中で心を響かせ合い、国際人の素養を培う京華女子中学校
- 海外研修で英語力を高め『他者理解』の尊さを知る武蔵野中学校
- USセミナーとアジアセミナーで グローバル感覚を磨く目黒学院中学校
- 国際会議への派遣などを通し グローバルリーダーを育成八雲学園中学校
- 中高時代に育んだ探究心と 英語コミュニケーション能力でグローバルに活躍!富士見丘中学校
- SSH第Ⅲ期の指定校に選出 生涯にわたって学び続けられる力を育成芝浦工業大学柏中学校
- 自ら考え行動する力を養う独自の「志共育」を実践足立学園中学校
- 「感話」で耕された心が平和の実現へ向かう恵泉女学園中学校
- 言語教育と発表の場に注力「品格ある個人」を育成神田女学園中学校
- 充実した英語教育とSTEM教育多彩な学びから多くの大切なことを学ぶ埼玉平成中学校
- 「真面目がカッコいい!」校風が大好き星野学園中学校
- PTA活動で生まれる交流がうれしい獨協中学校
- 共感的コミュニケーションを軸に挑戦心をもつ生徒を育てますかえつ有明中学校
- 6年間の学校生活で最も楽しくあるべきは“授業”その実現に向けた取り組みを昭和学院中学校
- 学問を通じた人間形成は五感を駆使した実体験から始まる獨協埼玉中学校
- 私立中高一貫校ならではの良さを建学の精神『人間愛』を通じて学び、育んでほしい文教大学付属中学校
- 教育とは次世代の人へのパス品川翔英中学校
- 美術を愛する生徒の心の琴線に触れる学校です女子美術大学付属中学校
- 生徒の成長に寄り添い見守りながら自立心を育む日出学園中学校
- 教員全員参加の個別最適な「進路支援」で希望進路の実現をめざす二松学舎大学附属柏中学校