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私立中高進学通信

2023年7月号

校長先生はこんな人!

八王子学園八王子中学校

人生の支えを見つけ
人との出会いから学ぶ
誰もが光り輝く学校に

齋藤 智文 (さいとう・ともふみ)1961(昭和36)年生まれ。東京都出身。國學院高等学校から國學院大學文学部史学科に進み、日本史学を専攻。1984年、八王子高等学校(当時)の社会科教諭として着任し、日本史を中心に、「実物」教材の活用や「多摩の地歴散歩」と題した校外授業に力を入れる。2017(平成29)年、八王子学園八王子高等学校教頭、2021(令和3)年、中・高副校長を経て、2023年4月から中・高校長に就任。

齋藤 智文 (さいとう・ともふみ)校長先生
1961(昭和36)年生まれ。東京都出身。國學院高等学校から國學院大學文学部史学科に進み、日本史学を専攻。
1984年、八王子高等学校(当時)の社会科教諭として着任し、日本史を中心に、
「実物」教材の活用や「多摩の地歴散歩」と題した校外授業に力を入れる。
2017(平成29)年、八王子学園八王子高等学校教頭、2021(令和3)年、中・高副校長を経て、2023年4月から中・高校長に就任。

母の昔話と古代の瓦から
歴史を学ぶ楽しさを知る

 小学生の頃、戦前・戦後を過ごした母が、よく昔の話をしてくれました。それは東京大空襲や吉田茂元首相についてなど、母が見聞きした話や実際の体験談でした。私は母の話から当時を追体験し、歴史がとても身近に感じられたものです。幼い頃は引っ込み思案だったのですが、高学年になると、母の昔ばなしのおかげで歴史について調べて発表するのがとても好きになりました。

 中2の夏休み、母親と武蔵国分寺跡(東京都国分寺市)へ行った時のことです。足元に瓦のかけらが3つ、落ちているのを見つけました。たまたまそこにあっただけなのに、合わせてみるとぴったり形が合います。その瞬間、1300年前にこの瓦を作り、暮らしていた人たちが確かにここにいたのだと強烈に実感しました。そして古代の人たちが「君が進むべき道はこれだよ」と教えてくれた気がしたのです。

 夏休み明け、瓦を担任の先生に見せると「歴史が好きなら、國學院大學の文学部史学科をめざしてみては」とアドバイスをしてくれました。担任は国語科の教員で、同学部の文学科を卒業されていたのです。私は将来の目標を早々と決め、付属の國學院高等学校から大学の文学部史学科へ進みました。

実際に触れて知った歴史の
面白さを生徒にも伝えたい

 中学・高校時代は自宅のある東京都東久留米市から多摩地方や埼玉県を自転車で巡り、歴史にゆかりある場所を訪ねるのが好きでした。ビルや家が立ち並び、痕跡が全く残っていなくても、その場所に立ち、昔の街並みや風景を想像するとワクワクしてたまりませんでした。「歴史は味わうもの」、そして「歴史学は昔を再現する学問」だと思ったのもこの頃です。

 大学では日本文化史の研究をしました。卒業を前に生涯、大好きな歴史に携わることができる進路を考えた結果、選んだのが社会科の教員でした。そして大学の就職課で偶然、本校が教員募集しているのを知りました。多摩地方の学校なら通いやすいですし、何より『人格を尊重しよう、平和を心につちかおう』という学園モットーが印象に残りました。これほどストレートな言葉を真正面に掲げる学校はどのようなところなのか。私は気になり、すぐに応募したところ、1984年の春に採用され、高校の社会科教員として着任することとなりました。

 歴史の授業では、瓦はもちろん、趣味で集めている古い雑誌や本などを、生徒たちに紹介することもよくありました。本物に触れ「実際にこれを作り、使っていた人たちがいた」と感じれば、歴史の捉え方が変わると思ったからです。

40年間の現場経験を
学校運営に活かして

 約40年の長きにわたり、本校一筋で歩んできました。主任、教頭、副校長などを一通り経験してきたことが私の強みであり、これからも現場の教員たちと力を合わせて学校運営に当たっていきます。

 今後も私を本校に引き寄せた学園モットーをスクールミッションとし、真の『人間教育』を進めていきたいと考えています。育てたいのは多様性を尊重し、向上心を忘れず、協調性や公共性に富んだ人。そして広い視野に立って物事を考え、人類の平和の実現に貢献できる人です。

 私にとっての歴史のように、生徒にもそれぞれ心の支えになるものや、力を発揮する対象があるでしょう。それが何であるのか、今はまだ見えていないかもしれません。しかし、私が偶然見つけた古代の瓦で進路が運命づけられたように、変化のチャンスはどこにあるかわかりません。だからこそ普段から感性を研ぎ澄ませ、あきらめず探し求めてほしいと生徒たちによく話をしています。

 本校は中高ともに多彩なコースを設けており、多様な生徒がいて当たり前の環境です。自分が何をめざし、どう行動すれば良いかわからなくても、友人や先輩・後輩を見て気づくこともあるはずです。こうなりたいと思う人がいれば真似をしたらいい。ダメだったらやり方を見直せばいい。そのようにお互いを高め合ううちに、新しい世界が見えてくる。そのような環境が本校にはあります。

 1947年、学園モットーと同時期に作られた校歌の二番に『文化の光 野にみちて』という歌詞があります。戦後の焼け野原を前に、教育によって光が満ちてくる情景を思い描いた当時の先生方の思いが伝わってくるようで、大好きな言葉です。5年後の創立100周年に向けて、私も誰もが光り輝き、望みを持てる学校づくりに邁進していきます。

[沿革]
 1928(昭和3)年、市川英作先生と八王子市内の有志により、勤労を尊び社会の礎となる有為な若者の育成をめざして多摩勤労中学を開学。1935年、八王子中学校と改称、1948年、学制改革により八王子高等学校が発足。敗戦後の新たな教育再生にあたり、現在に受け継がれる学園モットー『人格を尊重しよう、平和を心につちかおう』が市川英作校長先生と教職員によって定められた。2014(平成26)年、八王子学園八王子中学校が開校。伝統ある人間教育をベースに未来で必要な学力と人間力を育み、生徒一人ひとりの個性を伸ばす教育を日々実践している。

進学通信 2023年7月号
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