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私立中高進学通信

2025年12月号

注目! News and Topics

品川女子学院中等部

地域・企業・社会をつなぐ学びの場
『SJ OPENDAY』に全国6校の生徒が参加

イベントの冒頭では、本郷高等学校の高3生、北海道ニセコ高等学校の高1生、
同校の高2生による「学校外との連携の意義」をテーマとするパネルディスカッションが行われました。

自ら発信し、つながる
オープンな学びの場

 企業や大学など、校外との連携を積極的に進めてきた品川女子学院。近年は、生徒自ら外に飛び出し、他校や社会人と協働する姿も増えてきました。

 そうした動きを後押ししようと企画されたのが『SJ OPENDAY』。複数の学校から生徒たちが集まり、自らのプロジェクトをプレゼンしたり、ワークショップを開いたりしながら、見学者や参加者と交流します。互いの活動を通して刺激し合い、つながりを広げることを目的としたイベントです。

「生徒が他校や海外で発表の機会を得ると、プレゼンの方法も考え方も違っていて、大きな刺激を受けます。そうした経験をもっと多くの生徒に積んでほしいという思いから、このイベントを立ち上げました。
 他校や社会のさまざまな人と出会い、自分の言葉で伝える経験を通じて、自分の中に“何かが動き出す”感覚を味わってほしいです」(連携担当部部長/家庭科主任 丸山智子先生)

全国6校の生徒たちを招待
多彩な分野の社会人と交流

 2025年8月に開催された第2回『SJ OPENDAY』には、北海道から九州まで全国6校が参加。鹿児島実業高等学校、長野県松本県ヶ丘高等学校、本郷中学校・高等学校、文教大学付属中学校・高等学校、北海道ニセコ高等学校、宮崎県立五ヶ瀬中等教育学校と、地域も背景も異なる生徒たちが、それぞれの視点で課題を見つめ、発表を行いました。

 企業や大学などさまざまな分野の社会人34名も参加し、各チームの発表を見守ります。同校からは23チームが発表したほか、受付や誘導、司会まで全てを同校の生徒が担当し、来校者をもてなしました。

「このイベントの特徴は、有志生徒による自主的な取り組みであること。強制ではないからこそ、生徒たちは自分の意志で動き、楽しみながら学びを広げていきます。また、中1から高3まで幅広い学年が関わることで、学びの循環が自然に生まれ、次へとバトンが渡されています」(丸山先生)

 当日は、生徒と企業・大学関係者が同じテーブルにつき、自由に意見交換を行う「懇親会」も開催されました。

「昨年以上に積極的な生徒が増え、声をかけられるのを待つのではなく、“あの人に挨拶したい”と自分から一歩を踏み出す姿が本当に頼もしかったです。大人と生徒が同じテーブルで盛り上がる様子を見て、“やって良かった”と心から思いました」(丸山先生)

「起業マインド」を
次の100年へ

『SJ OPENDAY』の根底にあるのは、創立100周年を迎える同校が重視する「起業マインドを持つ人」という教育方針です。それは、「自ら社会の問題を発見し、多様な人を巻き込み、解決に向けて一歩を踏み出す人」のこと。起業という言葉にとらわれず、社会のどんな場所でも行動力と影響力を発揮できる人を育てるため、同校では中学からデザイン思考を採り入れ、中3で起業体験プログラムを実施。高1ではグループでの探究「チャレンジ・ベースドラーニング(CBL)」を行い、高2では個人探究へと発展していきます。こうして積み重ねられた探究の力が、今の『SJ OPENDAY』へ自然につながっているのです。

「最近の生徒たちには、チャンスを見つけたら迷わず挑戦してみるという“自分から行く”姿勢が浸透しています。その姿勢に、新しい起業マインドの芽を感じています」(中等部校長/神谷岳先生)

 特に今回は、地方の学校からの参加が大きな意味をもちました。都内の学校では見つけづらい地域特有の課題など、実際に自分たちが直面していることをテーマにした発表が多く、都市部の生徒たちに強い刺激を与えたそうです。

「本校は首都圏という恵まれた環境にありますが、それゆえ社会課題に関して実感をもって捉えにくい面もあります。だからこそ、地方の同世代とつながることで、“リアルな課題”を知る機会にしてほしいと考えました。
 本校の創立当時、女性にはまだ参政権すらありませんでした。社会の不平等を見つめ、変えていく力を育てることが、創立時に掲げた本校の使命であり、今も変わらず受け継がれています」(神谷校長)

 関東大震災の2年後に創立され、「女性が社会で生きる力を持つために」という願いから始まった同校の学びは今、「社会とつながり、新しい価値を創り出す力」へと進化しています。『SJ OPENDAY』は、その“次の100年”を見据えた第一歩。生徒たちの挑戦の場は、これからも広がり続けます。

14の教室でプレゼンテーションが行われ、参加者は関心のある発表を自由に見て回ることができました。発表後には質疑応答や助言など活発なやり取りが行われ、互いに学び合う姿が印象的でした。

懇親会の様子

懇親会では世代を超えた対話があちこちで生まれ、会場は温かな雰囲気に包まれていました。

実際に「一緒にやってみる」ことが学びの出発点
神谷 岳先生中等部校長 神谷 岳先生

 本校では、生徒が社会とつながるための場づくりを大切にしており、特別講座や企業とのワークなど、生徒と大人が一緒に手を動かし、対話しながら学ぶ機会を数多く設けています。大切なのは発表して終わりではなく、「一緒にやってみる」こと。実践するなかで、自分のポジションや役割が見えてきます。リーダーとして引っ張る生徒もいれば、仲間を支えることが得意な生徒もいます。そうして一人ひとりが、自分らしく力を発揮できる居場所を見つけていくのです。

「何かやってみたい」という気持ちが少しでもあるのなら、きっと本校を楽しめます。興味の入り口は小さくてかまいません。その小さな一歩を、実際の行動へとつなげられる環境が本校にはあります。


行動を起こし、発信できる人になってほしい
丸山智子先生連携担当部部長/家庭科主任 丸山 智子先生

 本校では、グループワークやプレゼンテーションを行う機会が多くあります。その結果、生徒たちが大学進学後も「自然と前に出るようになった」と話してくれます。例えば、誰も手を挙げない場面で「私がやります」と言えたり、自分の考えを発信できたり。そのたびに、本校で培われた力が確かに根づいていることを感じます。

 日頃の授業を通して多様な選択肢に触れて、自分に合った道を選び取りながら、社会とつながって生きる力を育んでほしい。身近な課題を他人任せにせず、自らの行動で変えていける生徒に成長してほしいと願っています。

(この記事は『私立中高進学通信2025年12月号』に掲載しました。)

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