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私立中高進学通信

2021年4・5月合併号

中1の始め方

品川女子学院中等部

発信力を伸ばし
進化し続ける教育プログラム

『白ばら祭』で中1生は、クラスごとに行った探究学習を発表しました。
勉強の仕方や満員電車が解消しない理由、毎日の重い荷物をどうすれば軽くできるかなど、興味深いテーマが揃いました。

コロナ禍のため、さまざまな制約が必要となった2020年度。同校ではそうした状況下でも、発信力を伸ばすロールモデルを実践し、生徒の力を伸ばしています。

中1から段階を踏んで
自らの成長を実感できる学び

 28歳の自分を思い描き、理想とする未来を実現するために何が必要か、どう行動すべきかを生徒自らが探究する『28プロジェクト』を教育の柱とする同校。起業マインドを育てる独自の教育方針を打ち出し、生徒自身が能動的に人生を設計できるよう、6年間を通じてさまざまな取り組みを実践しています。

「中1の『28プロジェクト』は、デザイン思考について学び、その手法を取り入れながら『身近な関係性を再発見する』をテーマに、自分の身の回りにある問題を発見し、周囲と協力して解決策を探るところから始まります。調べるだけでなく、実際に検証し、解決策を探ることも行っています。

 こうした活動では、生徒自身が成長を実感しながらプロジェクトに取り組むことを大切にしています」と、中1学年主任の白石賢佑先生は言います。

「何人もの卒業生から、大学や社会に出てからプロジェクトの成果を実感していると聞いています。こうした卒業生たちは、在校生にとって理想的なロールモデルとなり、将来を考える動機付けにもなっています」

生徒のモチベーションを高め
発信する力を育てる

 プレゼンテーションや情報を発信する機会を多く設けている同校ですが、すべての生徒がはじめから自分の意見を上手に表現できるわけではありません。

「まずは自分の意見をまとめ、次にペアやグループで話し合い、クラスの意見としてまとめていきます。その過程で、発表・情報収集・動画やスライドの編集という役割分担が必要になってきます。そうした積み重ねによって、どの生徒も自分に合った方法で意見を発信できるようになり、各自がプロジェクトの成功に貢献できるようになるのです」(白石先生)

 2019年度に中1生を担当し、現在は中2の学年主任である荒井孝弘先生は、『28プロジェクト』と生徒の成長について次のように話します。

「本校はICT環境などハード面も万全に整えていますが、肝心なのは、試行錯誤しながら普段の授業にデザイン思考を取り入れたり、文化祭などの学校行事でさまざまなアウトプットの機会を設けたりするなど日々の学校生活の中で現場の教員が、生徒と向き合いながらケースバイケースで作り上げていく部分なのです。本校の教育の多くは、手作りだからこそ常に発展を続けています」

上級生も積極的に関わり
全力で中1をサポート

 発信力や考える力を鍛えるプロジェクト学習に力を入れている同校ですが、そのベースとなる基礎学力の育成もおろそかにしていません。とりわけ中1は学習習慣の確立も大きなテーマです。

 2020年度のコロナ禍に際し、中2以上の学年は1人1台タブレット端末を所有し、ICTの活用が浸透していたため、リモート授業にスムーズに移行できましたが、中1は状況が異なりました。

「6月の中旬に中1生にiPadを配布するまでは、課題のプリント類は2週に1度学校へ郵送してもらい、教員がていねいにフィードバックすることを続けていました。
 Zoomによるオンライン授業を経て、6月から分散登校を始めました。その際にも、まずは大学受験を身近に控えた高3生と中1生を、優先的に登校させたのです」(白石先生)

 ほかの学年の教職員も協力し、学校を挙げて全力で中1生のケアをしたそうですが、「何よりも頼もしかったのは上級生たちの協力があったことです」と白石先生は振り返ります。

「中1生のために、上級生たちがクラブ活動や授業に関することなど、学校生活を紹介する動画を制作してくれたのです。先輩だからこそ伝えることができる歓迎の気持ちや『これが品女の学校生活なんだ!』と、実感を持てるメッセージは、中1生にとって大きな励みになったようです。登校再開後、中1生から先輩に感謝の気持ちを伝えるほほえましい場面もありました」(白石先生)

 2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、例年とは異なる対応に追われましたが、それをチャンスと捉え、生徒と教員が一丸となって新たな教育を展開できたと荒井先生は言います。

「その前向きなエネルギーは本校の強みです。今後も生徒と共に成長していける学校でありたいと思います」(荒井先生)

さまざまな実験や取材を通して探究したプレゼンは見ごたえのあるものばかりです。さまざまな実験や取材を通して探究したプレゼンは見ごたえのあるものばかりです。
2020年度、中1学年主任の白石賢佑先生(右)と、2019年度に中1を担当した中2学年主任の荒井孝弘先生(左)。互いに授業での取り組みや成果について情報交換をし合いながら、常に授業をブラッシュアップさせているそうです。2020年度、中1学年主任の白石賢佑先生(右)と、2019年度に中1を担当した中2学年主任の荒井孝弘先生(左)。互いに授業での取り組みや成果について情報交換をし合いながら、常に授業をブラッシュアップさせているそうです。
中等部『白ばら祭』でプレゼン発表
中1A組は「はじめての満員電車」と題して満員電車を解消するための対策を考察しました。東京都交通局に満員電車解消をお願いする手紙を提出するなど、解消のためのアクションも起こしました。中1A組は「はじめての満員電車」と題して満員電車を解消するための対策を考察しました。東京都交通局に満員電車解消をお願いする手紙を提出するなど、解消のためのアクションも起こしました。

 例年9月に開催される文化祭『白ばら祭』は、中等部の生徒たちが探究学習の成果を発表する場として定着しています。2020年度は、コロナ禍でさまざまな制約があるなか、『白ばら祭』を工夫して開催し、さらに中等部の生徒たちは、来場できなかった方々にもオンラインを通して、音声とスライドによる研究発表を行いました。その様子は、同校ホームページ特設サイトにて期間を限定して公開しています(2021年3月現在)。

 中1生は入学直後に休校となりましたが、学校再開からの短期間で着実に力をつけ、素晴らしいプレゼンテーションを行っていたそうです。中1生に限らず、 “制限があるからこそ何かできないか”という生徒たちのエネルギーは、以前にも増して教員の想定を超えた成果を生み出しているのです。

進学通信 2021年4・5月合併号
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