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私立中高進学通信

2022年4月号

私学だからできるオリジナル教育

品川女子学院中等部

社会人による特別講座で
さまざまな仕事に関心を持つ

能動的に人生を創る女性を育む同校で、約20年もの間、放課後に実施している社会人による 特別講座。この日に開催された講座「ファッションの未来について考える」の様子をお届けします。
自己紹介の後、生徒たちがどのくらいボタンのことを知っているか質問する野崎さん。左の男性は株式会社クロップオザキ・部長の大平健太郎さん。

自己紹介の後、生徒たちがどのくらいボタンのことを知っているか質問する野崎さん。
左の男性は株式会社クロップオザキ・部長の大平健太郎さん。

知ることで
服飾への興味が高まる
お気に入りのボタンで作ったブローチを慎重に製作中。お気に入りのボタンで作ったブローチを慎重に製作中。

 女性の人生のターニングポイントを28歳に設定してその頃の自分を思い描き、理想を実現するためには何が必要で、どう行動すべきかを模索する同校の「28project」。このプロジェクトの一環として2002年から続く社会人による特別講座は、同校独自の取り組みです。

「幅広いテーマで年間30回程度開催しています。生徒の関心が高いのはもちろんですが、保護者が参加できる講座ではお父様、お母様にも人気があります」(家庭科主任/丸山智子先生)

 2021年10月12日(火)、この日は「ファッションの未来について考える」全4回講座の第1回目。放課後の教室に1年生から5年生(中1生から高2生)まで計25名の希望者が集合し、講座がスタートしました。

 講師は服飾関係の付属を扱う株式会社クロップオザキの営業担当・野崎有花さん。付属とはボタンやファスナーなど、洋服に欠かすことのできない付属物のことです。野崎さんが生徒に「ボタンが気に入って服を買ったことがある人」という質問を投げかけると、約半数が手をあげました。ボタンの歴史について説明した後、黒蝶貝や水牛の角といった天然素材や、アクリル樹脂などが原料の非天然素材のボタンについて学びます。生徒たちはボタンがぎっしり並んだサンプル帳を回覧し、キラキラと輝くボタンの美しさに歓声をあげていました。

 その後、野崎さんはボタンが天然素材か非天然素材かを当てるクイズを出題。そのなかで生徒からは、「一つの貝からボタンがいくつ作れますか?」「水牛は角を切ったらどうなりますか?」といった多様な質問があがりました。

全4回の講座で
ブランドを企画

 ボタンの次はファスナーについて学びます。ファスナーのパーツや種類について説明を受け、用途によってさまざまなファスナーがあることを知りました。生徒たちは、見本帳の商品を実際に上げ下ろして使用感を確かめていき、そして最後にはボタンでブローチを作るワークショップ。生徒たちは箱から気に入ったボタンを選び、ブローチを作りました。

 約1カ月後に行われる第2回目の講座では、洋服の歴史を学んだ後、個人でアパレルブランドを企画します。第3回目は方向性が似ている生徒同士でグループを組んでブランドを企画し、第4回目はiPadを使ってプレゼンをする予定です。

「生徒さんがいろいろと質問をしてくださって、クイズも楽しんでいただけたようで良かったです。計4回の講座を通して、服への愛着やアパレルに関心を持ってくれると嬉しいです」(野崎さん)

 将来の職業選択のヒントになることも多いという同校の特別講座。教室と家との往復だけでは知ることができない内容のおかげで、生徒たちの興味はまた一つ広がったようです。

ボタンが天然素材か非天然素材かを当てるクイズ。素材の見分けがつかないボタンに熟考中です。ボタンが天然素材か非天然素材かを当てるクイズ。素材の見分けがつかないボタンに熟考中です。
ボタンの見本帳を眺める生徒たち。種類の多さに驚きます。ボタンの見本帳を眺める生徒たち。種類の多さに驚きます。
一口に貝で作られたボタンといっても、たくさんの種類があることを学びます。一口に貝で作られたボタンといっても、たくさんの種類があることを学びます。
形も素材もバラバラのボタンの中から、お気に入りを探します。形も素材もバラバラのボタンの中から、お気に入りを探します。
パーカーを例にとり、洋服にはボタンやファスナーなどの付属が欠かせないことを説明します。パーカーを例にとり、洋服にはボタンやファスナーなどの付属が欠かせないことを説明します。
「マットやクリアなボタンを白で統一して合わせました。ゴールドの土台が差し色になっています」と、ある生徒が力作を見せてくれました。「マットやクリアなボタンを白で統一して合わせました。ゴールドの土台が差し色になっています」と、ある生徒が力作を見せてくれました。
受講がきっかけで
将来の目標を決める生徒も

家庭科主任/丸山智子先生

 社会人による特別講座で特徴的なことは、外部から講師を招いて講座を開くだけではなく、社会人の皆さんが加わって共同作業や実習を行うアクティブで本物の経験を提供していることです。今回のようなファッションをテーマにした講座は特に人気が高く、丸井グループが開催したLGBTの展示イベントに参加する講座や、ユニバーサルデザインの靴下を企画する講座も大好評でした。

 本講座をきっかけに、大学の学部を選ぶ生徒も多くいます。例えばアプリをプログラミングする講座を受けてIT系に進んだ生徒や、新生児医療の現場に携わる方からの感動的な講演がきっかけで医学部に関心を持った生徒など、多くの生徒の進路決定につながりました。

 他には、昨年、私ともう2人の教員3人で、28歳くらいの年齢の友人を呼んだ講座に手応えがありました。オリエンタルランドに勤めている友人、舞台演劇で活躍している友人、獣医の資格を持って動物関係の仕事をしている友人などに特に注目が集まりました。生徒はこの講座を通してさまざまな女性の生き方を知り、28歳になった自分をより明確にイメージすることができたようです。

アパレルを身近に感じてもらい
業界が抱えている課題を共有したい
野崎さん(前列左)、大平さん(前列右)。丸山智子先生(後列左)、山下真由子先生(家庭科/後列右)。野崎さん(前列左)、大平さん(前列右)。丸山智子先生(後列左)、山下真由子先生(家庭科/後列右)。

株式会社クロップオザキ 営業担当/野崎有花さん

 今日は第1回目だったので、まずはさまざまなボタンやファスナーがあることを知ってもらいたいと思って講義しました。品川女子学院の生徒さんは活発だと聞いていましたが、質問がどんどん出て、私も楽しい時間を過ごしました。この講座をきっかけに洋服を好きになってくれるだけでなく、将来の職業選択の一つとしても、アパレルを視野に入れていただけるとうれしいです。

 次回はアパレルの現状や課題についても少しお話したいと計画しています。生徒の皆さんと一緒にサステナブルやSDGsといった観点からもアパレルの未来について考えていきたいと思います。

進学通信 2022年4月号
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