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私立中高進学通信

2025年12月号

注目! News and Topics

芝浦工業大学柏中学校

福井県立大学恐竜学部の協力を得て
「フィールド恐竜学探究@福井2025夏期」をスタート!

福井県立恐竜博物館内にて、ティラノサウルスの頭骨模型を、2人ずつ3チームで協力して組み立てました。

2024年から始動した
恐竜プロジェクト

 文部科学省指定のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として理数教育や探究学習に力を入れている芝浦工業大学柏。これまでも大学教員など外部講師の協力を得て、通常授業の枠を越えた外部連携講座を実施してきた同校が、2025年夏、新たな取り組みを実施しました。国内初の恐竜学部を設置する福井県立大学の協力を得て、「フィールド恐竜学探究@福井2025夏期 」を行ったのです。

 探究科・福井研修担当の佐々木悠朝先生は話します。

「8月の福井研修を実現させるにあたり、2024年冬から福井県立大学恐竜学部とのコラボレーション企画が始動しました。H・Tさんら中3の6人が河部壮一郎教授によるオンライン講義を受講し、2025年2月には講義を受けた生徒たちがポスター発表を実施。河部教授にも本校までお越しいただき、ご指導を受けました。そして、4月に高入生のU・Mさんがプロジェクトメンバーに加わって、この夏に福井研修を実施しました」

 H・Tさんのグループは、恐竜の姿をVRで再現することをテーマに研究を進めてきました。

「幼い頃に恐竜に興味をもっても、中高生になる頃には恐竜に対する熱が冷めてしまう人が多いように感じていました。そこで、VRで恐竜を再現して視覚的に体感できたら、改めて恐竜の面白味を見いだせるのではないかとテーマに設定しました。実際に福井研修に行って、恐竜の細かい骨格や筋肉の付き方がまだ解明されていないことを知り、今後は恐竜の体についても調べていきたいと考えています」

 U・Mさんのグループは、恐竜の視野を研究テーマに決めました。

「僕たちが着目したのは、恐竜の目の位置です。現存する肉食動物は目が顔の正面に、草食動物は側面についていますが、恐竜や太古の動物にも同じことがいえるのだろうかという疑問を掘り下げました。魚を食べるスピノサウルスの展示を見て、恐竜は草食・肉食だけではなく、魚を食べる恐竜もいれば、肉と草の両方を食べる恐竜もいると知り、さらに恐竜の視野について深く調べたいと思いました」

恐竜を足がかりに
視野を広げた福井研修

 福井研修は2泊3日で実施され、高1の6人が参加しました。

「初日は福井県立大学の河部教授と大山望助教から、福井県が日本の恐竜化石発掘のメッカと言われる理由や、福井県立恐竜博物館での特別展『獣脚類2025』の基礎情報などのオリエンテーションからスタートしました。その後、実際にティラノサウルスやスピノサウルスなどの肉食恐竜にスポットを当てた特別展を見学し、意義深い時間となりました」(H・Tさん)

 2日目に生徒たちが取り組んだのは、体験的な学習です。

「午前中は原寸大のティラノサウルスの頭骨模型をチームで組み立て、骨格の構造や復元のプロセスを学んで研究者の視点を体感したり、CTスキャンを通して石の内部にある化石を観察したり、恐竜化石のレプリカが入った石から専用ツールで化石を取り出す作業をしたりと、興味深い経験ができました」(U・Mさん)

 さらに、恐竜化石の発掘現場・手取層群北谷層てとりそうぐんほくたんそうで発掘体験にも挑戦しました。

「僕は植物と貝の化石を発掘しました。化石はお土産として持ち帰って大切に保管しています」(H・Tさん)

 その後、ティラノサウルスやブラキオサウルスの常設展を見学しました。

「地球上では、今までに数回“大量絶滅”が起きています。5回目は6600万年前の白亜紀末で、恐竜をはじめ多くの動植物が絶滅したと言われています。今は6回目の大量絶滅が進行中で、人間の活動が原因とされています。直近の絶滅期を知ることになる恐竜の研究は、現在にもつながると感じました」(U・Mさん)

 最後に河部教授と大山助教、県立大学の学生スタッフと共に振り返りのミーティングを行い、研修を終えました。

「恐竜は解明されていないことも多いですし、単純に化石の実物を見るだけでワクワクしました」(H・Tさん)

「夏休みなどの長期休暇で発掘調査の学生アルバイトを募集すると聞いたので、仲間と一緒にまた福井に行きたいです」(U・Mさん)

 生徒の視野が広がったことも福井研修の収穫だと佐々木先生は語ります。

「生徒たちは、研究者になるためのキャリアプランや、恐竜が町おこしにつながった福井県の観光事情、恐竜の骨の展示の仕方やライトアップによる演出の方法など、さまざまな知識を得ました。非常に有意義な研修になったと実感しています」

福井県立大学の大山助教の解説を聞きながら博物館を見学福井県立大学の大山助教の解説を聞きながら博物館を見学しました。
魚食のスピノサウルスの背中に船の帆のような突起がある意味など、解説を聞いている様子です魚食のスピノサウルスの背中に船の帆のような突起がある意味など、解説を聞いて興味津々です。
手取層群北谷層では、ハンマーを片手に化石発掘を体験している様子です手取層群北谷層では、ハンマーを片手に化石発掘を体験しました。
発掘した化石を手にするU・MさんとH・Tさん、福井県立恐竜博物館の図録を持つ佐々木悠朝先生の写真です発掘した化石を手にするU・Mさん(左)とH・Tさん(中)、
福井県立恐竜博物館の図録を持つ佐々木悠朝先生(右)。

(この記事は『私立中高進学通信2025年12月号』に掲載しました。)

芝浦工業大学柏中学校  

〒277-0033 千葉県柏市増尾700
TEL:04-7174-3100

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