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私立中高進学通信

2022年1月号

校長が語る 自立へのプロセス

品川女子学院中等部

「自分ひとりで立つのではなく
自らの力を発揮し貢献するための自立」

神谷 岳(かみたに・たけし)中等部校長先生/右
中等部の神谷岳校長は、国語科です。28歳の自分を思い描き、
人生を能動的に切り開く力を生徒に身につける『28project』と呼ばれるライフデザイン教育や海外修学旅行など、
学年主任として多くの改革をけん引してきました。

権藤 英信(ごんどう・ひでのぶ)高等部校長先生/左
高等部の権藤英信校長は、英語科です。同じく『28project』を推進し、
『起業体験プログラム』では長い期間学年主任として関わってきました。
生徒会部長、教務部長なども経験し、何度も卒業生を送り出しているため、大学進学の部分でも手腕を発揮します。

卒業生が28歳になったときに、"能動的に人生を創る人"になっていることをゴールイメージとする『28project』を大きな特色とし、生徒が能動的に人生を設計できるように、中高を通してさまざまな取り組みを実践している同校。

 社会に貢献できる自立した女性の育成に力を注ぐ同校では、生徒たちをどのように「自立」へと導いているのでしょうか。そのための教育方針や、中高で行っている取り組みについて、中等部校長の神谷岳先生と高等部校長の権藤英信先生にお聞きしました。

多様な協働の場が
リーダーシップを育む

「本校の教育は、常に社会との関わりを大切にしています。『自立』においても、本校が大切にしているのは周囲の人と素直に協力できる姿勢です。リーダーシップを発揮して能動的に行動できる力はもちろん大切ですが、ときには人を頼ったり、相手の意見に耳を傾けたり、またそれを受け入れたりする態度こそが、本校らしい自立のあり方だと考えています。
 本校では6年間を通して、あらゆる生徒が活躍できるよう、数多くの経験の場を多岐にわたって用意しています。周囲と協力して何かをやり遂げる経験を積み重ね、自分の個性や才能を発見し、さらに伸ばしていくのです。
 また、思考や行動のためのスキルアップも図っています。その一つが起業家の考え方を学ぶ『デザイン思考』です。グループで話し合って身近な課題を見つけ、仮説を立て、検証し、解決策を探っていくサイクルを繰り返す『デザイン思考』は、以前は主に高等部で実践してきましたが、現在は中1の総合学習の時間にも導入し、本校の学びにおけるすべての基盤となっています。
 協働するなかで、共感力やコミュニケーション力を身につけると同時に、自分の得意なことに気づき、高等部での活動に対するモチベーションにつなげていくこともめざしています」(中等部校長/神谷 岳先生)

自分の輝ける場で
各自が力を発揮する

「高等部は、中等部で培った力を活かして実践することに重きをおき、『社会人による特別講座』など、生徒が自分で選択する活動を増やしています。社会の一員であるという自覚をもち、自分が学ぶべきこと・やるべきことは何なのかを考え、自らの学びを深めていきます。大学受験などの進路選択も、言わば自らの意志で選択して取り組む活動の最たるものです。
 中3と高1では『起業体験プログラム』を実施しています。企業とコラボレーションをして商品開発をしたり、社会課題を調べて解決策を提示したりといった活動を行い、『白ばら祭』(文化祭)の模擬店では開発した商品を実際に販売もしています。
 プログラムの期間中、クラスは株式会社となり、生徒たちは会社に属する社員として、さまざまな役職を担当します。文化祭の終了後に株主総会を経て、会社を解散しますが、その後も『社長!』と役職で呼ばれる生徒もいるなど、和気あいあいと愛着をもってこのプログラムに取り組んでくれています。
 プログラムでは、『社長』や『マネージャー』といった役職でリーダーシップを発揮する生徒もいれば、そうでない生徒もいます。どの生徒も会社という組織に参加して、場合によっては縁の下の力持ちとして集団での役割を果たしながら、リーダーの仕事を当事者の一人としてそばで見ることもとても重要だと考えています」(高等部校長/権藤英信先生)

文化祭で行われる起業体験ではクラスが1つの株式会社となり、起業していきます。実際に株式を学ぶきっかけにもなり株式会社の仕組みも学んでいきます。文化祭で行われる起業体験ではクラスが1つの株式会社となり、起業していきます。
実際に株式を学ぶきっかけにもなり株式会社の仕組みも学んでいきます。
高2のクラスが起業体験プログラムで考案した「防災ポーチ」。防災意識を習慣化するという新しい発想により生まれました。高2のクラスが起業体験プログラムで考案した「防災ポーチ」。
防災意識を習慣化するという新しい発想により生まれました。
挑戦を恐れないスピリットで
新しい教育を継続
自立のための3つのポイント
  1. 起業マインドをもつ
  2. 多種多様な経験を通して
    自らの個性や能力を発見する
  3. 失敗を恐れず挑戦する

 2021年春から校長に就任したばかりの両校長。今後もこれまで同様、新しい教育を実践していきたいと話します。

「1925年の開校から100年になろうとする歴史のなかで、本校は変化する社会とのつながりを意識し、常に新しい考え方を教育に取り入れてきました。『いま、社会では何が求められ、何が問題になっているのか。自分の個性を活かして貢献するには、何が必要なのか』を生徒と教員がともに考え、学んでいく姿勢が本校の持ち味です。互いの失敗を許容し、挑戦を応援する。教員同士も生徒同士も、チャレンジ精神にあふれている。そんな校風を今後も守っていきたいです」(神谷先生)

「本校がとりわけ大切にしている『起業マインド』とは、経営者や組織のトップになることだけをめざすものではありません。責任ある立場の人と同等の当事者意識をもって、物事にあたれる人を育てることを目標としています。
 与えられた仕事を機械的にこなすのではなく、小さなグループでも小規模なプロジェクトでもいいので、自分なりに力を発揮できるような職業や生き方を選んでほしいと思います。
 実際に、多くの卒業生たちが大学や社会で起業マインドを発揮し、イキイキと輝いていることをよく耳にする機会があり、大きな喜びとともに手応えを感じています。
 本校の校内には活気があふれ、生徒も卒業生も活力に満ちています。今後もこのような校風を追い風にして、時代に対応できる新しい教育を実践していきます」(権藤先生)

自立のための取り組み
選択して能動的に学ぶ
品川女子学院の『特別講座』

「品川女子学院には、生徒が自分の意志で参加する『特別講座』があり、幅広い内容の講座を年間30~40開講しています。本校の教員が担当するものだけでなく、実際に社会で活躍されている外部の方を招いて行うものもあり、なかには半年から1年間かけて1つのプロジェクトに取り組むものもあります。
 進路選択をするうえでも、あるいは直接進路につながらなかったとしても、特別講座などの体験を通して自分の興味・関心を深堀りしたことは、生徒たちにとって大きな糧となっていくのではないでしょうか」(権藤先生)

進学通信 2022年1月号
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