海外姉妹校がコンサート
英語で司会を経験

H・Mさん（高3）

　高い英語力をもち、他国の文化を理解し、多角的に物事を捉える“グローバルリーダー”を育てることに注力している八雲学園。

「他国の文化を理解するため、本校ではさまざまな海外研修や文化体験を行っています。その一環として海外の学校と交流会を実施しており、2025年は6月3日・4日にアメリカの名門校・イェール大学のアカペラグループが来校し、英会話レッスンや意見交換、アカペラコンサートを行いました」（中学部長・社会科主任／河東田 敦先生）

　そこで司会を務めたのは、共に高3のH・MさんとI・Aさんです。

「僕は2024年9月下旬〜10月上旬に、南米のコロンビアで開催された『ラウンドスクエア』（※）の国際会議に参加しました。その後、アメリカのイェール大学に寄った際、引率の先生から司会役を打診され、Iくんを誘って一緒に舞台に上がりました」（高3／H・Mさん）

　高1から同じクラスのIさんも、2024年4月に中国・深圳（しんせん）で開催された「ラウンドスクエア国際会議」に参加。2人とも、中3生全員が参加する2週間のアメリカ研修をはじめ、希望者が対象の高1「9カ月プログラム（アメリカ研修）」など、同校の海外研修プログラムを全て体験しています。そして2人とも、オールイングリッシュの英語取り出し授業も受けています。

I・Aさん（高3）

「コンサートでは全校生徒の目を引きつけたかったので、オスカーの授賞式のように、フランクでウィットに富んだやりとりを考えました。僕はハリウッド映画が大好きなんです」（Hさん）

　結果は大成功で、コンサートも大いに盛り上がりました。

「質問をあらかじめ考えていたのに、緊張してなかなか英語が出てこない瞬間もありましたが、楽しくできました。人前に立って話した今回の経験を、大学や会社でプレゼンをする際に活かしていけたらと思います」（高3／I・Aさん）

※ラウンドスクエア…1966年にドイツの教育者クルト・ハーン氏が次世代の国際的リーダーの育成を目的として設立した私立学校連盟。世界50カ国の私立学校250校が加盟している。

グローバル時代に必要な
マインドセットとは

中学部長・社会科主任／河東田 敦先生

「Hさんは中3のアメリカ研修で、代表の生徒が英語でスピーチする様子を見て『かっこいいな』とつぶやいていましたね。仲間に触発されてスイッチが入ったのかもしれません」（河東田先生）

　HさんとIさんにとって、母校はどのような存在なのでしょうか。

「中1の頃は他人と関わることが不得意でした。でも今では、ボランティアをしている日本科学未来館で外国人の子どもが真剣に展示を見ていると、つい話しかけたくなるんです。多くの海外研修プログラムをもつ母校が、自分を変えてくれたんですね。八雲学園はグローバル化が進展していく世の中にふさわしいマインドや、日本人としてのアイデンティティを養ってくれる学校です」（Hさん）

「八雲学園は、かなり英語に力を入れている学校だと思います。入学式で校長先生が『ウェルカムの精神で君たちを迎え入れる』とおっしゃっていましたが、高3の今、その言葉どおりだったとしみじみ感じます。僕はこの学校に入学して、物事に挑戦する姿勢を学びました。この前もゴールデンウィークにカンボジアを訪問し、農村の小学生に日本語を教えてきました。日本を背負ったかのような気分で緊張しましたが、とてもいい経験になりました」（Iさん）

　いくら英語が話せても、日本文化や日本人としてのアイデンティティがなければ、本当の意味で海外とは交流できないと、河東田先生は話します。

「八雲学園に入学するといろいろな体験ができます。月に1度の文化体験の日には、芸術鑑賞をはじめさまざまな場所に出かけ、文化や歴史を探究することで興味や関心が広がります。
　また、中1は6月にレシテーション（暗誦）コンテストがあります。一人で舞台に立って英語を話す経験は、すごく自信になりますよ。その後もいろいろな行事を体験していくことで、自然とマインドセットが形成されていくのだと思います」

中国・深圳で開催された「ラウンドスクエア国際会議」で現地校の生徒と。中国語を学んでいたIさんは、自身の中国語を会議で活かすことができ、さらに学ぶ意欲が高まりました。

2024年の「ラウンドスクエア国際会議」にて。右がIさん。世界共通語である英語の重要性を再認識したそうです。

2024年9月下旬～10月上旬の「ラウンドスクエア国際会議」に参加した八雲学園生と現地校の生徒たち。

コロンビアで開催された「ラウンドスクエア国際会議」に参加したHさん。座学だけでは身につかないマインドセットを学びました。

（この記事は『私立中高進学通信2025年12月号』に掲載しました。）