私立中高進学通信
2025年12月号
Students' Chat Spot
鴎友学園女子中学校
生徒が動かす青春の舞台!
任されるなかで見えた理想のリーダー像
鷗友学園女子の学校行事において、企画・運営の主導権は全て生徒の手に委ねられています。意見の異なる相手ともコミュニケーションを重ね、互いを尊重しながら行事を成功へと導いていく──。同校ならではの「生徒を信頼して任せる」校風の魅力を、学園祭・運動会実行委員会の委員長2人に聞いてみました。
U・Kさん(高2/学園祭実行委員長)
「学園祭実行委員会・バトン班・勉強と、その全てに注力するのは大変でしたが、とても充実した日々を送っています」
K・Aさん(高2/運動会実行委員長)
「普段は陸上班で中距離走に取り組んでいます!運動会実行委員会のメンバーにも陸上班の人が多いので、仲良く活動しています」
「準備期間はとにかく一生懸命!学園祭が終わってから『青春だった』と感じました」――委員長に立候補した理由を教えてください
U・Kさん
受験生の時に鷗友学園女子の学園祭へ行ったことが決め手でした。「素敵な学校だな」と感じた原点である行事を、今度は自分の手で運営してみたいと思ったんです。学園祭要項・規定集の見直しや全体設計から関われることも魅力的で、立候補しました。
K・Aさん
学年対抗で戦う鷗友ならではの運動会に衝撃を受け、中2で運動会実行委員会(以下:運実)に入りました。本校の運動会はものすごく“アツイ”のですが、前年度委員長の閉会の言葉にシビれまして。今度は私がその背中に続きたい、と強く思ったことが立候補の理由です。
――どんな準備をしましたか?
「“ゆうちゃん”づくりを楽しんでもらえてよかった!」U・Kさん
学園祭実行委員会(以下:学実)は前年11月に立ち上がります。翌年1月から要項・規定集の改訂を行い、4月に参加団体説明会、6月に投票を行います。本部の企画運営や会場ごとのタイムテーブル作成、各団体とのすり合わせなど、仕事は盛りだくさんです。予算や安全対策など細部の基準を更新し、9月の本番に向けて全体の動線を整えました。最終的に安全・会計面は先生が確認します。
要項・規定集の改訂は、その年度ごとの実情に合わせて行います。今年はスマホの利用を「緊急連絡・書類の確認・決済・来場者がいない時間帯での写真撮影」に限定して解禁するなど、許容ラインを自分たちで設定しました。
K・Aさん
運実は立ち上げ後、1〜3月は新種目の立案と毎年行っている種目についてルールの見直しを行います。4〜7月は各学年で生徒の出場種目決めで忙しくなります。係(審判・招集・誘導・得点・進行・会場・準備)の役割分担を明確にしながら予行で課題を洗い出し、10月の本番に向けて運営の時短に反映させました。
出場種目や係の連携、予選日程、競技における審判基準など決めることがたくさんあります。例えば人気種目「ムカデリレー」は参加できるチーム数に限りがあるため、6月に予選を実施するんです。先生は中1への説明以外は基本的に口を出さず、責任を伴った自由が与えられています。
「実行委員長としてやりきりました!これからは、次の代を応援する側にまわれるのが楽しみです」――今年、注力した企画は?
U・Kさん
学園祭では、学校のマスコットキャラクター「かもめのゆうちゃん」を、受験生と一緒につくる企画を実施しました。フエルト生地を型に合わせて切り取るなど、約200組分の素材を高2の学実40人で準備。当日は鷗友生がおしゃべりしながらサポートし、学校について知ってもらえる良い機会になりました。
K・Aさん
運動会では新競技「背中のエール」を導入しました。馬跳びの台の姿勢で並び、大玉を背中で送っていく形式に決定するまで、異なる意見にもていねいに耳を傾け、予行で安全性を検証しました。ほかには、各係ごとの連携体制を再検討し、仕事内容の一部を変更することで、時間を“巻く”進行に徹しました。
――生徒主体の行事で驚いたことは?
U・Kさん
先輩から受け継がれてきた「学園祭要項・規定集」を読み込み、掲示用テープの種類からゴミ出し方法まで、細かいルールも全部自分たちで決めるところは、まるで小さな会社を運営しているかのようです。責任も大きいけれど、自分たちの手でつくる充実感があります。
K・Aさん
運動会も中1の指導以外、先生方は基本的にノータッチなので、予行後の反省会も、生徒だけで行いました。成功も失敗も自分たちで引き受けるからこそ、みんな真剣に意見を出すんですよね。
――「信頼して任せる」学校のスタンスを、どう受け止めていますか?
「ハチマキに書かれたメッセージに今でも胸が熱くなります」U・Kさん
顧問の先生は「他学年の生徒には、自分が顧問だと気づかれないくらいが理想」と語るほど“見守り”に徹してくださっています。一方で金銭や危機管理など慎重な判断が必要な部分では相談に乗ってくださるなど、放任ではなく“伴走”のスタンスです。職員室でも「よくやっているね」と背中を押してくれました。
K・Aさん
生徒に主導権を委ねる一方で、常に見守ってくださる配慮を感じます。だからこそ、いざという時の安心感がありました。先輩方も基本的に見守ってくださり、温かい言葉をかけてくださいました。先生と先輩の支えに何度も助けられ一年間楽しく運営できました。本当に感謝しています。
――めざすリーダー像と仲間との関係に変化は?
U・Kさん
最初は「統率するリーダー像」をめざしていましたが、意見が出にくくなってしまったのです。そのためみんなが発言しやすいように、私は「聞く」ことを意識しました。また、過去の先輩のやり方を資料をもとに学び、それを学実メンバーへ伝えて、考えるための材料を増やせるようサポートしました。スムーズに仕事ができるように各係間の連携を取り、幅広い意見を取り入れられるように、生徒・先生など多くの方の「合意形成型」に切り替えました。仲間とも腹を割って本音で語り合い、相談し合える関係に変わりました。
K・Aさん
私は前に立って鼓舞するタイプ。運実メンバーの無駄話は軌道修正しつつ(笑)、書店で出会った本から心に響く言葉を学び、優しく強いメッセージで全体の士気を上げることを意識しました。厳しさと親近感のバランスを取って、相手に折れてもらうような場面でも、相手に納得してもらえるように心がけています。
――受験生や後輩へアドバイスをお願いします
U・Kさん
鷗友学園女子には「やってみなよ!」と背中を押してくれる仲間と先生がいるので、迷ったらぜひ相談してください。学実で“縁の下の力持ち”を全うすれば、きっと自分の成長も実感できますよ。楽しみながら挑戦を!
K・Aさん
受験生の皆さん、鷗友学園女子の運動会は想像以上にアツく、運動が得意でも不得意でも輝けます。後輩の皆さんには、一人で抱え込まず、周りを信じて頼ることを大切にしてほしいです!完璧じゃなくていいので、自分たちらしい運動会を作り上げてください。
(この記事は『私立中高進学通信2025年12月号』に掲載しました。)
鴎友学園女子中学校
〒156-8551 東京都世田谷区宮坂1-5-30
TEL:03-3420-0136
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