私立中高進学通信
2024年7月号
未来を切り拓くグローバル教育
城西大学附属城西中学校
達成感と大きな成長を得る
全員参加のオーストラリア研修
Yさん(左・高1/『比較文化研究』のテーマは『水不足』。女子バレー部に所属)と
Nさん(右・高1/軟式野球部所属。生徒会総務としても活躍中)。
中3で、2週間ホームステイをしながら現地校に通う全員参加のオーストラリア海外研修を行う同校。異文化理解力や国際力を養い、生徒の自立と自信につなげる取り組みです。
中3生全員参加の海外研修で
英語力と自信や気づきを得る
学校生活を通じて生徒が好きなことを見つけ、それに打ち込むなかで生まれる自己肯定感と学力、人間力を高めていく城西大学附属城西。そうした教育の一環として、2022年度より、中3生全員参加で2週間のホームステイを経験するオーストラリア海外研修を行っています。
(理科/入試広報部 部長)
入試広報部部長の坂本純一先生はそのねらいを、次のように話します。
「異文化に触れ、英語力や国際感覚を養うことはもちろんですが、親元から遠く離れた海外で生活することで、生徒の『自立』を促すことも大きな目的です」
現地では、単独または2人1組で一般家庭にホームステイを行い、4校ある現地提携校のいずれかに通います。2週間、現地生徒がバディとなり、共に学校に通い、授業に参加します。
「最初は、授業に参加するための準備プログラムを受講しながら、学校生活に慣れていきます。先住民族の生活体験など、オーストラリアならではの背景や文化を学ぶ機会も設けており、休日には、ホームステイ先の家族と一緒に家事をしたり、観光をしたりもできます。現地の生活を丸ごと体験できる機会が豊富にあります。
ホームステイ先の家族や、学校の先生や生徒など、現地の皆さんは本校の生徒たちをとても温かく歓迎し、良い雰囲気をつくってくださいます。安心感のある環境のなかだからこそ、生徒たちも臆せず英語でコミュニケーションをとることができるのです。そして日常的な英会話の経験が、達成感や自信につながったり、その後の成長の幅を広げています」
現地では自力で
フィールドワーク
事前・事後学習の『比較文化研究』も、自ら学ぶ力を養います。事前に生徒それぞれが自分で決めたテーマについて調査を行い、オーストラリアを訪れた際には現地でインタビューやアンケート調査を実施。帰国後は探究の成果を英語でプレゼンテーションするというものです。
「皆、さまざまな工夫をして調査を敢行しています。興味をもつテーマについて現地でフィールドワークを行うことで、自分だけの気づきや視点を得てほしい。そして、研究成果をプレゼンに落とし込むことで、経験をしっかりと自分のものにしてほしいと考えています」
同校ではほかにもさまざまなグローバルプログラムを展開しています。高2の修学旅行は、ハワイ・台湾・国内(西日本)からの選択制で実施しており、高1・高2の希望者を対象とする短期・中期・長期留学も設けています。
「2024年度は短期留学に70名が参加する予定です。中3から参加できるU.S.デュアルディプロマプログラム(※)も2023年度よりスタートしており、各学年5名前後がチャレンジしています」
オーストラリア海外研修を通して自信をつけ、留学に挑戦したり、海外大学進学に目を向けたりする生徒が増えているという同校。生徒の進路形成にも大きな影響を与えていることがうかがえます。
※U.S.デュアルディプロマプログラム…アメリカの名門高校卒業資格を同時取得できるオンラインプログラム。
卒業生は、全米大学ランキングトップ2~8%に入る大学を含む18の海外大学への推薦入学が認められます。
生徒インタビュー
オーストラリア海外研修 体験座談会
「英語への自信とチャレンジ精神が身につきました」
2024年2月、オーストラリア海外研修を経験した2名に、現地の学校の様子や生活、成長を感じた部分について聞きました。
――現地の学校は、どんな様子でしたか?
Nさん
学校では、バディが受講している授業を一緒に受けるのですが、ビジネスの授業があったことに驚きました。ほかにも、アート、美容、音楽、飲食サービス、自動車整備など、日本の学校にはなかなかない授業があったのが面白かったです。敷地も広大で、のびのびとした自由な雰囲気が良かったです。
Yさん
私も、工作や工業系の授業を受けました。ICTが中心でほとんど黒板を使わず、板書を写すことがないので新鮮でした。
便利だなと思った一方で、私には書いて覚えることも必要かなと感じて、日本とオーストラリア、どちらの学校にも良いところがあると気づきました。
――印象に残っている出来事について教えてください。
Yさん
2人1組でホームステイをする友達が多いなか、私は1人で滞在したのですが、ホストファミリーの家族に、とても温かく、優しく迎えていただいたことが心に残っています。
おかげで最初の緊張もすぐにほぐれましたし、英語でたくさん話しかけることができました。娘さんと同じ学校に通い、放課後や休日には、一緒にスーパーに行ったり、観光をしたりと、とても仲良くしてもらったので、今でもメールのやりとりを続けています。
Nさん
初めての経験だったので、ひとつになかなか絞ることができないくらい、全てが印象深かったのですが、最終日に学校で開催していただいた、お別れパーティーは楽しかったです。
僕もホストファミリーにとてもよくしていただいて、休日は一緒に海へ行ったり、息子さんが出場するバスケやクリケットの試合を観に行ったり、毎日を楽しく過ごすことができました。
比較文化研究のテーマに「スポーツ観戦のちがい」を選んでいたので、現地で実際に試合を観に行けたことが探究にも役立ちました。事前学習として日本で調べたことと実際は異なる部分も多くて、現地に行ってみないとわからないことも多いなと感じました。
――オーストラリア海外研修を通して、成長や変化を感じた部分はありますか?
Nさん
英語を積極的に話せるようになったことが、自分にとっては大きな変化でした。
また、オーストラリアにはポジティブで積極的な生徒が多く、みんなが自由に意見を言ったり、チャレンジしたりすることが普通なのです。その環境に刺激を受けて、僕もいろいろなことに挑戦してみたいと思うようになりました。今年はクラスの副委員長に立候補したので、活動を頑張りたいです。
Yさん
私が一番良かったと思うところは、英語に対する苦手意識がなくなったことです。私はテストで点数が取れなかったために、英語を苦手と感じていたのですが、一生懸命伝えたいという気持ちがあればコミュニケーションは成立すると知りました。
話す英語と書く英語は違うと気づけたことで、英語への苦手意識が薄まりました。これからはテストの点数も取れるように頑張ります。
――今後も留学に挑戦してみたいと思いますか?
Yさん
渡航する前までは2週間は長いかなと思っていたのですが、実際に行ってみるとあっという間に過ぎてしまい、物足りなく感じるくらいでした。もっと英語力を高めたい、異なる文化に触れて、いろいろなことにチャレンジしたいという思いが湧いてきたので、次は中期留学に挑戦したいです。
Nさん
僕も、今度は中期留学に挑戦してみたいです。もう少し長く海外生活を送って、もっと英語力を伸ばしたいと思っています。
Yさん
オーストラリア海外研修は、大変だったことが何ひとつ思い浮かばないくらい、私にとっては最高の経験でした。後輩やこれから入学する受験生にも、ぜひ勧めたいです。
2週間、楽しい時間を過ごしました。
温かく迎え入れられ、英語でのコミュニケーションにも徐々に慣れて自信がつきました。
(この記事は『私立中高進学通信2024年7月号』に掲載しました。)
城西大学附属城西中学校
〒171-0044 東京都豊島区千早1-10-26
TEL:03-3973-6331
進学通信掲載情報
PICK UP!!
紹介する学校
- 中高6年間で高度な英語力 入学者増加中の『国際コース』江戸川女子中学校
- 全クラスの英語授業がオールイングリッシュに!サレジアン国際学園世田谷中学校
- 他国で学ぶ体験をインドでも!充実の独自海外プログラム芝浦工業大学附属中学校
- 達成感と大きな成長を得る 全員参加のオーストラリア研修城西大学附属城西中学校
- 英語を聞く・話す・発表する授業で 一生涯“使える英語”を育成トキワ松学園中学校
- 圧倒的な授業時間数で 初心者も英語力が一気に伸長文化学園大学杉並中学校
- 年間計150名の生徒が参加 充実の海外研修プログラム安田学園中学校
- 人と人との関係の中で心を響かせ合い、国際人の素養を培う京華女子中学校
- 海外研修で英語力を高め『他者理解』の尊さを知る武蔵野中学校
- USセミナーとアジアセミナーで グローバル感覚を磨く目黒学院中学校
- 国際会議への派遣などを通し グローバルリーダーを育成八雲学園中学校
- 中高時代に育んだ探究心と 英語コミュニケーション能力でグローバルに活躍!富士見丘中学校
- SSH第Ⅲ期の指定校に選出 生涯にわたって学び続けられる力を育成芝浦工業大学柏中学校
- 自ら考え行動する力を養う独自の「志共育」を実践足立学園中学校
- 「感話」で耕された心が平和の実現へ向かう恵泉女学園中学校
- 言語教育と発表の場に注力「品格ある個人」を育成神田女学園中学校
- 充実した英語教育とSTEM教育多彩な学びから多くの大切なことを学ぶ埼玉平成中学校
- 「真面目がカッコいい!」校風が大好き星野学園中学校
- PTA活動で生まれる交流がうれしい獨協中学校
- 共感的コミュニケーションを軸に挑戦心をもつ生徒を育てますかえつ有明中学校
- 6年間の学校生活で最も楽しくあるべきは“授業”その実現に向けた取り組みを昭和学院中学校
- 学問を通じた人間形成は五感を駆使した実体験から始まる獨協埼玉中学校
- 私立中高一貫校ならではの良さを建学の精神『人間愛』を通じて学び、育んでほしい文教大学付属中学校
- 教育とは次世代の人へのパス品川翔英中学校
- 美術を愛する生徒の心の琴線に触れる学校です女子美術大学付属中学校
- 生徒の成長に寄り添い見守りながら自立心を育む日出学園中学校
- 教員全員参加の個別最適な「進路支援」で希望進路の実現をめざす二松学舎大学附属柏中学校