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私立中高進学通信

2024年7月号

校長先生はこんな人!

かえつ有明中学校

共感的コミュニケーションを軸に
挑戦心をもつ生徒を育てます

小島 貴子 (こじま・たかこ)校長先生

小島 貴子 (こじま・たかこ)校長先生
都市銀行に勤務し、出産退職。
その後7年間の専業主婦を経て、埼玉県庁に職業訓練指導員として入庁。
そこから埼玉県雇用人材育成統括参与・埼玉県人事委員会委員など公職を多数務め、
立教大学・早稲田大学・東洋大学で教壇に立つ。
企業では採用・人材育成コンサルタント及びプログラム講師を務める。
高等学校・大学でのキャリアデザイン講義・講演といった社会活動にも携わる。

企業の人材育成に携わり
大学教員から中高の現場へ

 これまで3つの大学で教壇に立ち、学内のキャリア教育プログラムの開発や、企業の人材育成に携わってきました。大学を定年退職するにあたり、働き方改革の研究メンバーとしてご一緒させていただいた嘉悦学園の永久ながひさ寿夫理事長から「中高一貫校の校長をやってみませんか」とのお誘いをいただきました。

 かえつ有明のことを知れば知るほど、良い学校だという印象が強まりました。そして、もし私が校長になることで、先生方をもっと幸せにする環境がつくれたら、それに伴って生徒をもっと幸せにできるのではと思い、お引き受けすることにしました。

 本校に来て感動したのは、かえつ有明が掲げる『共感的コミュニケーション』がしっかりと根付いていることでした。共感的コミュニケーションは、Nonviolent Communication(NVC:ノンバイオレントコミュニケーション)ともいい、相手の状況や感情を踏まえた「非暴力的な」やりとりを指します。相手を見ずに「勉強しなさい」「これをやっておいて」と指示するのは、仮に柔らかな言い方であっても指示的・暴力的で反発を招きやすいものなのです。

 日本人はNVCが得意ではないので、実際はどのぐらいできているのだろうと思いながら本校を訪ねると、まず先生方が共感的コミュニケーションで私を迎えてくれました。私は突拍子もないことを結構言うタイプなのですが、まずは私の考えを受け止めたうえで、そこからご自身の意見を踏まえて返してくれる。すると心理的安全性が高まり、相互理解がぐっと深まります。想像していたよりも、短時間で学校に馴染むことができました。

 生徒たちも同じです。中学独自の教科『サイエンス科』では、中3になると個人の興味・関心に基づいた探究活動に取り組みます。各自の活動について意見交換するグループワークに私も飛び入り参加したのですが、とても伸びやかで素直なコミュニケーションが行われていました。

 自分の意見をしっかりともちながら相手の話も受け止めていて、初対面の人とも恥ずかしがらずに話しています。「この学校で絶対にいい仕事がしたい」と、強く思いました。

開かれた形で
誰もが学び合う学校を実現

「先生たちが幸せでなければ、学生・生徒は幸せになれない」

 これは長く教育の世界に身をおいてきた私の信条です。まずは先生方にとって、本校をより「働きがい」のある職場にしていきたいと思います。働きがいは「やりがい」と「働きやすさ」に分けることができます。人は成長を実感できる仕事環境があれば、やりがいを得ることができます。働きやすさとは、一人ひとりの能力や個性を発揮できるようにする、という意味です。少子社会のなかで、日本そして世界をけん引していく生徒たちをより良く育てるために、保護者や地域、関係機関などと力を合わせ “開かれた学校”をめざしていきたいのです。

 それを象徴する本校独自の取り組みの一つが『Parents Project(ペアレンツ プロジェクト)』です。教員と保護者が共に学ぶワークショップ形式の勉強会で、年5回ほど開催しています。着任前に『哲学対話』をテーマとする回に見学に行ったところ、保護者の一人が「せっかくだから一緒にやりませんか?」と声をかけてくださったのです。もちろん私が校長になることはご存じないわけで、「なんて素敵な保護者の皆さんなのだろう!」と感激しきりでした。

 その後、SNSで校長就任を公表すると、「子どもが卒業生なんです」「甥っ子が通っていました」など、学外の方からたくさんのメッセージをいただきました。大勢の方が本校を信頼し、応援してくださいます。母体である嘉悦学園は121年の歴史をもち、本校は有明キャンパス開校から18年の歳月を歩んできました。いわば成長期から成熟期に入っている本校だからこそ、再び成長期のサイクルに挑戦し、さらなる成長を果たすことが私の役割と感じています。

 本校がより良くなるために、人材育成の仕事に関わってきた経験を活かし、教員一人ひとりがなすべき使命、すなわち「ミッション」は何かを再確認し、あるべき姿「ビジョン」を描き、具体的な行動指針の「バリュー」(重要性)を明らかにして、数年おきに見直しながら実行していきます。

 そして、生徒がワクワクしながら未知なるものに取り組む「挑戦心」を伸ばせるよう、その土台となる環境をしっかりと整えていきたいと考えています。

[沿革]

1903(明治36)年、嘉悦孝が女子を対象とする商業学校を設立。1907年に日本女子商業学校に、1952(昭和27)年に嘉悦女子中学校・高等学校に改称。2006(平成18)年にかえつ有明中学校・かえつ有明高等学校と改称、有明キャンパスに移転、男女共学校となる。先進的な国際教育や語学教育と、世界の人々と協働するためのグローバルなマインドと主体的なコミュニケーション力を養う教育を、日々推進している。

進学通信 2024年7月号
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