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私立中高進学通信

2024年7月号

私たち、僕たちが大好きな先生

女子美術大学付属中学校

美術を愛する生徒の
心の琴線に触れる学校です

美術科 浜田 涼(はまだ りょう)先生

美術科 浜田 涼(はまだ りょう)先生
美術科教諭・美術作家。女子美術大学付属高等学校、女子美術大学芸術学部卒業。
多摩美術大学研究生を経て、女子美術大学洋画研究室非常勤講師。
2010年度より同校に美術科専任教諭として着任。2024年度より美術部主任を務める。

美術作家としても活躍する美術科教員の浜田涼先生。2024年から美術部の主任を務めています。
同校高校の卒業生でもある浜田先生に、同校の魅力や美術を中心とした教育について伺いました。

「これから自分の人生が始まる」
入学式で強く感じた思いは今も
高3の絵画コースを担当。「一人ひとりの個性に寄り添い、性格や作風に合わせた指導を心がけています」と浜田先生。高3の絵画コースを担当。「一人ひとりの個性に寄り添い、性格や作風に合わせた指導を心がけています」と浜田先生。

――浜田先生は女子美術大学付属高等学校の卒業生なのですね。

 小学校を卒業する時、先生に「あなたは美術が好きだから、女子美を受ければ良かったね」と言われたのです。その時は受け流してしまいましたが、高校受験で学校を調べていたところ、受験用雑誌で本校を見つけて「この学校だ!」と思い出しました。美術が学びの中心にあり、制服が素敵。アートがあふれる学校の日常を知るほどに、一つひとつが心の琴線に触れて、もうこの学校しか進学したくないと感じました。本校は中学入試では実技を課さないのですが、高校入試には実技試験があり、偏差値も少し厳しい状況でしたが、決心は変わりませんでした。

 実技の練習も勉強も頑張り合格して、入学式を迎えた時、「これから自分の人生が始まるんだ」という気持ちが湧き上がったことは、今でも忘れられません。たくさんの生徒や卒業生が同じように感じていたと、あとから聞きました。みんな本校で育まれてきた、自由で、お互いを認めて尊重し合う雰囲気を感じ取ったのでしょう。生徒からは、「入学してから、素直に自分の思いを表現できるようになった」「周囲に同調しなくてはという焦りがなくなった」という声がよく届きます。

 もしかしたら、美術が得意な人たちばかりが集まるなかで、自分は大丈夫だろうかと不安を感じる受験生もいるかもしれません。私もそうでしたが、美術への強い思いを共有できる喜びのほうが、きっと上回るのです。

――中高の教員として母校に戻った時、どのように感じましたか?

 女子美術大学を卒業後、作家活動をしながら同大の非常勤講師を務めていました。中高の美術科の教員を募集していると聞いた時、あのキラキラした場所にもう一度戻れるならと、難しいと思いつつ、採用試験に挑戦することにしました。採用が決まった時は、教員という立場ですが、また入学式の時の、心が躍るような気持ちがよみがえりました。久しぶりに戻った母校は変わらず、生徒たちが絵を描き、ものを作り、美や芸術について感性を研ぎ澄ませて、ときに哲学的な問いを立てて語り合う場でした。先輩教員が本校を「特別な酵母がついている、深みとコクがあるワインの醸造所のよう」と例えています。伝統に培われた本校の雰囲気がよく伝わる表現だと思います。

 保護者の方から、「美術予備校のような指導がなされて、生徒の個性が押さえられるのでは?」という質問をいただくことがありますが、本校の指導は生徒を型にはめるものではありません。一人ひとりが表現したいことを思う存分表現できるよう、その土台として、デッサンや静物画などの基礎をていねいに指導します。高3生が取り組む卒業制作展では、本校の生徒たちが、美術を学び、技術を磨きながら、自己表現に挑む軌跡をご覧いただけます。

メタ認知能力を高めた卒業生が
多彩な分野で活躍しています

――2024年度より、美術部主任を務められます。どのような役割を果たしたいとお考えですか?

 生徒と向き合う時に大切にしているのは、一人ひとりが「達成感」を得られるように支えることです。生徒は作品ができあがるまでに、挑戦と失敗を繰り返しながら、階段を一段ずつ上がるようにして進みます。それぞれに大切にしているテーマがあり、作品へのアプローチの方法も違うので、生徒が作品へ向かう背中を見たり、同じ目線で作品を眺めたりしながら、「根気よく軌道修正する力」がつくよう手助けをするのが、本校の美術科教員の姿勢です。その学びのあり方は、ずっと大切にしていきたいです。

 また、昨今「メタ認知」という能力が注目されています。自分自身を客観視して、多面的に思考し、前向きに行動できる力のことですが、本校では伝統的にメタ認知能力を高める教育が行われてきたと思い至りました。作品制作は、作品を褒める自分と批判する自分がいないと成り立ちません。生徒は自分の内にある正解を追求して作品を制作し、講評会ではできあがった作品について客観的に言葉で解説します。この繰り返しで、生徒のメタ認知能力は高まります。伝統的な教育を重んじながら、生徒が時代に求められる力を養えるように働きかけたいと思います。

――浜田先生は、美術作家としても活躍されています。

 教員になった頃は、作家活動との両立に迷いもありましたが、自然と創作に向かってきました。私の作家活動を「励みになる」と言ってくれる生徒もいて、続けてきたからこそ、伝えられることもあると感じています。

 本校には、魅力的な卒業生がたくさんいます。アーティスト、絵本作家、イラストレーター、美術監督、パッケージデザイナー、バレエダンサー、美術館の学芸員、教員など、多彩な職業で活躍する卒業生が、「母校で切磋琢磨して作品を作り上げてきた経験が、さまざまな場面で活かされている」と話してくれます。自分の世界観を軸に、壁にぶつかってもあきらめず、軌道修正をしながら、たくましく道を切り拓く卒業生たちは、在校生の憧れであり、本校の誇りです。受験生にも、学校説明会やホームページでその活動を見て、未来の自分を想像してほしいです。

油絵で静物画を描く授業。
生徒から積極的にアドバイスを求める声がかかります。

Garden of Light (a day to MJ), 2024Garden of Light (a day to MJ), 2024
1990年の初個展以来、現在に至るまで多くの展覧会を行っている浜田先生。専門の洋画のほか、写真、ガラス、インスタレーションを制作しています。
光の庭/Garden of Light photo : 加藤健/KATO Ken, 2024光の庭/Garden of Light
photo : 加藤健/KATO Ken, 2024
進学通信 2024年7月号
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