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私立中高進学通信

2024年7月号

今こそ心の教育

恵泉女学園中学校

「感話」で耕された心が
平和の実現へ向かう

2029年に創立100周年を迎える同校。講堂(フェロシップホール)のパイプオルガンは50周年に設置されました。右が本山早苗校長先生、左が白石真由子先生。

2029年に創立100周年を迎える同校。
講堂(フェロシップホール)のパイプオルガンは50周年に設置されました。
右が本山早苗校長先生、左が白石真由子先生。

「感話」が自分を耕し
他者を受け入れる
校長/本山早苗先生校長/本山早苗先生
「私も『自分らしくいられる学校』である恵泉女学園で中高を過ごしました」

 創立以来、「聖書」「国際」「園芸」を教育の3本柱に、主体性・多様性・協働性を育み続けている恵泉女学園。卒業生の誰もが口を揃えて、「自分が自分らしくいられる学校」と評する同校の特徴的な教育の一つに、礼拝時の「感話」があります。

「『感話』とは、生徒が日常で感じたことや考えたことを文章にまとめ、礼拝時に他生徒の前で話すものです。6年間、毎週続くこの『感話』が、生徒の心を耕し自分の考えを作る土台になっています」(校長/本山早苗先生)

 話すテーマは自由。まず話したい内容を原稿用紙にまとめますが、中学生は3〜4枚、高校生は8枚以上に及ぶこともあるそうです。生徒が選ぶテーマも発達段階で変化し、友人関係や家族など身近なものから、社会問題へとより広く深化していきます。

「話す機会は年に3回、6年間で17回ほどありますが、『感話』は自分の考えを整理すると同時に、他者の考えを受け入れる経験でもあります。生徒がのびのびと学校生活を過ごせているのは、『感話』により培われた『他者を受け容れる文化』のおかげではないでしょうか」(本山先生)

 もう一つ、同校の特徴的な取り組みに毎月の献金があります。

「生徒たちはお小遣いの中から、できる範囲で献金を捧げます。現在は6カ所のさまざまな施設が対象ですが、なかでも海外の子どもを支援する団体『Child Fund Japan』では、各学年がそれぞれ一人の子どもの里親になっています。卒業するまで同じ子どもを支援するので、一緒に成長する実感が得られています。毎朝の礼拝や特別礼拝の準備、献金の準備などを担う宗教部の部員が、子どもたちと英語で手紙のやり取りをしています」(音楽科・宗教部長/白石真由子先生)

 
世界に目を向け
平和を実現する女性に
音楽科・宗教部長/白石真由子先生音楽科・宗教部長/白石真由子先生
「いろいろなタイプの生徒がいますが、互いを尊重する校風があります」

 恵泉女学園が掲げる礎の一つ「国際」では、グローバルリーダーの育成よりも、平和を実現するピースメーカーの育成に重点がおかれています。

「創立者・河井道の言葉『わたしの生徒たちは、平和と善意が支配する新しい世界秩序を導き入れるように、力をかすようになってほしい。』にもあるように、本校では平和を創り出すマインドを育てています。年に何度か行われる特別礼拝ではさまざまなゲストを迎えており、2023年6月には、ハンガリーで活動する日本人宣教師の方からのビデオメッセージを流し、隣国のウクライナの状況をお話しいただきました。9月にはルワンダのジェノサイド後の和解プログラムの活動をしている卒業生を招き、活動支援のお話を伺いました。戦争だけではなく、人権やジェンダーについても、幅広い視野の学びを行っています」(本山先生)

 生徒たちの心に、社会の動きを通して、自分で考えるためのたくさんの種まきをしている同校。もう一つの柱である「園芸」についてもお聞きしました。

「『園芸』では、みんなで協働して畑を耕やすことで神様からいただいている命に感謝する心を育みます。自分たちで種を蒔いて収穫して味わうところまで、家庭科などの教科とも連携して行っています」(本山先生)

「小麦を育てて、粉にしてスコーンを焼く、ビオトープでもち米を育てて餅をつくなど、さまざまな試みをしています。山梨県・清里のファームワークの酪農体験では、牛舎の掃除体験から生み出されたものが、堆肥として本校の畑に戻ってくることを知り、自然の循環を学びます」(白石先生)

 さらに生徒の心を耕すものとして、多彩な「有志参加行事」が挙げられます。

「今取り組んでいることの一つが、東日本大震災の翌年から続けている南三陸町の応援プロジェクト。春休みに有志の高校生が現地に出かけ、震災遺構の見学やワカメ漁のお手伝いをしています。塩蔵ワカメは学内でも販売し、その収益を現地に捧げます。JA宮城に就職したり、宮城の小学校教員になったりと、地域に根付く卒業生もいます」(白石先生)

「本校の校歌に、『友なき人の友となりつつ 沙漠に花を咲かしめなんと』という歌詞があります。砂漠に花を咲かせることが困難で取り組む人がいないなら、私が咲かせに行きましょうという気概と行動力を育んでほしいのです。『人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい。』、これは入学して最初に覚える暗誦聖句ですが、その言葉は生徒の中にずっと生き続けます」(本山先生)

1929年、河井道により創立された同校は、キリスト教(プロテスタント)の信仰が教育の基盤。礼拝では「感話」のほかに、讃美歌、暗誦聖句、お祈りなどが行われます。1929年、河井道により創立された同校は、キリスト教(プロテスタント)の信仰が教育の基盤。礼拝では「感話」のほかに、讃美歌、暗誦聖句、お祈りなどが行われます。
毎朝8時20分〜8時45分が礼拝の時間。中高別に講堂や教室で行う礼拝、クラス礼拝、学年礼拝などさまざまな形態がありますが、いずれも自己と向き合う大切な時間です。毎朝8時20分〜8時45分が礼拝の時間。中高別に講堂や教室で行う礼拝、クラス礼拝、学年礼拝などさまざまな形態がありますが、いずれも自己と向き合う大切な時間です。
生徒礼拝で述べられた︎「感話」は小冊子にまとめられます。感動したクラスメートの話をじっくり読んだり、自分の「感話」を読んで自らの成長を確かめたりできます。生徒礼拝で述べられた︎「感話」は小冊子にまとめられます。感動したクラスメートの話をじっくり読んだり、自分の「感話」を読んで自らの成長を確かめたりできます。
4・5年生の有志が参加するオーストラリア・モートンベイカレッジ短期留学プログラムにて。モートンベイカレッジの生徒宅でホームステイも体験します。4・5年生の有志が参加するオーストラリア・モートンベイカレッジ短期留学プログラムにて。モートンベイカレッジの生徒宅でホームステイも体験します。
園芸の授業で行われたブロッコリーの収穫。「神の大地を汗して耕し、造り主の賜う命を育てることで鍛えられたものは、如何なる所でも神と人に喜ばれる」(創立者・河井道の言葉)園芸の授業で行われたブロッコリーの収穫。「神の大地を汗して耕し、造り主の賜う命を育てることで鍛えられたものは、如何なる所でも神と人に喜ばれる」(創立者・河井道の言葉)
約9万冊の蔵書を誇るメディアセンター。吹き抜けの校舎に枝をはるガジュマルの木が生徒たちを見守ります。パソコンルームを完備し、学園の史料が保管されている史料室もあります。

約9万冊の蔵書を誇るメディアセンター。
吹き抜けの校舎に枝をはるガジュマルの木が生徒たちを見守ります。
パソコンルームを完備し、学園の史料が保管されている史料室もあります。

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