私立中高進学通信
2021年4・5月合併号
生徒会に聞く学校生活
東洋英和女学院中学部
自分たちのなかに
限界をつくらない
新型コロナウイルスの影響を受け数々の学校行事が中止となるなか、同校では徹底した感染防止対策の下、楓祭(文化祭)を開催しました。今回、楓祭の開催に尽力した生徒会長と実行委員長にお話を聞きました。
――楓祭の開催に至った経緯を教えてください。
下林さん(高2・副会長/楓祭実行委員長)
オンラインのみの開催も考えましたが、生徒一人ひとりが楽しめる楓祭にするために、なんとか学校で実施できないかを実行委員会と生徒会で話し合いました。その結果、感染症対策を徹底したうえで英和生のみのリアル開催とし、保護者にはライブ配信や動画配信をしました。
鈴木さん(高2・会長)
多くの部活動が楓祭を目標にしています。みんなのためにも、絶対に開催したいと思いました。
――新型コロナ対策は?
下林さん
独自のガイドラインを作成しました。消毒や手洗いはもちろん、人の移動や接触を減らすため、部活動の発表方法も工夫しました。たとえば大講堂での公演では、観覧人数や舞台上の人数を制限する、道具は共用しないことなどです。
鈴木さん
ハンドベル部や合唱部など大講堂での公演は生配信し、多くの方にご覧いただき好評でした。また、事前準備の段階から密を避けるため、クロームブックを活用してオンライン上で情報交換や打ち合わせをしました。
――楓祭はいかがでしたか?
鈴木さん
楓祭当日は、どの団体の活動も充実していて、笑顔の英和生の姿が多く見られました。実際に「楽しい」という意見もいただき、うれしかったです。
下林さん
2020年度の楓祭は「再生」がテーマです。例年通りの開催が難しいなかで何ができるのか、私たちが憧れ、思い描いている楓祭とはどのようなものなのかを改めて考え直すなかでたどり着いたテーマです。「再生」には、一時停止状態になった世の中から、再び動き出して前へ進んでいく、という希望を込めています。新しいことへの挑戦は、試行錯誤の連続でした。けれど、より良い状態へ「再生」するのだというみんなの強い思いや、互いを認め合い最善策をとれたことが、楓祭の成功につながったと思います。
鈴木さん
新型コロナウイルスにより、今まで当たり前だった基準がなくなってしまったことが、原点に立ち返るきっかけです。多くの英和生が守り続けてきた伝統とは何か。それは、絶えず変化しながらも積み重ねてきた時間や文化だと気づきました。だからこそ私たちは、過去にとらわれずにチャレンジし、進んでいく決心がついたのです。そんな私たちを、先生や保護者など多くの方がサポートしてくださいました。今までにない新しい楓祭をつくりあげる、という生徒みんなの夢が実現でき、心から感謝しています。
――楓祭以外の、2020年度の生徒会の活動は?
鈴木さん
毎年、12月にはクリスマスカードを作成し、幼稚園や児童養護施設へ送る活動をしています。今年ならではの活動だと、学校用品を扱う企業の方と一緒に、東洋英和のオリジナルマスクを作成しました。
下林さん
学校を紹介する動画を作成してホームページに公開しました。部活動の様子や制服のリボンの結び方など、生徒目線でつくっています。新入生や受験生にも見ていただき、東洋英和の良さを知ってもらえればうれしいです。
楓祭のステージ発表は、新型コロナウイルス感染予防対策のため、
マウスシールドやフェイスシールドを着用して行われました。
5月に行われた生徒総会はリモートで開催されました。
新しいことに挑戦するチャンスとして
私たち生徒会は生徒会役員に加え、クラブ運営委員会、中央委員会で組織する評議会を中心に活動しています。コロナの影響で活動が制限されてしまった今年だからこそ交流を目的とする広報を意識し、ICT機器を積極的に利用しました。前例にこだわらない新しい活動も始まりました。今後も私たち生徒が主体となって学校生活がより良くなるよう尽力していきます。
(この記事は『私立中高進学通信2021年4・5月合併号』に掲載しました。)
東洋英和女学院中学部
〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696
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