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私立中高進学通信

2024年8月号

今こそ心の教育

淑徳中学校

人のために生きることは
自分を成長させること

90周年記念室にてお話しくださった安居直樹校長先生。
阿弥陀如来立像が生徒たちを優しく見守ります。

人とのつながりを通して
社会に役立つ人間に
塔に刻まれた3Lを背に。門から校舎までのアプローチには四季折々の花々が咲いています。「生徒たちは学校の門をくぐって校舎に至るまで、季節の花々を見て心を整え勉学へと気持ちを切り替えます」塔に刻まれた3Lを背に。門から校舎までのアプローチには四季折々の花々が咲いています。「生徒たちは学校の門をくぐって校舎に至るまで、季節の花々を見て心を整え勉学へと気持ちを切り替えます」

 最先端のグローバル教育を展開し、ここ10年ほどで難関大学の合格者数を2倍以上に増加させた淑徳。その背景には、生徒一人ひとりに対するきめ細かなコース別の学習指導はもちろんのこと、浄土宗を基盤にした心の教育にもその効果が見られるといいます。

「校祖である輪島 聞声 もんじょう 先生が掲げた『進みゆく世におくれるな、有為な人間になれよ』という建学の理念は、社会に役立つ人になってほしいという意味があります。そのためには知識も必要ですが、最終的には人と人とのつながりを大切にできるかどうかということが重要になります」(校長/安居直樹先生)

 同校が大切にするのは、「利他共生」の精神だと安居校長先生は強調します。

「『利他共生』は単に“共に生きる”という意味ではなく、 “他者に生かされ、他者を生かし、共に生きる”ということです。人のために何かをすることが、自分が成長する機会となる。この精神は生徒たちの学校生活に浸透していて、例えば社会福祉部ではボランティア活動を盛んに行っています」

 生徒を春夏秋冬の生まれ月で4つのグループに分け、学年を縦割りにして競技を行う体育祭もその一つです。

「上級生が下級生をサポートし、下級生は先輩からリーダーシップを学ぶ。体育祭は“共生”を学ぶ良い機会となっています」

 安居校長先生は、日々の学習も共生の機会の一つだといいます。

「数学の苦手な生徒に得意な生徒が教えると、教えられた生徒は感謝します。得意な生徒は友達の理解が深まったことに喜びを感じ、さらに教科に対する自分の理解も深まります」

 同校では卒業後にチューターとして母校に戻ってくる大学生も多く、まさしく「利他共生」の精神が体現されているといえます。

生まれ月で春夏秋冬の4チームに分かれて競う体育祭。学年を越えた結束が生まれます。生まれ月で春夏秋冬の4チームに分かれて競う体育祭。学年を越えた結束が生まれます。
港区芝にある浄土宗大本山増上寺にて毎年行われる増上寺研修。厳しい修行に耐えて大学受験への心構えを養います。港区芝にある浄土宗大本山増上寺にて毎年行われる増上寺研修。厳しい修行に耐えて大学受験への心構えを養います。
お釈迦様が生まれたことをお祝いする「花まつり」散華の舞。お釈迦様が生まれたことをお祝いする「花まつり」散華の舞。
増上寺で自分を振り返り
大学受験に臨む
「生徒には、社会で役に立つ人間になりたいという思いを抱いて卒業してほしい」と話す安居校長先生。「生徒には、社会で役に立つ人間になりたいという思いを抱いて卒業してほしい」と話す安居校長先生。

 日常的な心の教育としては、まず「朝のおつとめ」があげられます。これは毎朝のホームルーム前の15分間、各クラスの日直が90周年記念室で法話を聞き、般若心経を唱えます。

「法話に関しては、宗教科の教員がさまざまな話題を取り上げます。今朝は、“ご利益”とは何かというテーマでした。なかにはみんなで般若心経を唱えることが好きで、毎朝自主的に参加している生徒もいます」

 さらに毎週1時間、校祖や建学の精神、仏教のことなどについて学ぶ「淑徳の時間」も大切にされています。

「本校の教育理念は3L(Life・Love・Liberty)です。Lifeは生きるもの全てを大切にする心、Loveは他者と自分を愛する心、Libertyは自らの信念に基づいて行動することを指します。この3Lは仏教の教えをわかりやすくしたもので、本校ではそれを学ぶためのさまざまな取り組みを行っています」

 例えば授業では、中2・中3の男子は剣道・柔道、女子は茶道・華道を必修として学びます。伝統的な和の作法を習得することは、人間関係の土台となる挨拶や礼儀などの基本的なマナーを身につけることにつながります。さまざまな人との協調が必要な時代において、同校ではこれまで以上にこうした取り組みに力を入れています。

 また、年4回の仏教行事では、記念式典を行うとともに著名人の講演や演奏会などを実施し、心豊かな1日を過ごします。その際、白ブレザーにベレー帽、胸に赤いチーフといった伝統のユニフォームに身を包んだ「聖歌隊」が歌い、それに合わせて「散華の舞」が場を清めるために踊りを舞います。仏教校として「聖歌隊」を持つ学校は数少なく、明るい雰囲気で行事を盛り上げます。

 さらに同校の心の教育として最も重要なものに、高3生が自己を見つめ直す「増上寺研修」があります。

「高3の5月に、これまでの5年間の自分の生き方を振り返り、大学受験に臨むうえでの誓いを立てます。生徒は 五体投地 ごたいとうち といって、念仏を唱えながら両手・両膝・額を地面に投げ伏して祈る最高の形の礼拝や、しゃべらずに食事をする じき 作法などを体験します。僧侶が毎日修行している場をお借りするので厳粛な雰囲気がありますし、落ち着いた環境に身を置いて、自分の本当に大切なものが何かを考える、生徒にとって貴重な機会です」

 最後に、安居校長先生から保護者の方へメッセージをいただきました。

「中学受験は子ども自身が自分の人生を見つめ直す良い機会だと思います。両親とコミュニケーションをとりながら自分の将来を考えるという意味でも、受験はお子さんの人生にとって素晴らしい出来事になります。親子で一つの目標に取り組むことで、家庭内の絆も深まるでしょう。お子さんが人生を積極的に生きるためにも、ぜひ中学受験に挑戦してください」

進学通信 2024年8月号
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