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私立中高進学通信

2020年9月号

コロナに負けない!私学のアクション

横浜女学院中学校

CLILとESDの特色あるカリキュラム
休校中もオンラインで実施

通常と遜色のない授業を4月からスタート
こだわりポイント
  1. カリキュラムどおりの学びを確保する
  2. 学習面とメンタル面も個別にサポートする
  3. 休校中も学校の教育方針を感じ取れるようにする

 新型コロナウイルスの感染拡大で、ほとんどの学校が5月末まで休校を延長。約3カ月間にも及ぶ休校期間で、学習の遅れを心配する声が多く聞かれました。

 同校では4月13日から全校オンライン授業をスタート(中1は5月から)。具体的には、8時20分からホームルームを行い、その後は通常の授業と同様に45分間授業を1時間目から5時間目まで、普段の学校生活とほとんど変わらない時間割で行っていた点が特徴です。

 授業の内容を見ると、授業動画の配信や教科学習の課題提出はもちろん、『CLIL』(※1)と『ESD』(※2)に象徴される同校ならではの特色あるアクティブラーニング型のカリキュラムやプログラム、ディスカッションなどの協働作業を中心とする授業が展開されていることに驚きます。

 オンラインでも私学ならではの特色ある独自のカリキュラムを展開できたことについて、広報主任の宮下直樹先生は次のように話します。

「本校では生徒が1人1台マイクロソフトのラップトップ『Surface Go』を所有し、授業ではさまざまなICTツールを使用しています。使用時は、単に利便性のためとか、ツールを使うことだけを目的にしないことが重要です。教員はカリキュラムの目的をきちんと示し、生徒はそれを理解し、そのうえで、ツールとして用いています。
 休校期間も、カリキュラムの目的を達成するには何を使い、どのような授業を行えばいいのか。CLILであれば協働作業とテーマ制がポイントになります。例えば、協働性を補完するためのツールとして、「Microsoft Teams」(※3)のチャット機能などオンラインのアプリケーションを活用しました。
 新入生にSurface Goを配布する際も、ツールを使う意味と同時に、カリキュラムの目的を伝えています」

 

※1 CLIL…Content and Language Integrated Learningの略。ヨーロッパ圏で英語を母国語としない人たちが英語を身につけるために広く活用されている学習方法。英語以外の教科を英語で学ぶ教育方法です。

※2 ESD…Education for Sustainable Developmentの略。世界の人々や次世代、環境との関係性の中で生きていることを一人ひとりが認識し、行動変革するための教育と定義づけられています。

※3 Microsoft Teams…Microsoft 365でのチームコラボレーションのハブで、メールアドレス、スケジュール管理、チャット、オンライン通話、テレビ会議などのほか、ExcelやWordなどMicrosoft Officeアプリとの連携など多種多様な機能を備えています。ビジネス用として開発されたが、近年、学校内の課題配布や探究学習などにも活用されています。

休校中、希望者(中2以上)を対象に放課後に行われた『学びプロジェクト』。調べ学習を行い、その過程をビデオチャットで発表するなど、本格的な探究学習をオンライン上で展開。休校中、希望者(中2以上)を対象に放課後に行われた『学びプロジェクト』。調べ学習を行い、その過程をビデオチャットで発表するなど、本格的な探究学習をオンライン上で展開。
朝夕のホームルームは、Microsoft Teamsのチャットやテレビ会議機能を使って行われていました。提出の必要のある課題や振り返りなどは、担任の先生からチャットで伝達し、提出を忘れないよう、きめ細かに促しています。朝夕のホームルームは、Microsoft Teamsのチャットやテレビ会議機能を使って行われていました。提出の必要のある課題や振り返りなどは、担任の先生からチャットで伝達し、提出を忘れないよう、きめ細かに促しています。
次世代の学びを取り入れたカリキュラム
 
広報主任/宮下直樹先生広報主任/宮下直樹先生

 同校はキリスト教教育の歴史を有する伝統校ですが、伝統ある人間教育を実践するとともに、新しい時代に生きていく力を身につけるための教育の変革も積極的に続けてきました。英語運用能力を伸ばしながら国際的な視野を広げ、真の学力とグローバル社会において世界の人々と協働できる力を、育成しようというものです。

 CLILをはじめとする特色あるカリキュラムを展開していくためには、基礎学力が不可欠です。そのため同校では、平日7時限の週6日制の充分な授業時間を確保。さらに、『学習センター』(大学生チューター在室の自習室)、大学生チューターによる放課後学習、勉強クラブなど、授業時間以外にも学習の機会を設けてきました。

 休校中は授業に加え、『オンライン学習センター』の実施など、これらの充実した学習環境もオンライン上で再現されました。

「行事や部活動など学校に登校できないことで失われてしまう部分もありますが、オンラインだからこそできる部分もあります。本校では、まずはカリキュラム通りの学びを担保することを最優先し、学習到達度を大切にし、そのうえで、ICT端末を利用した有効的な学習方法を実践していきます」(宮下先生)

コロナ対策事例1
オンラインツールで1日5時限の時間割をスタート
中3国際教養クラスでは、オンラインでCLIL授業を実施。関係する動画を英語で視聴し、Microsoft Teamsのチャット機能などを使って、書き込みや口頭で議論を深めます。画像はMicrosoft Teamsの掲示板ツール上で行われた意見交換の様子。中3国際教養クラスでは、オンラインでCLIL授業を実施。関係する動画を英語で視聴し、Microsoft Teamsのチャット機能などを使って、書き込みや口頭で議論を深めます。画像はMicrosoft Teamsの掲示板ツール上で行われた意見交換の様子。

 4月8日の始業式から、中2~高2は「Microsoft Teams」、高3は「Google Classroom」を使って、クラスごとに毎朝のホームルームがスタート。ホームルームでは、毎日の出欠の確認や伝達事項の確認に加えて、週の初めには前の週の振り返りも行っています。

 4月13日から授業がスタート。8時20分~8時50分のホームルームに続いて、9時00分から1時間目が始まり、1コマ45分間で5時間目までの授業。通常と同じような時間割で、オンライン学校生活の1日を送ります。

 国語ではWeb会議を利用した生徒同士の共同学習、数学では学習動画の活用、現代社会ではMicrosoft Teams投稿機能を利用した意見交換、理科では「YouTube」で実験動画を配信するなど、教科の特性に合わせ、さまざまな方法で授業を行っています。

「新入生に対しては、郵送か手渡しで5月に電子端末を配布し、使い方や設定方法のガイダンスを動画で配信しました。情報セキュリティやモラルに関するリテラシー教育を行いながら、各教科での活用法は授業中に使いながら覚えていき、徐々に自ら工夫して使うようになります」(宮下先生)

コロナ対策事例2
自習室、職員室、カウンセリングルームもオンライン上に設置

 授業だけではなく自習室、職員室、カウンセリングルームもオンライン上に設置。学習面と同時に、心のケアも行っています。

4月13日から放課後にオンラインの自習室『オンライン学習センター』を開設。曜日ごとに異なる大学の学生チュータ―とZoomでつながりながら、一緒に学習できます。4月13日から放課後にオンラインの自習室『オンライン学習センター』を開設。曜日ごとに異なる大学の学生チュータ―とZoomでつながりながら、一緒に学習できます。
オンライン職員室では、各学年の教員や日直の教員が放課後の1時間、Google Meetで職員室に待機。生徒は時間内にいつでも入室できます。オンライン職員室では、各学年の教員や日直の教員が放課後の1時間、Google Meetで職員室に待機。生徒は時間内にいつでも入室できます。
4月13日から開設。同校専任のカウンセラーが、月曜~金曜の9時~18時まで、メールと電話で相談に対応します。4月13日から開設。同校専任のカウンセラーが、月曜~金曜の9時~18時まで、メールと電話で相談に対応します。
コロナ対策事例3
毎日更新される校長室だより
礼拝動画の配信も
ほぼ毎日更新される校長ブログ。ほぼ毎日更新される校長ブログ。

 休校中の生徒たちの励みとなっていたのが、同校のホームページ上で毎日配信される『校長室だより』です。また、YouTubeで礼拝動画も配信され、同校のめざすプロテスタントのキリスト教精神による女子の人間教育、「愛と誠」の教育を、休校中も身近に感じ取ることができました。

週に1度の礼拝とイースター礼拝の動画配信の様子。

週に1度の礼拝とイースター礼拝の動画配信の様子。

先生から一言
『女学院チャンネル』でオンラインでも情報発信

 校内だけでなく、校外に向けた情報発信にもオンラインを活用しています。YouTubeに開設した『女学院チャンネル』(※4)では、校長からのメッセージの他、CLILや国語のリーディングワークショップなどについてわかりやすく解説した動画をアップしました。ぜひ動画を見て本校のことを知ってほしいと思います。
(宮下先生)

※4 女学院チャンネル…YouTubeサイトにて、「女学院ch」で検索すると見ることができます。

(この記事は『私立中高進学通信2020年9月号』に掲載しました。)

進学通信 2020年9月号
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