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私立中高進学通信

2020年9月号

コロナに負けない!私学のアクション

田園調布学園中等部

オンライン授業の迅速な取り組み
学習効果の向上につながる

分散登校時のクラス朝礼。オンラインで自宅から授業に参加する生徒の様子も教員がPCでチェックしながら、同校の朝の伝統になっている『精進の鐘』の音を聞いて黙想する時間も設けました。

分散登校時のクラス朝礼。オンラインで自宅から授業に参加する生徒の様子も教員がPCでチェックしながら、
同校の朝の伝統になっている『精進の鐘』の音を聞いて黙想する時間も設けました。

ICTへの取り組みが
スムーズな遠隔授業を実現
こだわりポイント
  1. Chromebookの活用で
    スムーズなオンライン授業を実現
  2. より効果的な授業方法を
    熟考して準備
  3. “学校とのつながり”を
    実感できるメンタルケア

 川村理助初代校長の『捨我精進』の言葉に託された「どんなに困難な状況にあっても、わがままを捨て、自分の目標に向かって懸命に努力する」人間教育をめざす同校。コロナ禍でも、困難を乗り越えるために迅速に対応しました。

 政府の臨時休校要請を受けた3月初頭の休校期間中から、オンラインによる補習授業をいち早く実施しました。まずは授業動画や課題のオンライン配信を始め、Web会議サービス「Zoom」も活用。双方向のやりとりで生徒の反応を見ながら授業を行いました。

「本校は、以前から中2以上は1人1台、キーボード付きのタブレット端末Chromebookを所持し、ICTを活用した学習を徹底していました。そのため、休校中の双方向のオンライン授業や授業動画配信にも迅速に対応することができました。
 また、オンラインによる補習授業の開始も、現場の教員が生徒のためを思って協力し合い、情報交換をしながら自主的に進めていきました。そのおかげで、新学期の4月から始めた本格的な動画配信・オンライン授業にも、生徒たちは非常にスムーズに対応できました」(清水豊校長先生)

 昨年までは、新学期になると、新中2生にChromebookを学校で配布していましたが、今年は生徒宅に郵送するようにしました。Chromebookを持たない新中1生には、動画配信・オンライン授業を受けてもらうため、ICT環境が整っていない家庭には学校のパソコンの貸し出しを行うなど環境作りも徹底しました。

 通常の65分授業を休校時は50分に短縮した特別時間割を作成し、教科担当が綿密に話し合って授業の内容を精査。生徒の反応を考慮して取り組みました。

「教科・科目によって、効果的な授業方法は異なります。
 英会話などは双方向型のオンライン授業が適していますが、演習の授業などは動画配信授業の方が映像を繰り返し見られるので、効果が高いです。また、理科では生徒に実験を体験させることはできませんが、オンラインで演示実験を行うことで、生徒に手元を見られることがなく、何が起こるかを想像させてから実験結果を出すことができ、驚きも増します。
 教員も新たな授業手法を獲得でき、その効果も体感することができました。ここで得た経験やノウハウは、対面授業にも活かされるでしょう」(入英樹副教頭先生)

メンタルケアを重視した
生活習慣の徹底

 さらに同校が大切にしていたのは、生徒のメンタルと生活習慣のケアです。休校中も登校時と同じく『精進の鐘』の音を聞き、黙想する時間を設けて生活リズムを整え、教科外でも生徒とオンライン面談を実施。部活動もオンラインによるミーティングや技術指導をするなどさまざまな試みを行いました。

「生徒のメンタルケアで最も大事にしたのは“学校といつもつながっている”という実感です。とくにクラスメートと顔を合わせる前にオンライン授業が始まった新中1生に対するケアは重視し、教室での授業が始まった今も、互いを知り、親しみを持ち合えるよう、取り組みに工夫を凝らしています」(清水校長先生)

 コロナ禍での同校のすべての取り組みを、公式Facebookで子細に報告しているのも、生徒と保護者、学校とのつながりを大切にしているからです。

「オンライン授業の準備の様子や授業風景、校内のトピックスを細かく発信することで、生徒や保護者の方も安心感を得られたと思います。学外の方にも本校の日常を見ていただく機会になっています」
(入試広報室長/細野智之先生)

コロナ対策事例1
オンライン授業は“画面越し”ならではの工夫を

 教員や教科の特性に合わせて、生徒の自主学習にも役立つ授業動画が多く作成・配信されました。その数は300本を超え、なかには1人で100本以上の動画を作成した教員も。また、「Zoom」での双方向型オンライン授業でも、オンラインの特性を活かしたさまざまな創意工夫が凝らされました。

 数学科の中島先生が担当する中2数学の統計の授業では、生徒が自宅でサイコロを100回振って出た目の数を記録し、学年全員約200名のデータを使って学習するという企画も行われていました。

 また、清水校長は「情操を育てる5教科以外の授業が、心のバランスを崩しがちなコロナ禍では重要」だと考え、体育・音楽などの実技科目にもオンライン授業を積極的に活用。創作ダンスの振り付けを自宅で行う、リコーダーセッションをオンラインで行うなどの授業も実践しました。

「授業動画は繰り返し視聴が可能なので、復習にも役立つと生徒に好評です。Zoomによるオンライン授業では『教室よりも発言しやすい』という声も多く、チャットでは意見を拾いやすいというメリットもあります。拍手機能で意見の集計もできるなど利点も多く、今後の対面授業にも役立てられるさまざまな工夫を、教員も一緒に学ぶことができました」(入副教頭先生)

同校の中学数学の授業はカードを使い、プラスマイナスの計算を指導するのが特徴。細野先生の授業動画はカメラの前にカードを示し、よりわかりやすい指導を心掛けました。同校の中学数学の授業はカードを使い、プラスマイナスの計算を指導するのが特徴。細野先生の授業動画はカメラの前にカードを示し、よりわかりやすい指導を心掛けました。
こちらの授業動画は以下のURLで見ることができます。https://www.youtube.com/watch?v=SdEfklDDGFMこちらの授業動画は以下のURLで見ることができます。https://www.youtube.com/watch?v=SdEfklDDGFM
生徒が自宅からリモート参加した体育・創作ダンスの授業。教員も生徒全員の理解度やレベルを把握しやすく、個別指導が行き届く利点もありました。

生徒が自宅からリモート参加した体育・創作ダンスの授業。
教員も生徒全員の理解度やレベルを把握しやすく、個別指導が行き届く利点もありました。

コロナ対策事例2
分散登校後もオンラインを活用
3密を避けた実験授業も

 クラスを二つに分けて行われた分散登校では、全員が一体感を持って授業や行事に臨めるようオンラインで自宅からも生徒が参加。朝礼も同様に行い、教員が全員の様子をしっかり把握できるよう努めました。7月半ばからは全員登校が始まりましたが、検温やマスクの着用、消毒の徹底のほか、3密を避けた授業、行事、部活動の実施にも気を配り、安全な態勢を確立しました。

分散登校時の物理の授業風景。リモート参加の生徒も授業で発表するなど、クラス全員が一体感を持って授業に臨めました。分散登校時の物理の授業風景。リモート参加の生徒も授業で発表するなど、クラス全員が一体感を持って授業に臨めました。
自宅学習ではできなかった理科の実験。3密を避けながら生徒たちはイキイキと学びの喜びを感じていました。同校の特徴的な取り組みの一つ、真のリベラルアーツを養う「土曜プログラム」もスタートしています。自宅学習ではできなかった理科の実験。3密を避けながら生徒たちはイキイキと学びの喜びを感じていました。同校の特徴的な取り組みの一つ、真のリベラルアーツを養う「土曜プログラム」もスタートしています。
先生から一言
前向きに立ち向かう力を
今こそ育てていきます
左から入副教頭先生、清水校長先生、細野先生。左から入副教頭先生、清水校長先生、細野先生。

 本校の生徒には、失敗してもいいから、勇気を持って一歩を踏み出し、仲間と力を合わせて、何かを作り上げることにチャレンジしてほしい。その経験をベースに、新しい社会は自分たちが作るという自信を得て巣立ってほしいと願っています。

 その意味でコロナ禍での学びは、生徒のみならず学校全体が世の中の変化をどう捉え、どう前向きに進んでいくかを試される機会となりました。登校が始まった生徒の元気な姿には、学校で学ぶ喜び、楽しさがあふれています。休校中に身につけた自主的、積極的な学び方を、今後に活かしていきたいです。(清水校長先生)

進学通信 2020年9月号
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