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私立中高進学通信

2021年8月号

THE VOICE 校長インタビュー

横浜女学院中学校

自発的な学びを促す仕掛けで
生徒たちの才能を育む

平間 宏一 (ひらま・こういち)校長先生
1957年神奈川県出身。1979年受洗。大学卒業後、横浜女学院に英語科教諭として赴任。
1984年家業を継ぐために離職するが、1987年より再び同校で教鞭を執る。
英語科主任、国際教育部長、広報部長を歴任し、2005年より教頭、副校長を経て2015年より現職。

父との確執を越えて
再び教員の道へ
ESD
(Education for Sustainable Development)
の求める6つの力
  1. 持続可能な社会を創る価値観
  2. コミュニケーション能力
  3. リーダーシップ
  4. データを読む力
  5. 代替案の思考力
  6. 総合的な思考力

 小さな会社を経営していた父の跡継ぎとして育てられた私は、大学卒業前に家業の関連会社に就職が決まっていました。ところが、父の「お前が就職できたのは俺の力だ」という一言に腹を立て、内定を辞退したのです。今振り返れば申し訳ないことをしたと思いますが、当時の私は反抗心が旺盛でしたから、「自分の道は自分で決める」と家を飛び出し、通っていた教会に身を寄せました。

 その後、母校の男子校に教育実習に行くことになりました。教員の仕事に関心はありませんでしたが、周りの学生の多くがとっていたという理由で、教職課程をとっていたのです。けれどもその教育実習が、私の運命を変えました。

 生徒たちは休み時間になると、「野球しよう」「テニスしよう」と誘ってきて、私はひっぱりだこ状態に。放課後には、「ここを教えて」と、質問が殺到します。「生徒ってかわいいな。教師っていいな」と思い、私は教員になる道を選び、本校に赴任しました。

 ところが3年後、父が病に倒れ、私は家業を継ぐことを決意し、学校を辞めたのです。やがて父が他界すると、「本当は先生に戻りたいんじゃないの?」と母が言いました。教員の仕事を続けたかった私の気持ちを、母は見抜いていたのでしょう。確執があった父ですが、看取ることもできて許してもらえたと思いましたし、母も背中を押してくれたので、私は再度自分の進みたい道を歩むことにしました。幸いなことに理事長からの要請もあり、本校に再赴任して今日まで勤め続けています。

生徒が自分の時間と使命を
果たしていけるように

 聖書に「善きサマリヤ人のたとえ」というものがあります。ユダヤ教の原点を守っているレビ人やパリサイ人などのユダヤ人は、そうではないサマリヤ人を軽蔑していました。しかし、あるユダヤ人が強盗に襲われて半死半生になった時、ほかのユダヤ人が見て見ぬふりをする中、あるサマリヤ人が彼を助けました。サマリヤ人は宿屋で一晩中彼を看病し、翌日は宿屋の主人にお金を渡して介抱を頼みます。隣人愛がテーマのお話です。

 一方、イギリスの政治家マーガレット・サッチャー氏は「心がやさしいだけだったら誰一人として『善きサマリヤ人』のことなど覚えていなかったでしょう。彼にはお金もあったのだ」と語ります。

 もちろん、ここだけを切り取るのは適切でないかもしれません。ただ、良き隣人になるためにすべきことを理解するヒントにはなります。私たちが隣人を助けたいと思った時、その思いだけでは助けられません。努力して才能を伸ばして、隣人の役に立てるようになることが必要です。

 私は教育の役割は、「善きサマリヤ人を育てること」だと思っています。本校の卒業生には、芸大に進んだ人もいれば、医学部医学科に進路を決めた人もいます。人には、それぞれに与えられた時間と使命(ミッション)があります。どうせ生きるなら、自分に与えられた時間と才能を活かして、「自分だからできること」を実現してほしいと思うのです。

学びの場を提供する
豊富な仕掛けづくり

 私が校長に就任した2015年から、本校ではESD(持続可能な開発のための教育)の求める6つの力を育む学校づくりを進めてきました。2018年には国際教養クラスとアカデミークラスを設置し、CLIL(内容言語統合型学習)を導入。教科学習と英語学習を組み合わせ、英語で学び考える力を育てています。

 また、生徒の成長を促すためには、たくさんの経験の場が必要であると考えています。私は20歳の頃に一人でアメリカに行き、視野が広がり生き方が変わる経験をしました。生徒たちにもそんな刺激を与えたいと思っています。

 そのための仕掛けの一つは、国際交流プログラムの充実です。中3生が全員で行くニュージーランド海外研修をはじめとして、多彩な海外セミナーや研修、留学制度を用意しています。国際教養クラスで必修(アカデミークラスは選択履修可能)の第二外国語(ドイツ語、スペイン語、中国語)も、世界を広げるために役立ちます。

 さらに、幅広く高大連携を進めていますし、2022年度からは授業時間を65分にし、これまで以上に話し合いや自分の意見を発表する時間を大切にした授業を展開していこうと準備中です。

「生徒が自ら学びたくなる環境」を作ることに、私たちは邁進し続けます。

[沿革]
1886年創立の横浜千歳女子商業学校と1943年創立の神奈川女子商業学校を、1947年、金子正が合併して創立。「愛と誠」を校訓として、教育理念である「キリスト教教育」「学習指導」「共生教育」を柱に人間教育を行っている。

(この記事は『私立中高進学通信2021年8月号』に掲載しました。)

横浜女学院中学校  

〒231-8661 神奈川県横浜市中区山手町203
TEL:045-641-3284

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