Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!
LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2019年7月号

実践報告 私学の授業

横浜女学院中学校

視野を広げ世界につなげる
ESD・CLILの取り組み

自らの未来を切り拓く「積極的に学ぶ姿勢」を育成
富士山での『学習セミナー』の様子。ESDのプログラムに沿って、富士山という環境について、体系的に学んでいきます。

富士山での『学習セミナー』の様子。
ESDのプログラムに沿って、富士山という環境について、体系的に学んでいきます。

ESD型のプログラムで
問題解決能力を育む

 横浜・山手に位置し、長年にわたりキリスト教精神に基づいた女子教育を行う同校。2016年度から、すべての教科で『ESD(イーエスディー)』(※1)を採り入れた授業を実施しています。ESDとは、現代社会の諸問題を自分のこととして捉え、「持続可能な社会づくり」をめざすことによって、新たな価値観や行動を生み出す学習や活動です。同校では身近な問題を見つけ出し、解決するために何が必要かを考え、議論し、行動に移していくというプロセスを週に1時間ある『ESD』の時間で学んでいきます。

『ESD』は高2まで行われ、中学では世界の社会的課題や「持続可能な開発目標(SDGs)」(※2)について学び、取り組むテーマを決めて探究し、発表会で自分の意見を発信。中3の『ニュージーランド海外セミナー』で現地の姉妹校の生徒とともに学び、意見交換をし、テーマへの考察を深める体験もします。高校では地域社会や国連、NPOでのフィールドワークでそれぞれが課題を見つけて解決案を考え、社会に対して自らが貢献・行動できることを探っていきます。さらにその成果をポスターセッションや個人論文で発表する機会も設けています。

英語で学ぶ
CLILを導入

 もう一つ、同校の教育で特徴的なのが、『CLIL(クリル)』(※3)の授業です。CLILとは、社会的・国際的なテーマや、数学・理科・音楽など英語以外の教科を「英語で学ぶ」学習方法です。生徒の視野を広げると同時に、英語の4技能も高めることがCLIL導入の目的です。

 中学のCLILの授業では、中3の『ニュージーランド海外セミナー』を目標に、英語での議論や他教科の学習などレベルの高いプログラムに国内で挑戦します。中1・中2ではこれらの学びに向けて、基礎力をじっくり育成。帰国後も国内で海外からの留学生と議論する場などがあります。

 授業に慣れないうちは日本語の資料を読んでから英語で議論するなど柔軟な授業を行うことで、英語で意見することに慣れる工夫をしているそうです。

「日本語ならニュアンスで伝えられることも、英語で発言するにはテーマの内容や言葉の意味をしっかりと理解していなければ説明できません。そのためにより学びが深まることがCLILの大きなメリットです。集中力も高まり、知識も定着しやすくなります」

 と広報主任・理科の宮下直樹先生は話します。今後はさまざまな大学との高大連携の取り組みも予定しているそうです。

「ESDやCLILを通して身につけてほしいのは、他人と協働して自分の未来を切り拓 く力です。幅広い学びを通して、自分の中の新しい “何か”と出会ってほしい。本校では、そのきっかけになる仕掛けを、できるだけ多く提供したいですね」

※1 ESD…Education for Sustainable Developmentの略。世界の人々や次世代、環境との関係性の中で生きていることを一人ひとりが認識し、行動変革するための教育と定義づけられています。

※2「持続可能な開発目標」(SDGs)…2015年の国連サミットで採択された2030年までに解決したい17の国際目標。この目標を達成するためにどのようなことが必要かを考える学習が、世界中の学校で行われています。

※3 CLIL…Content and Language Integrated Learningの略。ヨーロッパ圏で英語を母国語としない人たちが英語を身につけるために広く活用されている学習方法。英語以外の教科を英語で学ぶ教育方法です。

ESDの視点で世界の課題に取り組む
ESD持続可能な社会を作るために
自分たちでできることを研究・発表

 中3と高1の全員が参加する宿泊研修『学習セミナー』では学習習慣を身につけ、さらに社会・生物・化学的な視点から富士山をテーマとして学びます。これにより物事を多角的にとらえる観察力・考察力を養います。フィールドワークも行い、グループワークによるコミュニケーション能力やリーダーシップ、データ分析力や代替案の立案力も育成していきます。

「富士山では単に自然体験をするのではなく、水質やPH値を調べ、富士山の特殊な植生を調査し、体系的な学習を行います。セミナーでの学習計画も、化学・数学・生物の教員が、教科を横断して立案します。
 この取り組みを通して、学習習慣の定着とともに、社会・理科・数学・英語など教科間のつながりを意識しながらESD的価値観を養っていきます」(広報主任 ・ 理科/宮下直樹先生)

 また、中3では全員参加の『ニュージーランド海外セミナー』を実施。ともに、多文化共生や生物多様性、環境問題などについて学び、現地の生徒と生物多様性について意見交換をする取り組みなども行っています。

富士山でのフィールドワーク。生徒が積極的に取り組んでいます。溶岩地帯の独特の植生を自分たちで調べていきます。富士山でのフィールドワーク。生徒が積極的に取り組んでいます。溶岩地帯の独特の植生を自分たちで調べていきます。
ESD報告会。学んだ成果を発信する能力も、ESDで養成したい力の一つです。生物多様性について、自分の考えや、それを守るために必要な対策をプレゼンテーションします。ESD報告会。学んだ成果を発信する能力も、ESDで養成したい力の一つです。生物多様性について、自分の考えや、それを守るために必要な対策をプレゼンテーションします。
『ニュージーランド海外セミナー』では、現地の生徒と一緒に自然環境について学びました。日本とは異なる環境への取り組みや、社会的な問題に触れ、刺激を受ける体験となりました。『ニュージーランド海外セミナー』では、現地の生徒と一緒に自然環境について学びました。日本とは異なる環境への取り組みや、社会的な問題に触れ、刺激を受ける体験となりました。
CLIL 英語力+教科の知識を深める「英語で学ぶ」CLILの授業
免疫の仕組みについて学び、英語で発表する生徒たち。英語で書いたポスターを作成し、わかりやすいよう、工夫して説明していました。免疫の仕組みについて学び、英語で発表する生徒たち。英語で書いたポスターを作成し、わかりやすいよう、工夫して説明していました。

 2018年より、同校では中1から『国際教養クラス』と『アカデミークラス』の2つのクラスを用意し、新しい学びを展開しています。CLILの授業は『国際教養クラス』は中3から、『アカデミークラス』は高1からスタート。英語以外の教科の学習に加え、多彩なテーマについても英語を使って学習します。

 2018年の12月から今年の3月にかけては、高1の生徒たちが、ドイツのマインツ大学との共同プログラムで英語と理科を学びました。生徒たちはCLILの授業で免疫の仕組みなどについて、計12時間をかけて学び、最終日には「もし横浜で感染症が流行したら?」という設定で、ポスターセッションを行いました。

先生からの一言行動の変化こそESDの真価

 本校の教育の根底にあるのは、キリスト教教育における、「自分を愛するように他人を愛しなさい」という隣人愛の精神です。これに伴う知識や技術をESDで体系的に学んでいこうというのが、本来の目的です。

 重要なのは、学ぶことにより「行動が変わる」ということではないでしょうか。2020年以降の思考力が問われる入試でも、自分で考えて知識を取りに行くアプローチが重要になります。生徒たちは取り組みを通じて受け身ではない学習をするようになり、自ら学ぶ力がついて、結果的に自学自習も得意になっていると思います。(広報主任・理科/宮下直樹先生)

進学通信 2019年7月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ