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私立中高進学通信

2020年9月号

先達の意志

跡見学園中学校

伝統文化の上に立ち
全人教育をめざす創立者の思い

日本人による私立女子中等教育機関として初めて設立された同校は、150年近い歴史の中で、自律し自立する女子を育てることを常にめざしてきました。
1875年、開校当時の跡見学校。すでに女子教育者として知られていた花蹊のもとに、上流階級の子女を中心に生徒が集まりました。

1875年、開校当時の跡見学校。すでに女子教育者として知られていた花蹊のもとに、上流階級の子女を中心に生徒が集まりました。

跡見学校の創立者、跡見花蹊。漢詩、書画などを学び、日本の伝統文化を重んじる教育をめざしました。跡見学校の創立者、跡見花蹊。漢詩、書画などを学び、日本の伝統文化を重んじる教育をめざしました。

 1875年創立という長い歴史を誇る跡見学園。その創立者は、女子教育に熱心に取り組んだ跡見花蹊(あとみ かけい)というひとりの女性でした。

 花蹊は1840年、摂津国木津村(現・大阪府大阪市)で生まれました。当時は不況で、かつては名家だった跡見家が貧しくなったことから、父は寺子屋を開いていました。

 そのような両親の期待もあり、花蹊は幼少期から学問に興味を持ちました。17歳になった花蹊は、京都で画家・書家に師事し、才能が開花したといいます。

 1859年には、父が公卿姉小路家に仕えることになり、花蹊が父の私塾を継ぐことになりました。その後、塾は京都へ移り、1875年、跡見学園は東京で開校します。

新しい世の中に
女子教育の重要性を思う

 新しい文化が入ってきた時代は、花蹊にとって歓迎できることばかりではありませんでした。女性が髪を短く切り、男性のような服装で街を歩く姿は、伝統的な文化を学んできた花蹊にとって嘆くべきものでした。このような風潮を見て女子教育の重要性を感じた花蹊が神田区中猿楽町に設立したのが「私立跡見学校」でした。当時、官立や宣教師による女子教育機関はありましたが、女子のための日本人による私立の中等教育機関としては日本初となりました。

 跡見学校には、華族の子女を中心に80名あまりが入学し、国語、漢籍、算術、習字、裁縫、挿花、点茶、絵画などを学びました。

 めざしたのは、日本の伝統文化に基づく徳を身につけ、自律し自立した女子を育てること。伝統的な日本人としての基盤の上に、書画などの芸術を通して全人教育を施すというものでした。当時、漢籍を女子に教授することも珍しく、たいへん先進的な取り組みだったと言えるでしょう。

 当時特徴的だったのは、生徒の多くを敷地内の寄宿舎に住まわせ、家族的な雰囲気の中で全人的な教えを施した点です。「お塾」と呼ばれた寄宿舎では、年長者が年少者の面倒を見て生活面全般で人間性を高めるとともに、生徒同士が強い絆を結びました。また、伝統行事を大切にし、季節ごとの遠足、摘み草、花見、紅葉狩り、寺社の拝観などの行事を通して情操と知性を育みました。さらに学校では、創立時の志である、伝統的な文化を継承することをめざし、絵画、和歌、箏曲なども教えました。

寄宿舎(お塾)の生徒たちと花蹊(前列中央)。花蹊は「お師匠さん」と呼ばれ、慕われていました。

寄宿舎(お塾)の生徒たちと花蹊(前列中央)。
花蹊は「お師匠さん」と呼ばれ、慕われていました。

時代の変化にも対応する
柔軟な教育を実践

 智徳教育をめざした花蹊でしたが、跡見学園は、体育や家政も重んじていました。花蹊自身が体操の一種を工夫した運動踊を実践していました。また、1885年には学科に英語を加え、米国人教師を招聘しています。このように、古い文化を教えるだけでなく、時代の流れに沿って新しいものを取り入れ、世の中の変化に応じていくことも大切にしていたのです。

 跡見学園の生徒数は増え、1888年には小石川柳町に、1932年には現在地である大塚に移転しました。その間も花蹊は、多くの生徒を育てました。高齢のために1919年に校長を退いてからも名誉校長として書や絵画を教え、1926年に亡くなるまで生涯を女子教育に捧げました。

 花蹊の教えは、教え子たちによって守られ、跡見学園の伝統として受け継がれていきました。多くの女学校が高等女学校令による高等女学校に改組していくなか、跡見女学校は独自の教育方針を貫くため、高等女学校化を拒んでいたそうです。

 花蹊が育んだ校風は、今も学校や生徒に受け継がれています。生徒同士、あるいは教員と生徒の「ごきげんよう」というあいさつは、開校以来続く伝統です。授業の始まりと終わりにも「ごきげんよう」のあいさつが交わされます。また、体育祭や文化祭、クラブ活動を中高一緒に行うことは、「お塾」があった時代の「年長者が年少者の面倒を見る」という精神を受け継いでいます。さらに、本物に触れることを重視し、能狂言や歌舞伎などの伝統芸能を鑑賞する行事やフィールドワークも豊富です。

 同校では、創立者の教えを大切にし、どんな時代にあってもゆるがない人間力と学力を備えた「しなやかで凛とした女性」を育てることを使命としています。

正門近くにたたずむ花蹊の胸像。生徒たちは登下校の際、この像に一礼します。正門近くにたたずむ花蹊の胸像。生徒たちは登下校の際、この像に一礼します。
花蹊の書。男性的でも女性的でもない中性的な味わいが特徴。現在も生徒たちは、跡見流の書を学んでいます。花蹊の書。男性的でも女性的でもない中性的な味わいが特徴。現在も生徒たちは、跡見流の書を学んでいます。
1932年の校庭の様子。和装の生徒と洋装の生徒が交じっています。資料提供:跡見学園女子大学花蹊記念資料館

1932年の校庭の様子。和装の生徒と洋装の生徒が交じっています。

資料提供:跡見学園女子大学花蹊記念資料館

跡見学園の歩み
1875年 東京の神田中猿楽町に、跡見学校を開校。
1885年 英語教育を開始。
1915年 私立女子校として最初の校服を制定。
1930年 2代目の校服を制定する。和服が主流の時代にシングルジャケットに
ジャンパースカートを組み合わせた洋装の校服となっている。
1944年 跡見女学校を廃止し、跡見高等女学校を設置。
1947年 跡見学園中学部を設置。
1948年 跡見学園高等学校を設置。
1951年 学校法人跡見学園に組織変更する。

 2015年には学園創立140周年を迎えました。また、2020年は創立者・跡見花蹊生誕180周年の節目を迎えました。

不易と流行
学びの土台となる
跡見流リベラルアーツ
中学3年間を通じて、学びの土台となる振る舞いや思考の「型」を体得します。中学3年間を通じて、学びの土台となる振る舞いや思考の「型」を体得します。

 伝統を守りながら新しいことにチャレンジすることは同校のモットーです。現在、同校では学びの土台になるものとして「跡見流リベラルアーツ」を取り入れています。

 「ごきげんよう」のあいさつに始まり、身だしなみや立ち居振る舞い、礼節を身につけ、跡見流書道、作法などを学びながら、ソーシャルスキルワークを通じて、多様な価値観を持つ人々と協働する力を育みます。また、道徳の時間には、「クリティカルシンキング(批判的思考)」や「哲学対話」などの手法を取り入れて、道徳的なテーマについてのワークに取り組みます。

 跡見流リベラルアーツは、2025年の創立150周年に向けた将来構想プロジェクトの一環です。

(この記事は『私立中高進学通信2020年9月号』に掲載しました。)

跡見学園中学校  

〒112-8629 東京都文京区大塚1-5-9
TEL:03-3941-8167

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