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私立中高進学通信

2020年9月号

校長が語る 自立へのプロセス

高輪中学校

「成功体験が積み重なって
自立に必要な自信となる

中1の『自然体験学習』。集団行動のなかでさまざまなことにチャレンジしながら、生徒同士の絆を強めます。

中1の『自然体験学習』。集団行動のなかでさまざまなことにチャレンジしながら、生徒同士の絆を強めます。

自信を与えるために
安心して失敗できる環境を
平野 豊(ひらの・ゆたか)校長先生平野 豊(ひらの・ゆたか)
校長先生
1962年、東京都出身。國學院大學久我山高校から、國學院大學文学部文学科に進学。近現代の作家の研究に励む。大学卒業後、高輪中学高等学校に国語科教員として着任。2020年4月、同校 校長に就任。趣味は旅行。昨年は熊野を詣で、熊野古道を歩いた。

「男子は女子に比べて緩やかに成長していく傾向にあります。男子の場合、自立に必要な要素の一つは、自信を持たせることだと思います。失敗してもいいので、生徒には安心して何にでも挑戦してほしいと思っています。挑戦することで、小さな成功体験や達成感を積み上げ、そこから自信を得ることができるからです。
 私自身は小学生で卓球の楽しさを知り、中学・高校・大学と卓球部に所属して一つのスポーツを長く続けてきたことが自信になっています」

 と、平野豊校長先生は語ります。自立に向けて、体験を重視する同校は、中1では『自然体験学習』(2泊3日)、中2では『農工芸体験学習』(3泊4日)、中3では『西日本探訪学習』(4泊5日)、高2では『海外学校交流』(5泊6日)を用意しています。

「本校の体験学習は学年が上がるにつれ日数を長く、訪問先は遠くなるように設定しています。グループ行動も、大人数から少人数へと規模を小さくして、少しずつ自立するためのハードルを上げています。
 中1の『自然体験学習』では、長野県上高地で飯盒炊さんをします。中1の生徒にとって電気もガスも使わずに、薪を組んで火を起こし、ご飯を炊くのは至難の技です。中2の『農工芸体験学習』では、福島県会津地方の喜多方市にある畑で、地元農家に協力をいただき、ジャガイモを傷つけないよう、くわを使った収穫にチャレンジします。これも中学生には難しいことです。小さな困難を乗り越えて、ご飯が炊けたり、ジャガイモが収穫できたりした時には大きな喜びが待っています。
 中3の『西日本探訪』では、沖縄本島の北にある伊是名島に民泊し、高2の『海外学校交流』ではオーストラリアを訪れます。オーストラリアでは現地の高校を訪ね、ファームステイも体験します。勉強した英語が実際に通じた時にはとても感動し、その経験が大きな自信になり、自立につながるのです」

高2の『海外学校交流』では、現地校の生徒と一緒に授業を受けたり、互いの国の文化を紹介したりします。

高2の『海外学校交流』では、現地校の生徒と一緒に授業を受けたり、
互いの国の文化を紹介したりします。

生徒が何でも相談でき
信頼できる教員をめざす
自立のための3つのポイント
  1. 挑戦させて、自信を与える
  2. 手を放して、見守り続ける
  3. 目標を持たせ、その達成を応援する

 また、平野校長先生は、生徒と教員との距離感が自立に重要な要素であると語ります。

「本校の教育目標の一つは『人を育てる指導』です。人を成長させるには、手取り足取りではなく、見守る姿勢が教員には必要だと思います。とはいえ、手は放しても目は離さないように、1学年6クラスに担任6名のほか、学年主任をはじめとする5名の専任教員を配置し、生徒一人ひとりの生活面と学習面をしっかりとサポートしています。1限目を教えた教員が元気のない生徒を見つけたら、2限目の担当教員にその旨を伝えます。生徒同士でいさかいがあれば、複数の教員で対応し、生徒に思いやりの大切さを誠実に伝えます。
 私たち教員は、生徒にとって信頼でき、何でも相談できる大人であることをめざしています。こうした環境のもと、生徒は安心して自分で考え、自分で決めて、行動できるようになっていきます」

 さらに生徒の縦のつながりも、自立に重要な役割を果たすと平野校長先生は話します。

「本校では例えば中1クラスの教室の隣に、高3クラスの教室があったりします。ひと続きの校舎で中1生から高3生まで生活しているので、休み時間などに日常的にすれ違うわけです。部活動でも縦のつながりが強く、大学受験の合格者一覧が張り出された時に、『あの先輩が早稲田に入ったんだ!』と知り、後輩は『僕もがんばろう』とその先輩を目標に、自ら道を切り拓いていくようになるのです。その部活動では、上級生が下級生を指導することで、上級生は責任感を持つようになり、『尊敬される先輩でいよう』と自覚することで、成長していきます」

発足させたサークルが
部活動に昇格することも

 同校では、生徒が興味・関心のあること、チャレンジしたいことを、どんなに小さなものでも力いっぱい応援しています。その一つがサークル活動です。

「生徒が声を上げれば、少人数でもサークルなどの発足を認めるようにしています。顧問の教員もつきます。切手のサークルと、ダブルダッチという2本の縄で行う縄跳びのサークルは、このようにして誕生しました。規模が大きくなると同好会に、さらには正式な部活動へと昇格します。
 自分たちの手で部活動をつくることができれば、揺るぎない自信になるでしょう。生徒は好きなことのためなら、努力を惜しまないはずです。こうした環境のなかで、大勢の仲間をつくってほしい。本校で得た自信と仲間は、一生の財産になるでしょう」

自立のための取り組み
中3から選抜クラスを設置
切磋琢磨しながら成長を
選抜クラスの授業風景。生徒は競い合いながら、互いを高め合っています。選抜クラスの授業風景。生徒は競い合いながら、互いを高め合っています。

「人は目標を持った時に大きく成長します。そこで、中3から選抜クラスを設けています」(平野豊校長先生)。選抜クラスは、成績上位者を集めたクラス。毎年、一般クラスとの入れ替えがあります。「高1まで一般クラスにいた生徒が、高2になったら選抜クラスに入ることもあります。将来の目標が定まりスイッチが入り、選抜入りすることも稀ではありません」。英検や数検、漢検の受検も、生徒が目標を持つために奨励しています。

進学通信 2020年9月号
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